手術を行う
俺はサイハラ タクトという
医者だ 24歳
若手のやり手の医者と言われる
色んな患者を診てきた
今までに診てきた患者で異なっていた患者は手術の行い方が難しかったが
俺の手にかかればちょちょいのちょいだ
そういうものなのだと自負をしている
何せこの俺の手なのだからな
これから診る患者は果たしてどのような病を持っているのだろうか
それを考えるだけでも気持ちが高揚する
今日は果たして
患者を受け入れる
カルテを見てみる
さて
ほう
これは
心臓に何かができているようだ
よく見てみる
恐らくこれはアレルギー性による癌だ
病気というものは
言葉のとうりで、人によって多種多様だ
その数は実は無限にあるものなんだ
とは言え、そこまで怯える必要も無い
気にしなければ病気にはそもそもならないと言ってもいい
なってしまうのは
本人自身でも無意識で望んでいるからだ
俺はそれをよく知っている
この患者は恐らく長生きできそうだぜ
アレルギーを治療すればこの癌も自然と治る
悪性ではないんだ
つまり、この人は生きる希望に満ちている
はずだがな
先ずは手術だ
この癌を取り除くぞ
どこにも転移していない
良いな
患者よ、貴方の命を助ける
この世に生まれてきたその生命を
俺は助ける
貴方の肉体
俺たちは早速患者を台の上に乗せて手術室へ向かう
無事に助けてみせる
待ってな
手術室に入り
患者へ麻酔を打つ
次に患者の患部に焦点を当てる
そこにメスを入れる
そして切り開く
骨だ
そこも切り開く
切り方は、こうだ
よし。完璧だ
ここの内臓も
こうして
こうする
すると心臓に到達した
心臓の中だ
メスで開くのは慎重にだ
慎重に
慎重に
ようし
溢れ出る血を抑えながら
これだ
これが癌だ
ここを切り除くんだ
すると俺の服に着信が鳴った
俺はやり手の医者だからこういうのも手術室に普通に持ち込んでいるんだ
めんばーに手術を仕方なく任せる
そして通信に出る
何だこの時に
タクト「もしもし」
花華「あ!タクトち。おはようよう。今おら、起きたよん。お昼寝から。何となくかけてみたよん。」
タクト「何となく?今俺、手術中なんだが」
花華はそこで通信を切った
何だったんだ
急いで手術に戻る
ええと、心臓の患部だ
メンバーが執り行い続けていた
俺はすかさず入る
ようし
ようし
慎重に
慎重に
切って
取り除く
ようし
ようし
取れた
そして細胞と細胞をつなげる
さすが俺様
完璧
ゆっくりと内臓達も元に戻し
骨もつなげる
皮膚も繋げ
完璧だ
手術は完了だ
俺たちはメスを洗浄する
クク
終わりだ
後は患者の治りを待つ
台は急いで部屋に向かわれる
終わったんだ
俺たちはメスを元に戻す
ククク
そうして患者の麻酔が切れるまで
待っている
すると目を覚ました
「......あれっ?僕、終わったのですか?」
「そうですよ。無事、終わりました。手術は成功です。」
「あぁ!良かった。俺、生きている。」
「おめでとうございます。お疲れ様でした。」
「はーい。俺、生きていられるんですかね?」
「ええ。生きていられますよ。無事に癌の部分は取り除かれました。」
「あぁ。嬉しいなあ。」
「お疲れ様です。癌は良性。アレルギー性の症状が見られていました。それが故に、心臓に出来物ができてしまったのです。」
「なるほどー。そんな病気があるんですね。」
「ええ。滅多にない珍しい病気ですわ。」
「うわー。」
そうだ。滅多にないものだった。
からこそ俺様の腕がなったんだ
俺様はやれる
サイハラ タクト様の腕だ
病気とはそもそも無限大にあるから楽しい
俺様がそれを治していくのが
俺も入る
タクト「ーーさん。その患部をお見せします。」
「ええ!僕の体の中のもの」
タクト「うん?そうですよ。見たくはありませんか?気に入らないならばこちらでしておきますが。」
「いいえ!見ます。僕のだったもの。」
俺は患者に患部を見せる
「なるほど。僕のだったもの。これが。小さいですね。」
タクト「そうですね。良かったですよ。小さいままで。取れて。これからの人生は楽しいですよ。も何も症状がないでしょう?」
「はい!今のところ麻酔が効いていて何もわからないですが、きっとないです。」
タクト「ありませんよ。もう永遠に倒れませんよ。おめでとうございます。退院は今から一ヶ月後ですよ。」
「はい!」
タクト「患者さん。これからの一ヶ月間の様子を観察させていただきます。何かありましたら、コールで呼んで下さいね。」
「はい!」
良い返事だ
いい人だ
俺は再び戻る
さて、次の患者は
ん?
あぁそうか
俺はこの後仕事がないのか
愛しているぜ
俺の花華
花華に会いにいくか
俺は確かに有能な医者だが
俺の代わりになる者はいくらでもいる
ーーさんのことも誰かが見てくれる
筈だ
大手術をしたからーーさんが退院するまで俺は院内をでちゃ駄目かなあ
いやでも花華に会いたいしな
他に一緒だったメンバーがーーさんのことをお世話してくれないだろうか
するとまた着信が鳴った
今回も花華からだ
今は手術が終わっている
出る
タクト「はい。花華。お疲れ様。終わってるぞ。」
花華「良かった。さっきは焦ったんだ。ゆーが手術中と言うから。しかも心臓の」
タクト「あの時はびびったぞ。ああいう時にかけてこられるのは困る。」
花華「うん。ごめんぴ。またいい時にかけるね。」
花華は気まぐれだ
タクト「これから俺、休みをとって花華と遊びたいな。」
花華「いいのう。待っておるで。」
タクト「あぁ。行けたらいく。行けなかったらごめんな。」
花華「うむ。」
通信は終わった
俺はメンバーにーーさんのことを見てくれないか話す
すると見てくれることになったので
俺はこれから休む
休みだ
こういうのは医者としては特別過ぎる
あり得ないくらいに
俺はやり手すぎるから皆も安心しているのだろう
フッ。流石俺様。タクト様。
顔も超美形で。
花華のところへ行く
花華が待っていた
相変わらず綺麗だ
俺の花華
美人な顔をしている
タクト「花華、待たせたな。遊ぼう。」
花華「あいや。タクトきゅん、うむ」
きゅんきゅん俺の名前を呼んでくるんだ
花華「はなねえ、タクトくん待ってたさ。」
タクト「そうかそうか。待たせたな。」
花「待ったよはなん。だっこしてー。」
タクト「あぁ。よく頑張ったな。」
俺は花を抱いた
花「おおー、たかいたかーい。空が見えるねー」
タクト「部屋の中だろ。」
花「うみゅ。かっこいいタクトちん。」
タクト「ちんなあ。チンコみたいだろそれ。」
花「そうでしょ。実際おちんちんでしょ、ゆー。」
タクト「そうだが。全く。卑猥。」
花「あーう。へへ。」
この子のやること言うことは全て悪気のないものだ
遊びのものだ
いいんだがな
花「今ね、アレクサンダル・ステヴァノヴィッチさんとアラタちんがいるよー。」
その二人か
タクト「いいだろう。会わせろ。」
花「会いにおいでー。アレクさーん。アラターん。」
すると二人とも笑顔でこちらにきた
そういえばアレクはあの一件の時から故郷に帰った筈だが
アラタ「あぁ。アレクのこと?また遊びに来てくれたんだ。」
なるほど
タクト「そうか。久しぶりだな。アレク。」
アレク「こんにちは。久しぶりだな。あれ以来から何事も無いようで安心したぞ。」
タクト「あぁ。花華の隣で何かしていたの?」
アレク「花華と一緒に猫を眺めていたんだ。こちらに来たのは花華が俺を念じたからだ。」
タクト「あ、そうなのか。」
アレク「花華は可愛くてな。俺を望んでいたんだ。」
花はアレクにも抱きつく
その顔は笑顔だ
いい笑顔だ
アレクは花の頭を撫でる
タクト「良かったな。花。アレクとまた会えて。」
花「ユーとも遊びたかったよー。」
アラタ「みんなで遊ぼう。」
タクト「いいぜ。」
俺たちはみんなで遊ぶ
とは言っても、のんびりだ
アレクは花華に絵本を読んでいる
タクト「そういえばアレク。母国での仕事はどうしたんだ」
アレク「休みを取っているが、何かありそうだったらまた向かう。」
タクト「なるほど。俺みたいなものか。」
アレク「そうだ。そうか。お前もか。」
タクト「そうだぜ。心臓の大手術を終えてな」
アレク「それは大変だったな。お疲れ様。」
アラタ「うん。それでよく休んでこられたね」
タクト「俺の腕だからな。」
見てみろ。この俺様の医療の腕を。最高だろう。
花華「タクトちん、みんなちん、これから何をしようかのう」
タクト「そうよなあ。異世界へ行ってみてもいいよなあ。」
なんとなく言ってみる
俺たちは常に謎に包まれていて何が起こるかわからないからだ
そこら辺の壁に「肉」って書いたら肉が出てきそうな感じがする気もするし
そういう感じでなんでも有りな感じがするのが俺たちだからだ
さて
花「異世界かあー。うん。いいよー。アラタちんちんアレクちんもいいよねー?」
アラタ&アレク「いいだろう。」
二人の意見は纏まった
これから異世界へ行くのか?
なんて思ってみる
アレク「異世界、か。」
アラタ「うん。」
花華「、、、、なんでそこで俺を見るの」
アラタ「何かできそうだからだよ。」
花「っし。じゃあ、いっちょやってみるか。」
花は台所にあった魔法陣付きのペンを用意した
ハロウィンの時に買ったものだ
花「これで何かを描いてみようと思うよ。では、マジカルペンよ、さきっちょひかれ。」
するとマジカルペンと呼ばれるそれはペン先を丸く光らせた
やれたのか
それをそのままリビングの窓に描き出す
何かを描いている
魔法陣のようだ
丸の中に星マークを描く
花「これで何かでないかなあー」
唄いながら描く花
魔法陣が描き終わった
すると魔法陣が光る
すると魔法陣は大きくなっていき
俺たちが入れるほど大きくなる
アレク「ほう」
アラタ「こういう力があるんだね。花華って。」
花に秘められていた力だ
多分
俺たちは中に入る
すると空間は続いている
入ってみる
一本道の様な通路だ
花華は何故かルンルン気分だ
どこに繋がっているかも分からないのに
そもそもこの先は異世界か?
花、君はそういえば魔法陣が出た時に「異世界へ繋がっていてほしい」と言ったか?
言わなくてもいいか
心で伝わるか
通路は前に伸びているようだ
進んでいく
ふと、何気にアラタの方を見るとアラタは何かを考え込んでいる様子だった
私達は進む
やがて見えてきた
異世界だ
そこは宇宙空間だった
星々が瞬く
俺たちは今、宇宙空間に浮いているのだ
ただ、さらに横に何かある
右にも左にも
あれらは
席、か?
花「あ、何だかここ、いいにおい。」
におい?
何もないが
ふとアレクを見ると
アレクの顔は強張っていた
アレク「、、、、、、ово место……」
アレクが母語で何かを言っているようだが分からない
しかし何かを感じている様だ
なんだここやばいのか
アラタは真面目に風景を見ている
アラタ「問題ないよ。」
そうか?
花華は楽しそうだが
席には人々が座っている
そして奥の中央を見ている
俺たちも見てみる
そこには巨大な席があるようだ
例えば、人々が石ころだとするならその席は恐竜みたいな大きさなんだ
この世界は何なんだ?
アレク「、、、、おい。この世界、一旦戻らないか」
戻る?
