第173話 作業しづらくなければいい

 結果、両方入ってました! やったね!


 化粧品に関しては、スーパーのコーナーで扱っているような品は入っていたんだ。


 お買い物アプリって、ネットスーパーなのか?


 それはともかく、今回入ったのはもっと高級なライン。乾燥肌やオイリーなど、肌の調子に合わせて選べるタイプ。


 しかも、検査キットも入荷していて、これで肌を一撫でしてからチャージすると、自分専用の組み合わせを勧めてくれるそうだ。


 そしてスキルにエステが入ってる。魔法には美容が入ってた。どういう事?


 あ、説明文がある。


『エステは全身美容です。自分にインストールし、客にそのテクニックを披露するもよし、人形にインストールして己の美を追究するもよし。美容魔法は、主にヘア、メイク、ネイルなどを自由自在に変える事が出来ます』


 なるほど。美容院とエステの差か。


 なら、美容関連専門の人形を作るべきだな!




 まずはドワーフモチーフの子とエルフモチーフの子を作ってしまわないと。


 ……美容専門の人形、エルフモチーフに向いてるんじゃないか? ドワーフモチーフは、そのまま鍛冶仕事をしてもらうとして、エルフモチーフは美容関連。エステとヘアメイク、ネイルだな。


 これ、化粧品と合わせて奥様ツアーに提供したら……ここから帰らないって言い出す奥様、いるかも?


 まずは人形を作ってしまおう。神様ズのおかげでいくら作ってもお互いに負担はなくなるみたいだし。


 まずはドワーフモチーフ。今回は、肌の色を浅黒くしてみた。褐色の肌というのか。


 髪の色は明るいブラウン。黒でもいいかなと思ったけれど、黒髪の子達はもういるから。


 目の色は、若葉色。これはドワーフモチーフの基本にしておこう。個性は顔立ちや髪型で出るようにする。


 エルフモチーフは、アジアンテイストなので黒髪黒目。ここはもうこのままでいこう。


 そして、耳。ほんの少し尖った形のものにした。長くするのもありかなとは思うけれど、今回は控えめにしておいた。


 一重で切れ長。アジアンビューティーを目指して顔立ちを作っていく。


 人形に関するスキルは大分上がっているので、今では一度に二十体作れる。最初は一体作るのにもひーこら言っていたのにな。


 出来上がった人形達は、ドワーフモチーフが十体、エルフモチーフ……というか、アジアモチーフが十体。


 うん、これをエルフモチーフっていうと、何かが違う気がする。


 ドワーフモチーフは、小柄でちょっと筋肉質。アジアモチーフは細身で長身。ちょっとアオザイとかが似合いそう。


 さて、名前だが。


「ドワーフモチーフは、これまで通りイタリア語の名前にしようかと思ったけれど……」


 ちょっとだけスマホで調べてみたら、今の鍛冶得意ってイメージのドワーフは北欧神話のドヴェルグが元っぽい。


 なので、ドワーフモチーフの子達は北欧風の名前にしようと思う。


「ラケル、ベーダ、アンニェリカ、テレーサ、マルギット、インニェボリ、グンヒルド、アイノ、イェリン、ソフィ」


 これでドワーフモチーフの名付けは終了。スマホがあってよかった。


 次はアジアモチーフ。こちらは日本名を付ける。


「アカネ、イケマ、ウツギ、エビネ、オオデマリ、カタクリ、キキョウ、クモラン、ケシ、コデマリ」


 若干怪しい花の名があるけれど、気にしない。これでアジアテイストの子達の名付けも終了。


 後はスキルと魔法のインストールだな。


 ドワーフモチーフは当然鍛冶、そしてガラス。これは外せない。後は……火を使う関連で焼き物も入れておくか。


 魔法は火と土。鍛冶には土も使うから。ここはどどんと五までの火と土の魔法をインストールしておく。


 アジアテイストの子達は、全員新しいスキルエステと美容魔法。追加で水と風かな。


 エステも美容も、この子達に任せておこう。つまり、私はインストールしない。


 この子達の実験台……じゃなくて、練習台くらいなら、やれるかな。




 ネーラの調理スキルはかなり熟練度が上がっている。釣られるように、調理担当の子達の熟練度もガンガン上がっているようだ。


 調理に関しては、私がインストールしていないので熟練度がこちらに来ない。つまり、人形達だけで上げていく事が出来るスキルという事になる。


 その分ロスがなくて上がるのだろう。


 鍛冶は、ドワーフモチーフの子達を作ってからじわじわと上がっている。鍛冶は私のスマホにもインストール済みだから。


 十人で鍛冶仕事をするには、あの鍛冶場は狭くないだろうか。心配したけれど、無用だった。


 敷地が広がり、ログハウスが大きくなったのに合わせて、鍛冶部屋も広くなっていた。そういえば、畑部屋の広がってたな。


 何はともあれ、作業しづらくなければいい。

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