第17戦記 女の戦い
ミアと明日美は互いに刃を交えた。
のちにこの一戦は、運命の
【ネオ新宿区 都心近郊】
杏花「明日美、やるぅ‼︎」
麻里奈「素晴らしきご活躍‼︎」
萌「今回のMVPは明日美ちゃんだね。」
明日美「うふっ…♡ 胸が大きいだけがグラビアアイドルの取り柄じゃないわ、黒い凶星さん♡ グラビアアイドルだって、戦闘のプロなのよ‼︎」
ミア「そうか…、はぁっ‼︎」
明日美「はぁっ‼︎」
ミアは黒村正で、明日美はバスター5のプラズマダガーで互いに一歩も退かぬ剣戟を繰り広げた。
回収班「回収作業、急げー‼︎」
回収班は少年を回収し、最終自衛隊総司令部へ運んだ。
富士山「立花司令、至急帰還してくれ‼︎ 少年を回復させ次第、バスター1に搭乗させる‼︎」
直虎「分かりました‼︎ Gトルーパーズ、今から大至急で少年を回復させGSCの照合を確認次第、バスター1で戦線へ投入するわ‼︎ 他の隊員と協力して時間を稼いで‼︎」
明日美「だけど、その子はまだ…‼︎」
直虎「あの子には酷だけど、黒い凶星が現れた以上、ジェネバスターで戦うしか勝ち目がない‼︎」
G・T「
ミア「よそ見をしている場合じゃないぞ…、はぁっ‼︎」
明日美「そうね‼︎ 杏花ちゃん、麻里奈ちゃん、萌ちゃん‼︎ 黒い凶星は私が相手をするわ‼︎ みんなは、他の兵士をお願い‼︎」
杏花・麻里奈・萌「OK‼︎」
十字軍兵A「真っ二つにしてやる‼︎」
杏花「接近戦で私に敵うと思って⁉︎ チェンジ、ハイスピードバトルモード‼︎ プラズマカッターX《クロス》‼︎」
十字軍兵A「ぐあぁぁぁ‼︎」
杏花はバスター2をハイスピードバトルモードに変形させると、バスター2の脚部に取り付けられた「レッグスピナー」を高速回転させて一気に機動力をアップさせ、両手部分の甲からプラズマカッターを出し、パンツァーカイルをX字に切り裂いた。
最終隊員A「おお、あんな戦い方もできるとは‼︎」
麻里奈「チェンジ、エレトリックバーストモード‼︎ 皆の衆、拙者が鼓舞いたすぞ‼︎」
麻里奈がバスター3をエレトリックバーストモードに変形させると、バスター3のアンテナが4つになり、ECMとEWACを発動させ、敵のミサイルランチャーを無効化、仲間たちのアーマード・ギアの命中精度や回避性能を上げた。
最終隊員B「おお、すげえ‼︎流石は俺の女神まり〜なだ‼︎」
最終隊員C「お前もまり〜な推しかよ‼︎」
萌「チェンジ、遠距離砲撃戦モード‼︎ それそれそれー‼︎」
十字軍兵B「一方的に狙い撃ちされているぞ、ぐぁぁぁ‼︎」
萌は遠距離砲撃モードでバスター4を砲台の形に変形させ、プラズマレールキャノンでパンツァーカイルを遠方から狙い撃ちした。
最終隊員D「何という速く軌道が読めない弾だ‼︎」
ミア「はぁっ…、はぁっ…、やるなっ…‼︎」
明日美「はぁっ…、はぁっ…、あなたの方こそねっ…‼︎」
ミアと明日美のバスター5も熱い剣戟を繰り広げている。
Gトルーパーズと隊員たちは、少年の回復を助けるために大健闘していた。
富士山「頼む…。もう少し時間を稼いでくれ…。」
一方、直虎と医療班は緊急手術室へ少年を担架に乗せて運んでいた。
直虎「はぁ、はぁ、急いで‼︎」
医療班A「おい、重力除去装置と再生治療の準備だ、急げ‼︎」
担架が緊急手術室に運び込まれると、少年は手術台の上に乗せられた。
直虎「緊急手術を開始して‼︎」
医療班B「緊急手術を開始するぞ‼︎ 重力除去装置、作動‼︎」
医療班がスイッチを押して重力除去装置を作動させると、少年の頭部の装置が手術台を上下に動き、放射線を放ちながら少年の体内の重力波を取り除いた。
医療班C「重力波除去完了‼︎ 再生手術に取りかかります‼︎ 麻酔を用意しろ、レントゲン写真も撮るんだ‼︎」
直虎「みんな…、あともう少しよ…。」
医療班は総出で懸命に少年の治療に当たった。
十字軍兵C「ぐあぁぁぁ‼︎」
最終隊員A「よしっ、また一機撃墜‼︎」
最終隊員B「うわぁぁぁ、脱出だ‼︎」
十字軍兵D「こちらもまた一機撃墜だ‼︎」
