第1戦記 神生
果てしなく広がる、広大な宇宙…。
その広大な宇宙の海に、青い海と緑の木々で覆われたとても美しい、宇宙の遺産とでも呼ぶべき惑星が浮かんでいた…。
「ラニアケア
この美しい惑星こそが、この物語の舞台となる惑星である。
かつて地球は、「
地球上の全生命体の90%以上が死滅し、地球は死の星とまで呼ばれた。
わずかに生き延びた地球人たちは、いつかまた地球が青い海と緑の木々に覆われた美しい姿を取り戻す日を夢見て、名残惜しくも地球を去り、月や火星へ逃げ延びた。
中には、地球のはるか地底へと逃げ延び、地球が再生する日を待ち望む者たちもいた。
そして、太陽系の各惑星で独自の文明と科学を発展させた地球人たちは再び一つになって「
長い年月をかけて地球人たちの夢であった、「
新宇宙歴…。
「
ここより、物語は始まる…。
【第一ターミナル・コア 表層部】
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
ここは地球の南極の地下にある「
その地上に近い表層部にて、ある一人の科学者の老人が試験管を手に逃走していた。
その後ろからは、機甲十字軍の兵士たちが迫っていた。
※機甲十字軍兵=以下、十字軍兵と略。
十字軍兵A「追えー‼︎ 絶対に奴を逃すなー‼︎」
「ドカァァァァン‼︎」
「ズガガガガガガガガ‼︎」
「ビューン、ビューン‼︎」
激しい爆発音、「プラズママシンガン」や「プラズマガン」の銃声が鳴り響く中、科学者は必死で走り抜け、兵士たちは科学者を追う。
科学者「はぁ、はぁ…、これだけは…、これだけは絶対に渡す訳にはいかないっ‼︎」
科学者は曲がり角を急いで曲がると、とっさに目の前の物陰に隠れ、なんとかその場をやり過ごした。
十字軍兵A「くそっ‼︎ 奴はどこへ逃げた⁉︎」
兵士たちが辺りを見渡しているところに、プロテクターと仮面を身にまとった大柄な男が間に入って現れた。
「フッ…、ムダな足掻きを…」
彼の名は「Dr.エビル」。IQ15000を誇る超天才科学者にして、機甲十字軍の
Dr.エビル「まだそんなには遠くへ逃げていないはずだ…、探せ。ただし、見つけてもまだ殺すな…。奴には聞き出さねばならないことがたくさんある」
十字軍兵たち「
Dr.エビル「あれだけは絶対に取り戻さねばならん…。我らの
兵士たちが辺りを捜索している。まだ、科学者の方には気づいていない。
科学者「よし、今の内に格納庫へ…」
科学者は足音を立てぬ様に格納庫へ向かった。
格納庫にたどり着くとそこには、整備済みの機甲十字軍の主力量産機「パンツァーカイル」があった。
科学者は急いでパンツァーカイルに乗り込んだ。
科学者「「クアンタムエンジン」は良好…、エネルギーは充分にある…。これで逃げ切れるぞ‼︎」
科学者は機内の設備とシステムをくまなくチェックするとメインブースターに点火し、射出口の扉を開けて勢いよく外へ飛び出すと、ナビゲーションとレーダーを起動させ、目標地点を日本の「
科学者「あんな危険な計画にこれ以上手を貸す訳にはいかない。まずは日本へ亡命し、あのアーマード・ギアと少女たちを探すことが先決だな…」
「ははっ‼︎ 見つけたぞ‼︎」
科学者「何っ⁉︎ あのカラーリングは…、まさか…⁉︎」
科学者の背後から黒く塗装され、肩に薔薇のエンブレムが施された複数のパンツァーカイルが現れた。
彼らは機甲十字軍の特殊部隊「ハーケンローゼス」。暗殺やスパイ、破壊工作などはもちろん、白兵戦やアーマード・ギアの操縦技術も一流の選りすぐりのエリート兵士の集団だ。
※ハーケンローゼス隊員=以下、H・R隊員と略。
