(四)-5(了)
「でもまあ、それでも、私たちが使える活動資金が増えることは確かなわけだし」
「そりゃそうですけど……。でも納得できません」
そう言うと吉見さんは席につき、仕事に戻った。
「まあ、そうだよね……」
益田は、スチール椅子の背もたれをギシギシ言わせながら背中を押し付けて、大きくため息をついた。
すると、椅子の背もたれが音を立ててはずれ、益田は床に転げてしまった。
吉見さんが「大丈夫ですか」と覗き込んできた。
「なあ、吉見さん、新しい椅子を買うお金、あるかな?」
益田は、苦笑いとともに、自身の無事をそう報告した。
(了)
バーター 【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名 @HarunaTsukushi
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