第18戦記 魔光牙、襲来‼︎
手に汗握るミアと明日美の対決。
その戦いも今、決着の時を迎えようとしていた。
【ネオ新宿区 都心近郊】
ミア「はあぁぁぁぁぁぁっ‼︎」
明日美「はあぁぁぁぁぁぁっ‼︎」
ミアの黒村正は明日美のパイロットスーツの左肩をかすめ、明日美のナイフはミアのヘルメットを至近距離から切り裂いた。
「カラン………‼︎」
ミアのヘルメットは二つに割れ、地面に落ちた。
明日美「はっ………⁉︎」
ミアは瞬時に顔を隠したが、明日美にはミアの顔がほんの一瞬だけ見えた。確信は持てなかったが、その人物には見覚えがある様子だった。
十字軍兵A「今まで白兵戦で敵にかすり傷一つ負わせなかった、
ミアは顔を隠しながらすぐに後ろを振り向いた。
ミア「屈辱だ…‼︎ この代償は大きいぞ…、明日美…‼︎」
明日美「………」
ミア「だが、お前とはいずれ女として勝負がしたい‼︎ 戦場ではないところでな…。撤退だ…‼︎」
十字軍兵A「
ミア「うるさいっ‼︎ 撤退だ‼︎ 上を見ろ‼︎」
ミアが指を差した方向を見ると、ネオ新宿区上空にEDEN'S GATEが出現していた。
中からは大量の小型の飛行タイプの魔光牙と大型の怪獣のような魔光牙が現れた。
オペレーター「長官、魔光牙が出現しました‼︎」
富士山「何だと⁉︎」
十字軍兵B「こんな時に魔光牙か‼︎」
魔光牙「グァァァ………‼︎」
杏花「あれは…‼︎」
麻里奈「魔光牙でござる‼︎」
萌「向こうからバスター1も来るよ‼︎」
少年「遅くなりましたね…。僕も一緒に戦えばいいんですよね?」
杏花「遅いじゃない5人目…‼︎ さっきはよくも…‼︎ と、言いたいところだけど今はそんな場合じゃないわね…」
麻里奈「昨日の敵は、今日の友‼︎」
萌「ま…、まったり仲良く頑張っていきましょ」
十字軍兵C「怪物め‼︎がぁぁぁ‼︎」
パンツァーカイルが小型飛行タイプの魔光牙の大群に撃墜された。
女性住民「きゃあぁぁぁ‼︎」
男性住民「魔光牙の大群だぁ‼︎」
アナウンス「警告‼︎ 警告‼︎ 魔光牙が出現し、緊急事態宣言が発令されました‼︎ 住民は機甲警察の指示に従い速やかに地下シェルターへ避難して下さい‼︎」
機甲警察「みなさん、地下シェルターへ避難して下さい‼︎」
街では国民保護サイレンが大音量で鳴り響き、厳戒態勢が敷かれた。
魔光牙「グァァァ………‼︎」
大型の魔光牙は目から赤い怪光線を放ち、パンツァーカイルを次々と撃墜していった。
十字軍兵B「うわぁぁぁ、
ミア「勝負は預けるぞ、明日美‼︎」
ミアは後ろを振り向いたまま、跳び去っていった。
明日美「あの人は………? あっ…、いけない、早く合流しないと‼︎」
明日美は再びバスター5に乗り込み、他のGトルーパーズと合流した。
杏花「明日美、無事だったのね‼︎」
麻里奈「黒い凶星はどうしたでござるか⁉︎」
明日美「撤退したわ。その子が5人目?」
萌「そうだよ」
明日美「ねえ、君…?」
少年「はい…」
明日美「さっきはゴメンね。身体は大丈夫なの?」
少年「ええ…」
明日美「よかった…、一緒に頑張りましょう‼︎」
少年「はい…‼︎」
直虎「ようやくGトルーパーズが5人揃ったわね…」
富士山「立花司令、私は阿蘇部総理にジェネバスター起動の承認をもらいに行く‼︎ 指揮を引き続き頼む‼︎」
直虎「分かりました‼︎ みんな、まずは小型飛行タイプから当たって‼︎」
G・T「
最終隊員たち「はっ‼︎」
最終隊員A「食らえ、化け物‼︎」
最終隊員B「当たれ、当たれ‼︎」
防人部隊はプラズマライフルやミサイルランチャーで、飛燕部隊はプラズマレーザー砲やプラズマバルカンで、小型飛行タイプの魔光牙を撃破していった。
杏花「飛び道具はあまり得意じゃないんだけどね。プラズマビームガンでも受けなさい‼︎」
杏花は右腕の部分に収納されたプラズマビームガンを発射し、小型飛行タイプの魔光牙を複数撃破した。
麻里奈「電子戦が効かぬ相手なら、正攻法で戦うのみ‼︎ プラズマライフル、乱れ撃ち‼︎」
麻里奈はプラズマライフルを乱射して、小型飛行タイプの魔光牙を複数撃破した。
萌「プラズマミサイル、全方位発射‼︎」
萌は背部からプラズマミサイルを全方位に向かって発射し、周囲の小型飛行タイプの魔光牙の群れを一網打尽にした。
明日美「私のガンさばき、見せてあげるわ‼︎」
明日美はプラズマライフルを取り出すと、素早く複数の小型飛行タイプの魔光牙を狙い撃ちした。その射撃精度は、百発百中といっても過言ではないくらいであった。
杏花「ナイスショットね、明日美‼︎」
麻里奈「西部劇のガンマンも顔負けの腕前でござる‼︎」
明日美「うふっ…♡ こう見えても私は、「アスミ・ザ・ショット」とも呼ばれたほどの射撃の名手よ‼︎」
萌「ナイスショットにナイスバディ…」
少年「はぁっ‼︎」
少年は上空を飛行して、腕の部分に集めたプラズマエネルギーを剣の形にし、小型飛行タイプの魔光牙を次々と切り裂いた。
少年「うおぉぉぉぉぉ‼︎」
続いて少年は掌の部分に集めたプラズマエネルギーから波動を放ち、半円を描くようにして小型飛行タイプの魔光牙を次々と撃破した。
杏花「意外にやるわね‼︎」
麻里奈「見事な戦いぶりでござる‼︎」
明日美「強いのね‼︎」
萌「ふむふむ、また小説のネタが浮かんだ」
最終隊員B「すごい、5人揃ったGトルーパーズのパワーは無敵だ‼︎」
魔光牙「グァァァ…‼︎」
直虎「Gトルーパーズ、大型の魔光牙が来るわ‼︎ 迎撃態勢を取って‼︎」
G・T「
大型の魔光牙は両耳の辺りに大きな角を生やし、手足には鋭い爪が生え、長い尻尾を持った特撮映画の怪獣を連想させる姿をしていた。
杏花「大きい…‼︎」
麻里奈「100mはありそうでござる…」
明日美「特撮映画の怪獣みたい…」
萌「小説の怪獣のモデルになりそう…」
少年「とにかく、行きましょう‼︎」
杏花「いきなりシャシャリ出てきて、何仕切ってんのよ‼︎」
直虎「まあ、そう言わずにみんなで協力して戦いなさい」
Gトルーパーズは、散開して大型の魔光牙の攻撃に当たった。
少年「プラズマショックウェーブ‼︎」
杏花「プラズマコレダー‼︎」
麻里奈「プラズマサーベル、乱れ突き‼︎」
萌「プラズマレールキャノン10連射‼︎」
明日美「プラズマバスターライフル、発射‼︎」
魔光牙「グオォォォ………、グオォッ‼︎」
G・T「うわぁぁぁぁぁ…‼︎」
全員の攻撃が命中したがさほど攻撃は効いておらず、Gトルーパーズは長い尻尾で薙ぎ払われ、地面に叩きつけられた。
杏花「すごいパワー…‼︎」
萌「攻撃が効いていない…」
明日美「伊達に図体は大きくないわね…」
少年「弱点が分かれば…」
麻里奈「一点に攻撃を集中させれば、突破口を開けるかもしれぬでござるな」
萌「一点集中攻撃なら、あたしのバスター4の出番だね」
明日美「みんな、萌ちゃんに続いて集中攻撃を仕掛けましょう‼︎」
Gトルーパーズは萌のバスター4を先頭にしたフォーメーションを取った。
萌「いっくよー‼︎ プラズマミサイル、集中砲火‼︎」
魔光牙「グオォォォ…‼︎」
萌「続いて、プラズマホーミングミサイルにプラズマレールキャノン、連続発射‼︎」
魔光牙「グオォ…‼︎」
バスター4の一点集中砲火で、大型の魔光牙は少し後ろへよろめいた。
少年「今だっ‼︎ プラズマバーストキャノン‼︎」
明日美「プラズマバスターライフル、発射‼︎」
魔光牙「グオォォォ…‼︎」
バスター1の波動と、バスター5の砲撃で大型の魔光牙は態勢を崩した。
杏花「お次は私たちの番ね‼︎ プラズマカッターX《クロス》‼︎」
麻里奈「プラズマサーベル、乱れ斬り‼︎」
杏花・麻里奈「はぁぁぁぁ‼︎」
魔光牙「グオォォォ…」
バスター2・バスター3の同時攻撃で大型の魔光牙は倒れた。
杏花「やったの…⁉︎」
麻里奈「まだでござる‼︎」
魔光牙「グオォ………、グガァァァァァー‼︎」
杏花・麻里奈「きゃあぁぁぁ‼︎」
大型の魔光牙は赤く目を光らせて起き上がり、バスター2・バスター3を大きな腕で振り落とした。