杏花「うぉりゃあー、プラズマタックル‼︎」
麻里奈「電子拳法、電磁パルス昇龍拳‼︎」
萌「プラズマレールキャノン、10連射‼︎」
十字軍兵たち「うわぁぁぁ‼︎」
ミア「はぁぁぁぁぁっ…‼︎」
明日美「あっ…、プラズマダガーが…‼︎」
ミアはプラズマダガーを剣圧で押し切った。
ミア「終わりだっ、はぁぁぁっ‼︎」
明日美「くっ………‼︎」
ミア「何っ‼︎」
明日美はとっさにプラズマライフルの砲身を盾にしてミアの斬撃を防いだ。
明日美「勝負はこれからよ‼︎ 私、刀は苦手だけど、ナイフの扱いは得意なの‼︎ せっかく二人になれたのだから、白兵戦でフェアに勝負しましょう‼︎」
ミア「望むところだ…、華園明日美‼︎ お前とは一度、
明日美はバスター5を降りてナイフを取り出し、ミアとの白兵戦に臨んだ。
明日美「私の名前を知ってくれてるなんて…、光栄だわ‼︎」
ミア「私はエージェント、お前たちのことはある程度調べている。それに大人気グラビアアイドル、華園明日美を知らない方がおかしいだろう。
機会があればお前とは、違う場所で勝負がしたい。女としてな…」
明日美「私も…、あなたとはまた、どこかで戦いそうな気がするわ。女としてね…」
ミア「いくぞっ‼︎ はぁっ‼︎」
明日美「くっ…、なんて重い剣圧…‼︎ 長くて重い分、攻撃力は刀が上ね…‼︎」
ミア「何という素早く無駄のない振り筋だ…‼︎ 短くて軽い分、スピードはナイフが上か…‼︎」
明日美「はぁっ‼︎」
ミア「はぁっ‼︎」
ミアと明日美は白兵戦でも黒村正とナイフで互角の剣戟を繰り広げた。
–少年の夢の中–
何もない真っ白な世界に、少年は一人佇んでいた。
少年「ここは…、どこだ…? 僕は…、誰だ…?」
「めろ…‼︎」
少年「誰だ…⁉︎」
謎の声が少年の方に向かって聞こえた。
「目覚めろ…「プロトY《ワイ》」…‼︎」
少年「プロトY…⁉︎ それが…、僕の名前…」
「目覚めろ…‼︎」
少年「はっ………⁉︎」
次の瞬間、強い耳鳴りと共に辺り一面を少年の過去の記憶が埋め尽くした。
戦争で死んでゆく人々、戦火で燃える街、巨大な爆発、世界が消滅し地球が炎と黒い煙と灰に包まれる場面などが、次から次へ映画のフィルムのように切り換わった。
少年「うわ…、わあぁぁぁぁぁぁ………‼︎」
少年は巨大なブラックホールに吸い込まれていった。
少年「はっ………⁉︎ はぁ、はぁ、はぁ…。」
少年は、夢から覚めた。そこは、ホスピタルルームのベッドの上だった。
医療班A「立花司令、少年が目を覚ましました‼︎」
直虎「そう…、よかった…」
少年「あ…、あぁ…」
直虎はほっとして、少年を抱きしめた。
少年「ここは…、どこですか…?」
直虎「最終自衛隊総司令部のホスピタルルームよ」
少年「最終…、自衛隊……?」
直虎「そう。あなたはその特殊部隊、Gトルーパーズの一員よ」
少年「仲間………?」
直虎「ところで…、君、名前は?」
少年「僕は…、プロト…」
直虎「プロト…?」
少年「プロト…、ワ……、あ…、あぁぁぁ…‼︎」
突然、耳鳴りと頭痛が起こり始め、少年は頭を抱えた。
直虎「ああっ、無理に言わなくていいのよ…」
医療班A「立花司令、応急処置はしっかりと施し、薬もしっかりと効いています。格納庫へ運びましょう」
直虎「そうね、少年をお願い」
少年はパイロットスーツに着替え、隊員たちに肩を貸してもらいながら、直虎とともに格納庫へ向かった。そこにはバスター1があった。
水色を基調としたカラーリングを施された万能型アーマード・ギアで、いつでも乗れるにように綺麗に整備されていた。
直虎「これがあなたのアーマード・ギア、バスター1よ。眠っている間、あなたには睡眠学習装置で必要なことは全て教えてあるわ。
睡眠学習中、私からの問いかけにも、OKサインが出ていたから大丈夫だと思うけど、できそう?」
少年「バスター1…」
少年がそう呟くと、バスター1の光球が不思議な音を立てて水色に光った。
直虎「光球が光った…⁉︎」
少年「綺麗な色だ…。」
