第5話 真偽不明の自称魔法使い
「君間一髪だったね そっちの子はー...」
女性の目線の先には倒れた柚美の姿が。
「大丈夫か柚美!」
僕は体を揺すりながら呼びかける。
「うぅ...」
柚美は目を覚ますとすぐに苦しそうにした。
女性を見ると疑問が溢れてきて、聞かずにはいられなくなった。
「ここはどこ?あなたは誰?どうしてここに?」
混乱していた僕は、早口でいくつも質問してしまった。
「ここは私の家︎︎、そして私は魔法使いのリーラよ
つまり魔法で君たちをここに連れてきたってこと」
信じられないことを言っているはずなのに信じてしまう自分がいるのは、彼女がローブを着ているからだろうか。
「君には秘めた力があるようね
もしかすると君ならあいつを倒せるかもしれない」
「...?」
「あいつってのは君たちを襲ったやつのこと
私はこの世界をそいつから守るためにここへ来たの
でも、あいつには私じゃ勝てなかった」
頭がついていかない状況によく分からないことを言われ、返す言葉が思いつかなかった。
「君はこの状況において何を望む?」
急な質問をされたが、今とっさに思いついたのはあの男のことだ。
「あの男がいなくなってほしい!もう誰も傷つかないように...」
そう言った後、涼太を忘れてることに気がついた。
「勇磨みんなを守るのよ
あいつを見つけて
これは勇磨にしか出来ないことなの
涼太のためにも...お願い...」
柚美が僕にあの男を懲らしめるよう言った。
それだけでそのお願いを断れない理由になった。
「分かった、約束するよ
僕がみんなを守る」
「ではその望みを叶える権利をあげる」
女性がそう言うとまた目の前が黒く光る。
目が覚めると僕はベッドで転がっていた。
「ここはどこだろう...」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます