(二)-13

「それが議員の仕事なんですか?」

「相談料、とお考え下さい。弁護士などもそういうサービスを提供していますよ」

「それっていくらなのですか」

「ええ、具体的にいくら、と言うわけではないのですが……」

 鋭く早口な口調が急に濁った。なにか賄賂でも要求されるのだろうか。

「お宅の法人の職員に一人加えて頂けませんか」

「それはもう願ったり叶ったりです。介護職員については常時募集中でして」

「いえ、そうではありません。待遇は理事とか相談役です。仕事内容は主に行政関連の事務と、外渉ですね」

「どういうことでしょう」

「実は今度、厚生省を退官する人間が一人おりまして。その再就職先のポストを用意して頂きたいのです」


(続く)

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