医療班B「立花司令、GSCの照合パターンは青です。5人目は間違いなくあの少年です」
直虎「あなたは…、一体…⁉︎」
少年はゆっくりとハンガーの階段を登り、廊下を渡ってハッチを開けるとバスター1に乗り込んだ。
そして、OSとシステムのチェックを済ませてメインモニターの電源を入れ、両サイドのレバーを前に押しバスター1を起動したあと、バイオフィードバックシステムのワイヤレスセンサーを身体に取り付けた。
バスター1のコントロールバーは、従来のアーマード・ギアのようなハンドルとパネル式になっている。サイドモニターに直虎の顔が映った。
直虎「バッチリOKね‼︎ 昇降機を上げるわよ‼︎」
安全装置が解除され、レールに沿って昇降機が上昇を始めた。その間、少年は手に汗を握らせながら神妙な顔つきをしていた。
直虎「準備はいい⁉︎」
少年「はいっ…‼︎」
直虎「いい返事ね‼︎ みんなと上手く連携して頑張ってね‼︎」
オペレーター「全システム、オールグリーン‼︎ 発進準備完了‼︎」
直虎「バスター1、発進‼︎」
射出口の扉が開きカウトダウンタイマーが0になると、バスター1はメインブースターに点火し、カタパルトデッキを勢いよく走り出して外へ飛び出した。
少年「いい景色だ…」
上空から見える街と青空に少年は胸を躍らせ、少し微笑んだ。しばらく飛行したあと、バスター1は地上に降り立った。
少年「あそこに行けばいいのかな…⁉︎」
少年はGトルーパーズと隊員たちが機甲十字軍と戦闘を繰り広げている地点へ向かった。
杏花「おりゃあぁぁぁっ‼︎」
麻里奈「成敗‼︎」
萌「それぇっ‼︎」
十字軍兵たち「ぐあぁぁぁ‼︎」
杏花「はぁ…、さすが、チンピラなんかとは一味違うわね…‼︎」
麻里奈「そういえば、明日美殿は大丈夫かの…⁉︎」
明日美「はぁっ…、はぁっ‼︎」
ミア「はぁっ…、はぁっ…‼︎」
ミアも明日美も白兵戦で接戦を繰り広げていた。二人とも少し疲れた表情をしている。
ミア「はぁ…、はぁ…、私とこんなに剣尖を交えられた相手はお前が初めてだ…‼︎」
明日美「はぁ…、はぁ…、私もこんなに強い相手と戦えたのは初めてよ…‼︎」
一部の機甲十字軍の兵士は、ミアと明日美の白兵戦を近くで見ていた。
十字軍兵E「
十字軍兵F「相当高度な戦闘訓練を受けてきたと見える。一般兵が受ける戦闘訓練とは別次元のな」
ミア「フッ…、もらった…‼︎」
明日美「はっ…⁉︎ きゃあっ…‼︎」
ミアは疲れを見せ始めた明日美の一瞬の隙を突いてナイフを弾き、明日美を地面に倒した。
明日美「くっ…⁉︎」
ミア「できることなら、お前の綺麗な身体を傷つけたくはない…。正々堂々、女の勝負がしたいからな…。
だが、これも任務だ…。許せ、明日美…‼︎ はぁぁぁぁぁっ‼︎」
ミア(明日美…‼︎)
ミアはジャンプし、黒村正を明日美に向かって振り下ろした。だが、明日美は当たる直前に回避してミアの腹部を蹴り、立ち上がってナイフを拾った。
ミア「うっ………‼︎」
明日美「はぁっ…、危なかった…‼︎」
ミア「まだ、そんな力が残っていたか…。」
明日美「そろそろ終わりにしましょう…、はぁぁぁぁぁっ‼︎」
ミア「はぁぁぁぁぁっ‼︎」
ミアと明日美は黒村正とナイフを同時に振り交えた。
ミアと明日美、才色兼備の二人の美女の戦いの行方は?
【次回予告】
ナレーション:Dr.エビル
私だ…。名前などもはや必要なかろう…。
突如ネオ新宿に魔光牙が出現し、いよいよ新日本政府の連中も最終自衛隊にジェネバスター起動を承認するために動き出すようだが…、少し手間取っておるようだ。
Gトルーパーズの者どもも魔光牙に苦戦しておるな。
何をしておる…、新日本政府‼︎ 早く私にも波動氣神ジェネバスターの姿を拝ませろ‼︎
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第18戦記 魔光牙、襲来‼︎】
と言う話だそうだな…。私も楽しみだ、フハハハハハ…‼︎
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