そしてバスター1・バスター4・バスター5に向かって口から赤い熱線を吐いた。
少年「うわぁっ…‼︎」
萌・明日美「きゃあっ…‼︎」
三人が熱線を回避しようとした際に熱線が機体をかすめ、少し焦げついてしまった。
杏花「これだけやっても効いてないの…?」
麻里奈「やはり、もっと決定打になるようなダメージが必要でござるな…」
萌「決定打と、なると…」
明日美「ジェネバスターに合体するしかなさそうね」
直虎「長官…、まだなの⁉︎」
【国会議事堂 本館】
その頃国会議事堂の本館では、ジェネバスター起動の件で緊急会議が開かれていた。
富士山「総理、ついに魔光牙が日本にまで出現しました。ジェネバスター起動の承認を‼︎」
議員A「総理、どうかご英断を‼︎」
議員B「総理‼︎」
阿蘇部「もうあとには引き返せんからな…」
徳川「お言葉ですが総理、いくら状況が状況とは言え、このような専行が許されるとお思いですかな⁉︎」
徳川が突然口を挟み、周囲の議員たちがざわつき始めた。
脇坂「議会での議決なしに最終自衛隊を出動。これはいけませんな…」
富士山「今さら何を⁉︎ 緊急出動がなければ、機甲暴力団による被害はさらに大きいものとなっていた‼︎」
徳川「さらに、ジェネバスターの存在を秘匿するのみでは飽き足らず、議決なしに起動…。それらを議会が放っておくと思えますか?」
富士山「先の大戦でも政府は法の圧力を恐れ、議決をただ待つばかりだった‼︎ 新日本政府の対応がもっと早ければ、多くの人命を救うことができたはず‼︎
第二次宇宙大戦の二の舞になってもよいと言うのか⁉︎」
徳川・脇坂に続き、三人の参議院議員も答弁を始めた。
三人の名前はそれぞれ、
法務省大臣「
総務省大臣「
文部科学省大臣「
彼ら三人は、周りの勢いに流されやすいタイプだ。
※以下三名、朽木元吉=朽木、赤座直之=赤座、小川祐作=小川と略。
朽木「ごもっとも。最終自衛隊は、宇宙連邦政府の管轄下にありますからな」
赤座「ならばジェネバスターも、本来は宇宙連邦政府の管轄下にあるもの」
小川「下手をすれば「
徳川「お三方の言う通りですぞ、総理‼︎ そもそも最終自衛隊の出動は、平和的な解決手段が通じない非常時の緊急的な最終防衛手段‼︎
そして最終自衛隊の存在も本来ならば、新日本国憲法の理念に反するもの‼︎
それらを差し置いてジェネバスターを起動は、早計というものではないですか⁉︎」
富士山「何を悠長なことを⁉︎ 意思疎通の取れぬ怪物に和平交渉など通じるものか‼︎」
富士山が焦りで感情的になる中、衆議院議員で若くして外務省大臣となった小早川が声を上げた。
※小早川秀憲=以下、小早川と略。
小早川「徳川副総理のおっしゃる通りです‼︎ 野党や反対派からの批判の声も高まり、政府の運営にも関わりますぞ‼︎
それとたった今、ようやく宇宙連邦政府軍と連絡がつながりました。ここから先は宇宙連邦政府軍に任せるべきです‼︎
秀憲は…、面倒事に巻き込まれたくはありません…‼︎」
優柔不断な小早川は、弱々しそうにしながらも語気を強めて答弁した。
朽木「そうです。これ以上の専行は我々の立場がなくなる‼︎」
赤座「近年頻発する魔光牙の襲来は、全て宇宙連邦政府軍が対処してきました‼︎」
小川「この程度なら、宇宙連邦政府軍の戦力で充分です‼︎」
「バンッ‼︎」
難航する承認の可決に業を煮やした一人の男が急に立ち上がった。
富士山は、ジェネバスター起動の承認を無事に得られるのか?
【次回予告】
ナレーション:
ブラドスだ…。そなたも血浄を望む者の一人か…?
ついに降臨の時が来た…。この時を待っていたぞ…、波動氣神ジェネバスター‼︎
なんと言う神々しい姿だ‼︎ これが光の子‼︎
私の望む世界も実現は近いか⁉︎
【第19戦記 波動合神‼︎ 最終決戦兵器、波動氣神ジェネバスター‼︎】
と言う話だそうだ…。せいぜい楽しみにしておけ…。
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