第23話 襲撃リザードマンの村
なんとかバランスを保ったけど、ミナが落ちそうで怖い...。
「やっほー!はやーい!」
ミナは背中の上で軽くしか捕まらずにはしゃいでいた。
「落ちちゃいますって」
「大丈夫だよ
ユーマくんなら」
そうこうしているとジガン先輩が着陸していた。
「この村のやつを倒すぞ」
目の前には頑丈そうな塀で囲まれた村がある。
昨日行った魔物の村と同じくらいの大きさだけど、3人でとなるとだいぶ広い。
それに嫌な気配を感じる。
「3人で魔物の村に行って大丈夫なんですか?」
「俺がいるんだから心配ない」
「全力サポートがんばります!」
5mほどの塀を飛び越えて村に入った。
そこには2足歩行する小型ドラゴンのような見た目のリザードマンがたくさんいた。
リザードマンも髪があって服を着ているのが普通なのか。
入った瞬間リザードマンたちは一斉にこちらに視線を向ける。
そういえばさっきの赤いゴブリンは髪も服もなかったような。
「敵襲だー!」
1匹のリザードマンの声と同時に襲いかかってくる。
「うわー!いっぱい来たよ!?」
ジガン先輩は周りを囲うように近づいてきていたリザードマンたちを猛スピードで燃やし尽くす。
「このまま村の中心にいくぞ
その方が魔物たちもたくさん集まってくるだろう
それに主もいるかもな」
「はい...」
ジガン先輩について行ってる途中でリザードマンの親子を見つけた。
その怯える姿は昨日見たゴブリンの親子そっくりだった。
「ユーマくん、一旦突き進もう」
ミナに呼ばれたが、リザードマンの親子の訴えかけてくるような目が気になってしまってその親子のところへ移動した。
子供のリザードマンに小声で言う。
「今のうちに逃げて」
ここにいる魔物もやっぱり悪い魔物ではないと確信した。
でもジガン先輩にそのことを伝えたら引き返すのだろうか。
いや、なぜだか伝えない方がいいような気がする。
「うちの子から離れろー!!」
魔物という認識が薄れて油断してした。
剛腕から放たれる平手打ちを腹にくらってしまった。
「うっああ!!」
こんな痛みを感じたのは久しぶり、でもないか。
風魔法が少しだけダメージを軽減してくれた。
そしてよろける僕に追い打ちをかけようと突っ込んでくるリザードマンを風魔法で吹っ飛ばした。
「ごめん」
咄嗟の行動に申し訳なくなってそれしか言えなかった。
痛みを我慢してここから離れようとしたとき、子供のリザードマンが口を開ける。
「宝はキメラさんとケルベロスさんによって守られてる
倒さなければ宝は奪えないよ
死んでも自業自得だから!」
そう言い残して去っていった。
宝なんてあるのか!?
たしかに冒険と言えば宝か!
いろいろあってそんなことすっかり忘れてた。
「ユーマくん!ちょっと、急に曲がってどうしたの?」
ミナが後ろから声をかけてきた。
「いやー、あそこに生えてる木
なんか変だなーと思ってー」
「んー、たしかにあんな木見たことないかも」
「とりあえずジガン先輩のところに行きましょう」
木の葉の部分に親のリザードマンが貫通していった跡が残っていた。
はぁ、こんな無駄な戦いに絶対参加しなければいけないのだろうか。
でも、宝箱は気になるな。
何が入ってるんだろう。
「ここらへんでいいか
2人とも準備はできてるか?
って...いないじゃねぇか!」
あぁー、お腹痛てぇ...
つづく
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