第26話 『ハイヒーリング』『セイフティーウォール』『スピードアップ』『スタミナアップ』スキル取得

「おっ、レベル25になったか」


 転職してから二日が経ち、俺は僧侶のレベルを25まで上げることに成功した。


「やっぱり四層は良いな。これまでよりも早くレベルを上げることができた」


 魔道士のレベルを25まで上げるために三層で三日かかったのが先週のこと。それだって途中まで上げていた続きからなのだから、今回のように僧侶をレベル1から25まで上げるのに二日というのは異常な速度に違いない。


「とりあえず、レベル25が新スキル解放の条件であってるみたいだな」


 僧侶の未取得スキルを見ると『ハイヒーリング』『セイフティーウォール』『スピードアップ』『スタミナアップ』が追加されている。


 俺はそれらすべてを取得すると、スキルレベルを6まで上げておいた。


「あとは振らずにおいたステータスポイントについてだが、転職前に確認しておくことがあるな」


 俺は『魔力』の項目をみる。現在は『223』となっていて俺のステータスの中で最も高い数字を誇っている。

 試しに上げてみると『224』まで上がったのだが……。


「予想はしていたが、ステータスポイントが3減ったな」


 ステータスポイントが293から290まで減っている。


 恐らくだが、各項目で100までは1ポイント必要で、101~200までは2ポイント、201~300までは3ポイント必要という法則なのだと思う。


「そうすると、一番効率の良い振り方はレベルが上がった時にその職業で数字が増えない項目に先に振っておくことだな」


 レベルが上がった際に、各項目の数字も上昇するのだが、その職業で必要とされる項目が3上がり、次に必要な項目が2上がるようになっている。


 俺が今まで転職した職業だと、


 魔道士の場合、魔力が3、精神力と器用さが2。運がたまに1上がる。

 僧侶の場合、精神力が3、魔力と器用さが2、運がたまに1上がる。

 戦士の場合、筋力が3、敏捷度と体力が2、運がたまに1上がる。


 この上昇の仕方だ。


「そうするとステータスを振る前に他の職業のレベルが上がったらどうなるか確認しておくべきだな」


 一気にレベルが上がると困るので、俺は一層へと移動して『斥候』『商人』『遊び人』の順番に転職を行った。


 ゴブリンを倒して各職業のレベルを2にしてみたところ以下のように上昇した。


 斥候の場合、敏捷度が3、体力と器用さが2、運がたまに1上がる。

 商人の場合、体力が3、筋力と運が2上がる。

 遊び人の場合、運が10上がる。


 現在のステータスは『筋力』121、『敏捷度』105、『体力』107、『魔力』224、『精神力』202、『器用さ』171、『運』128。


 振り分けられるステータスポイントは増えて320となった。


「遊び人……運しか上がらないとは……」


 一体なぜこの職業があるのか疑問が浮かぶ。


「そう言えばドロップボックスって、もしかするとパーティーの運の合計数字で出現する可能性があるんだよな?」


 先日、サロメさんから聞いたソロだとドロップボックスが出ない件について、単純に運が足りない可能性があった。


 ユーゴさんたちのステータスを見た限り、運の数字が俺とそれほど変わらなかったことから、もしかするとパーティーを組んだ場合の運の合計値でドロップするか決まっているんじゃないかと考えた。


 この仮説が間違っていた場合はパーティーを組まない限りドロップボックスは出現しないということになるので、また別で対策を考える必要があるだろう。


「それについては焦る必要はないか、近いうちに答えは出そうだからな……」


 なにせ次に転職すべき職業の最適な答えは既にでているのだから。


「運を200まで上げてから遊び人に転職。そこでステータスポイントを得て各項目を200まで上げつつその項目が上がる職業に転職」


 これがもっとも効率の良い方法だろう。


 遊び人→商人の場合は、運に72振り、体力93、筋力79と振り終え200にしてから転職すればよい。そこまでに必要なステータスポイントは488。現在320ポイントあるので遊び人のレベルが19になれば補うことができる。


 遊び人→斥候の場合は、運は同じく72振るが、敏捷度95、体力93、器用さ29。こちらは434ポイントでよいので遊び人レベルが14で転職可能だ。


 どちらを選んだとしても俺の運が上がるので今考えていた仮説を検証することが出来る。

 レベルを上げている最中にドロップボックスが落ちれば運の合計数字のせい。落ちなければパーティーを組んでいないせいという結論になるだろう。


「よし、ひとまずこんなところか」


 スキルを取得してステータスを振り分ける。


 名 前:ティム

 年 齢:16

 職 業:遊び人レベル2

 筋 力:200

 敏捷度:105

 体 力:116

 魔 力:224

 精神力:202

 器用さ:171

 運  :200+10

 ステータスポイント:0

 スキルポイント:239

 取得ユニークスキル:『ステータス操作』

 取得スキル:『剣術レベル6』『バッシュレベル6』『ヒーリングレベル6』『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』『取得経験値増加レベル5』『ライト』『罠感知レベル5』『罠解除レベル5』『後方回避レベル5』『アイテム鑑定レベル5』『短剣術レベル5』『ファイアアローレベル6』『アイスアローレベル6』『ウインドアローレベル6』『ロックシュートレベル6』『瞑想レベル6』『ウォールレベル6』『バーストレベル6』『魔力集中レベル6』『祝福レベル6』『キュアレベル6』『ハイヒーリングレベル6』『セイフティーウォールレベル6』『スピードアップレベル6』『スタミナアップレベル6』


 こうして俺は遊び人に転職するのだった。

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