H・R隊員A「残念だったな…。貴様の企みなど、Dr.エビルはすでにお見通しだったのさ‼︎」
科学者「くっ…‼︎」
H・R隊員「俺たちはDr.エビルの命令で、以前から貴様の動向を探っていた。すると貴様は案の定、実験体を持って軍から逃走した。
だから俺たちはあえて、格納庫に整備済みのパンツァーカイルを残しておき、貴様が乗り込み脱出を計るタイミングを見計らっていたという訳だ」
科学者「罠に嵌められたというのか…⁉︎」
H・R隊員A「さあ、大人しく実験体を返して貰おうか‼︎」
ハーケンローゼスの隊員たちはパンツァーカイルのプラズマライフルを取り出し、銃口を科学者のパンツァーカイルへと向けた。
科学者「だが、ここで捕まる訳にはいかん‼︎ 何としても逃げ切るぞ‼︎」
科学者はプラズマライフルを取り出し、ハーケンローゼスの隊員たちのパンツァーカイルへプラズマライフルを乱射した。
H・R隊員A「フン…、あくまでも機甲十字軍に抗うつもりか…。ならば腕ずくでも返してもらうぞ‼︎ お前たち、コクピットには当てるな‼︎ ジェネレーターを狙え‼︎ 奴の機体の動きを止めるんだ」
H・R隊員たち「おおっ‼︎」
ハーケンローゼスの隊員たちもプラズマライフルをコクピットに当てないように、科学者のパンツァーカイルへ発射した。
科学者「くうぅ…、ここまでなのか…⁉︎」
科学者が諦めそうになった瞬間、科学者のパンツァーカイルが放ったプラズマライフルの内の一発が動力部に当たり、ハーケンローゼスの隊員のパンツァーカイルが一機撃墜された。
H・R隊員B「うわぁぁぁ…、脱出だ‼︎」
H・R隊員C「チッ…、よくもやってくれたな…」
機体が爆破する寸前にその隊員は脱出した。
科学者「やった…‼︎ はっ…⁉︎ うわぁぁぁ…⁉︎」
敵を一機撃墜して喜んだのも束の間、科学者のパンツァーカイルの飛行ブースターに、ハーケンローゼスの隊員のパンツァーカイルが放ったプラズマライフルが当たった。
科学者のパンツァーカイルは急激に飛行速度を低下させた。
H・R隊員A「はっはっは…、もう分かっただろう…‼︎ 機甲十字軍からは逃げられないのさ‼︎」
科学者「くそぉっ…、これだけは…、これだけは渡す訳にはいかんのに…」
H・R隊員A「そろそろ観念するんだな、博士‼︎ お前たち、一気に取り押さえるぞ‼︎」
H・R隊員たち「おおっ‼︎」
ハーケンローゼスの隊員たちのパンツァーカイルが四方八方から、一斉に科学者のパンツァーカイルに向けて飛びかかった。
科学者「すまん…、許してくれ…」
科学者が捕縛されるのを覚悟したその瞬間だった。
南極の上空に突如、巨大な時空の裂け目が現れ、南極の空は不気味に赤黒く染まった。
科学者「はっ…⁉︎ あれは⁉︎」
突如出現した時空の裂け目、これは一体何なのであろうか?
そして、科学者の運命は?
【次回予告】
ナレーション:ミア・沙羅・シュナイダー
ミア・沙羅・シュナイダーだ…。名前は覚えても覚えなくてもどっちでもいい…。
南極に突然現れた魔光牙とか言う奇妙な怪物。あれから奴は何とか逃げたみたいだが、機甲十字軍の兵士たちは果たして勝てるのかどうか…。
そして日本に辿り着いた奴は少し騒ぎを起こしてしまうらしい。後々、大きな騒ぎになることも知らずにな…。
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第2戦記 神化の胚芽】
と言う話らしいな。楽しみにしておけ。
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