第24話 危ない地下室
「確かこっちに行ったはず」
「ほんとにこっちであってます?
ジガン先輩の来た痕跡が何もないけど...」
「あ、あれ?」
ミナの言う通りについて行ったら迷子になっていた。
辺り一面同じような建物でいっぱいだ。
「あ、ほらあそこ!
あの建物に焼けた跡があるよ
早く行こ!」
「は、はいっ」
とにかく走るミナを追いかける。
でもその跡は焼けてから時間が経ってそうだった。
リザードマンたちをあまり見かけないが、建物の中の至る所に気配を感じる。
焼け跡のある建物の柱の前に来ると、横の陰になってるところに地下への階段があった。
「こんなところに階段!?
この階段にもいっぱい燃え跡がついてる
ジガンさんこの下に行ったみたい!」
「うーん、違うような気が...」
階段の奥は薄暗いがオレンジ色の電気がついている。
「先に行っちゃうよー」
ミナが下へ降りていくのと同時に、地下から音が聞こえた。
振動と共に。
「ミナさんちょっと待っ」
「えっ!」
ミナが揺れで階段を踏み外し、勢いよく転げ落ちた。
「いったぁぁい!」
「大丈夫ですか!?」
僕は急いで階段を降りて倒れてるミナの傍に駆け寄る。
階段の下にはすごく広い空間が広がっていた。
そして奥に大きな2体の魔物がいる。
「あれ、ジガンさんはいなかったみたい?」
あの見た目は...
子供のリザードマンが言ってたキメラとケルベロス!
まさかこんなところにいるとは思わなかった。
「ねー、何あのでかい魔物
こっち見てるよ!」
キメラはタカとドラゴンと馬の3つ頭があって羽が生えている。それと顔が怖い。
ケルベロスは頭が3つある犬で毛量が多くフサフサしてそう。それと顔が怖い。
2体の魔物がゆっくりと近づいてくる。
「ユーマくん頑張って!」
この流れ、あんなやばそうなのと戦わなければいけないのか!?
僕は闇の短剣を手に取って構えた。
キメラは様子を窺っているようで左右にも動きながら前へ近づいて来ている。
ケルベロスはその場から動かなくなりじっとしている。
さすがにこの四足歩行の魔物たちが喋るなんてことはないだろうな。
いや、試してみるか。
「あのー、ここには何があるんですか?」
「・・・」
き、気まずい!...
後ろから感じるミナの視線が痛い。
「教えてやんねーよ
教えん
ヒヒーン!!」
「うわあ!いきなり喋った...!!」
しかも3つの顔が別々に喋った。
1つ違う言語が混じってた気もするけど。
「喋った、じゃねーよ
喚くな
ヒヒンッ!!」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます