第48話 ドロップボックス復活
「おっ? 出たっ!」
五層に籠ってから数日が経ち、そろそろ狩りに慣れ始めてきたころようやくドロップボックスが出現した。
俺は現在のステータスを見てみる。
名 前:ティム
年 齢:16
職 業:商人レベル34
筋 力:329+34
敏捷度:311
体 力:368+68
魔 力:336
精神力:300
器用さ:307
運 :468+34
ステータスポイント:93
スキルポイント:215
取得ユニークスキル:『ステータス操作』
指定スキル効果倍:『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』『取得経験値増加レベル5』『アイテムドロップ率増加レベル5』『バーストレベル8』
取得スキル:『剣術レベル7』『バッシュレベル6』『ヒーリングレベル6』『ライト』『罠感知レベル5』『罠解除レベル5』『後方回避レベル5』『アイテム鑑定レベル6』『短剣術レベル5』『ファイアアローレベル6』『アイスアローレベル6』『ウインドアローレベル6』『ロックシュートレベル6』『瞑想レベル6』『ウォールレベル6』『魔力集中レベル6』『祝福レベル6』『キュアレベル6』『ハイヒーリングレベル6』『セイフティーウォールレベル6』『スピードアップレベル6』『スタミナアップレベル6』『アイテムボックスレベル4』『指定スキル効果倍レベル5』
「商人レベルが34で運が502。やはり運の部分が問題だったみたいだな?」
二層では『ドロップボックス』を出すのに運が300必要だった。
三層では『ドロップボックス』を出すのに運が400必要だった。
四層でも『ドロップボックス』を出すのに運が400必要だった。
五層では『ドロップボックス』を出すのに運が500必要だった。
「順調に必要な数値が上がっているという見方もできるんだけど……」
俺はドロップボックスを開けてみる。
「おかしいな、記憶が確かならこのドロップボックスは戦士コボルトから出ているはず……」
戦士ゴブリンと戦士コボルトからは今のところ『インゴット』か『パワースクロール』しか出なかったはずだ。
特に三層ではほとんどがインゴットで、四層からはパワースクロールも混ざり始めていたと記憶している。
ところが五層で出たのが……。
「マナポーションとはな……」
マナポーションは魔道士や僧侶が魔法を使う上では必須のアイテムで、一つにつき銀貨10枚で取引されている。
俺自身も魔法を使う上、ソロで冒険をしている為、アイテムボックスには常に20個程在庫を持つようにしていた。
五層での狩りは場合によってはワンフロアでマナポーションを2つか3つ使う場合もあるので、消耗が激しかったこともあり、このドロップは非常に助かる。
俺はアイテムボックスにマナポーションを収納しながら考える。
「多分だけど、ドロップボックスに入っているアイテムにはレア度があって、深く潜ればよりレア度が高いドロップアイテムを手に入れることが出来るんじゃないだろうか?」
そして、それを落とすかどうか判定しているのが運ということだ。
「確かに浅い層と深い層で同じアイテムがドロップされるようなら誰だって深い層まで行かないよな?」
俺みたいに浅い層で狩りの回転率を上げた方が儲かるからだ。
「噂に聞くマジックアイテムを見たことがないのもそれで説明がつくか?」
以前購入した『マジックダガー』であったり、俺が今使っているショートソードもダンジョンドロップ品なのだ。
『アイテムドロップ率増加レベル5』のスキルのお蔭で俺がドロップボックスに遭遇する確率は他の冒険者に比べて多い。
それなのに、これまでインゴットやスクロールまでしか出なかったのは浅い層で出るアイテムが決まってしまっているからではなかろうか?
「俺の『アイテムドロップ率増加レベル5』が活かせるのは深い層からなのかもしれないな……」
その時は必要な運も変わってくるのだろうが、どう考えてもここに留まるには惜しいスキルだ。
「とりあえず、明日からはマナポーションを買う必要がない……いや、むしろこっちが売る側になるか?」
ドロップアイテムを心待ちにしていたサロメさんにマナポーションを売りに行ったらどのような顔をするだろうか?
俺はそんな想像をしながら狩りを続けた。
「ふぅ……大体わかってきたかな?」
一日の狩りを終えた俺は、通路で休憩をしながらアイテムボックスの中身を確認した。
五層からはモンスターの種類も増えていたので、どのモンスターが何を落とすのか意識して覚えておいたのだ。
結果は以下の通りだった。
『戦士コボルト』……基本『マナポーション』レア『ミスリルの欠片』
『戦士ゴブリン』……基本『マナポーション』レア『ミスリルの欠片』
『コボルトアーチャー』……基本『銀の矢筒』レア『ミスリルの矢3本』
『ゴブリンメイジ』……基本『マナポーション×2』レア『未確認』
『コボルトウォーリア』……基本『ハイポーション』レア『未確認』
『ゴブリンタンク』……基本『ハイポーション』レア『未確認』
『ホブゴブリン』……基本『ハイポーション×2』レア『未確認』
すべて使えるアイテムばかりだ。
特にレアで出るミスリルの欠片だが、50個でインゴットと同等の重さになるらしいので、サロメさんに渡せば結構な金になりそうだ。
「にしても、スキルの効果をちょっと舐めていたな」
ここのところアイテムボックスが出なかったので忘れていたが『アイテムドロップ率増加レベル5』は『指定スキル効果倍』を使っている。
本日俺が倒したモンスターは150匹なのだが、20個のアイテムボックスが出てしまった。
マナポーションもハイポーションも結構な値段で取引されているのでいきなり市場に流すと価格破壊をしてしまう。
少しずつサロメさんに卸しつつ自分で消費するしかないだろう。
「がぶ飲みできるなら狩りも随分と楽になりそうだな……」
今後の狩りでは赤字になることはなさそうだ。俺は大技を連発する戦闘の組み立てを検討するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます