第28話 おっき
布越しに、おっきした息子を撫でまわす飯島先輩。俺は、何とかまだ布越しの刺激なので耐えられていた。
先輩から寝ている間に息子をさわさわされるという、なんとも大変なシチュエーションではあるが、考えすぎないようさっきにシャワーの風景を思い出す様にしていた。
息子が固くなるだけで済むから。
しばらくおっきした息子を撫でまわした飯島先輩は満足言ったのか、手を離してベッドから降りた。
やっと終わった、と息子と共に安堵していると、なぜか前から漂うお風呂上がりの良い匂い。
そしてじーっ、と音を立てながら開門した俺のズボンのチャック。息子が言葉通り布一枚の状態になる。
さすがに一瞬起きようかとも思ったが、本格的に今起きたらまずい気がする。今更ながらに耳の時点で起きていればと後悔した。
「わ、わぁ……」
なんて、声を漏らしている飯島先輩。距離が近いのか、あつい吐息のようなものが息子にさっきから当たっていてつらい。
下着を突き破らんとする勢いの息子の先端に、とんとん、と突っつかれる感触。
「わぁ…………」
未だ吐息が掛かるような距離感で呟く飯島先輩。早く終わってくれ、と願う反面、飯島先輩の行動はエスカレートしていった。
「これ……きっとくるしいよ……ね?」
そう言って俺のベルトをカチャカチャと外し始めた飯島先輩。本当にまずい。そうは思うが、きっと今起きればもっとまずくなる。
ここまでくるとまるで人体実験をされているみたいな気持ちになってくる。
だが、そんな事を考えてはいても収まらないどころか限界突破しようとする我が息子。
そしてついにベルトがズボンから外され、ズボンが俺の元を去っていくのを肌で感じる。
見えはしないが、きっと俺の股間はテント。もしくはエベレストになっているだろう。
ここで終わってくれ。
やはりその願いも虚しく、飯島先輩はテント状態の息子を下着の上からしばらく遊んでいた。
俺の息子はシチュエーション的にも、息子の耐久力的にも噴火しそうだったのだが、何とかぎりぎりのところで耐えきった。
飯島先輩もいじるのをやめ、吐息もいつしか感じられなくなった。
飯島先輩の良い匂いはまだ残っているが、きっと飽きてくれたのだろう。
心の中で俺と、ここまで耐えた息子に勝算を送りながら安堵していると。
ゴクリ。
と、なった喉の音。その喉の音は、何かを決心したかのような、そんな意味が籠っているような気がした。
なにが起きるんだ。何が起こってしまうのだ。
——と、その刹那。
「えいっ!」
という飯島先輩の掛け声と共に、一気に開放感を増す息子。蒸れの無い世界へこんにちわしている。心地がいい——じゃなくって!!!!
え、え、え、これは、これは、最後の壁破られちゃったやつ? 絶対そうだよな!?!?
「わぁ……なんか……おっきいし……すごい……」
あっ。
絶対破られちゃってるじゃん。
……さてどうしよう。
脳みそを毎秒何十回転もさせて思考を加速させるが、全く思い浮かばないこの後の回避行動。
しかし、俺の都合とは裏腹にさらに行動を過激化させる飯島先輩。
「きゃっ! ……びっくりしたぁ……」
そりゃあ、素手で息子を触られたら……はい。
だが、最悪この状況でもシてしまうことが無ければ大丈夫だ。最悪、多分。
それにこの様子だったら馴れている、というわけでもなさそうだし、そろそろ終わってくれるはず——と、思っていた時期が僕にもありました。
段々と触る時間も、面積も増えていき、ついにはこんな事を口にし始めた。
「たしか……えっちぃ動画だったら……これを口に入れてて…………こんなおっきいのはいるかなぁ……」
やばいやばいやばいやばい。ここまでくるとさすがにやばい。いや、正直いろいろともう既にやばいのだが、それをしてしまうとさすがにまずい。
だがしかし、そんな考えとは裏腹に、確かに近づいてくる熱い吐息。それは飯島先輩の口が近づいてきている証拠でもあり、俺の終わりへのタイムリミットでもある。
ゆっくりと、でも確かに近づいてくる熱い吐息。先端へ少し当たっていたのが、いつの間にか真ん中の部分になり、そして、熱い吐息が息子を包みこ——もうとした瞬間。
俺はなんとか寝返りをうち、何とかパックンチョされないように抵抗した。
「……私、なにやってんだろ……ちょっと、テンション上がりすぎちゃった……ねよ」
と、途端に冷静な声色でそう言った飯島先輩。
やっと終わってくれるのか。長い長い旅だった、なんて思っていると、途端に背中に感じる肌のぬくもり。もしかしなくても抱きつかれている。
研ぎ澄まされた俺の感覚がそう言っている。そして研ぎ澄まされた感覚は、背中に確かに当たる小さな二つの突起をも見逃さず……。
もしかしてノーブ——
「おやすみ日田。すきだよ」
と、俺の首元に顔をうずくめながら、不鮮明な声で、でも確かに言った。好きって、恋愛感情のすき、だよな?
「…………え?」
「……すぅ。すぅ」
あまりの驚きから漏れ出た俺の言葉は、飯島先輩にはすでに届いてはいないようだった。
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