花「戻れないよ。無理だよ。後ろみてご覧」
見てみると何もなかった
俺たちが通ってきた道も
何も
宇宙空間が広がっているだけだった
アレク「帰れないのか。そうか。なら、行くしかないな」
タクト「行くってどこへだよ」
アレク「あそこだ。」
アレクが差したのは中央のあの席だ
誰も座っていない
花「あの席からいい匂いがするよー」
アラタ「あぁ。そうかもね。」
その席は素材が何で出来ているのか
輝いている
そして蛇のような巻き付きもある
席の背もたれに目のようなものもあり
椅子自体が化け物のようだ
あそこに行くのか
アレク「俺の予想が正しければ、あの席に座る存在は」
するとその席に何かの気配が現れた
周りは期待の目をしている
するとそれは姿を現した
その姿を見て言葉を失った
アレク「やはりか、、、、」
なんとそれは国王センタロウだった
巨大な姿をした、国王センタロウ
花「えっ えっ セ センタロウさま」
すると中央の大きな男はこちらに目を向けた
セン「君達は。そうか、ここにきたのか。ようこそ。みんな。花華。」
花華「おら、会いたかったよー!何?ここ、センタロウ様のなに?センタロウ様、そんなに大きく成ってどうしたの?確かに長身だけど、そういうものじゃ無いでしょそれ」
セン「はい!花華さんの好みでありたかったのです。」
花華「なるほどー。」
おや、納得してしまっているよこの子
セン「ここは私の世界なのですよ。」
国王様の
セン「さよう。私の世界だ。周りの人々は私の配下だ。」
席の人々が笑顔でセンタロウを見る
アラタは目を輝かせている
アレクは顔に影を落としている
タクト「では、もう帰れないのですか」
セン「いいや。帰れるよ。普通に。俺が穴を作るから、その中に入ればいいよ。」
花華「いいえ。私はタクトくんがいいよ。」
タクト「?」
花華「タクトくん、ちょっと耳貸してのうー」
俺の耳が花華の口元に行く
花華(あのさ、先ずは帰るふりをするんだよ。それで、ここの世界に残るんだ)
(何故だ?帰ればいいのでは)
花華(ううん。のー。折角この未知の世界に来たんだ。探検しようよ。)
(何を呑気な)
花華(まあ、任せておき。)
花華「アレクさ、アラタち、あのさ、ちょいと耳を貸してねー」
花華は二人の耳を近づけて、さっき俺に話したあれを話す
すると二人は承諾した様だが、アレクは顔を歪ませながらだ
探検すると言っても、どこをだろうか
花華「探検するのは、センタロウ様の体の中だよー。」
タクト「簡単に言うよなあ。どうやってだよ」
花華「ぼくがセンタロウ様をまどわーす!センタロウ様ーっ」
セン「おや花華、どうしたのかな?」
花華「おれたち帰るので、穴を作ってほしいのだ。」
セン「おっけい。今作るよー」
センタロウ様が穴を俺たちの後ろに作った
これで帰れるんだ
しかし帰らない
花華「ありまとうなのセンタロウ様ー!今、帰る準備をしているので、しばらくこっちを見ないでねー」
セン「うむ。」
何をしているのか、花華
すると花華が近くにいたコック姿の人に話しかけた
「自分達をセンタロウ様の料理にしてほしい」と言っていた
コックは了解をした
「主様のためなら」と言っていた
どういうことなんだよ、花華
それを言おうとした前に
コック達が俺たちを捕らえる
この空間はセンタロウさんの力が掛かっていて何もできない
俺たちは調理をされる
鍋で煮込まれる
ぐつぐつと
花華はまるで湯船に浸かっている様な楽しさだ
アレクはのぼせている アラタは好奇心の目をしている
俺は暑くてのぼせている
そして煮込み終わると鍋を出された
そしていろんな野菜が入っているボウルへ移され
それらと一緒にこねられる
野菜と一緒だ
そして油がひかれたフライパン
その上に置かれた
ジューッという音がして
徐々に熱くなってきた
ひっくり返されたりもした
熱い
俺たちは花華に疑問を感じていた
何故だ
何故、このような目に
すると焼け終わったのか
俺たちは出された
皿の上だ
そうだ 俺たちは今はハンバーグだ
俺たちはハンバーグになったんだ
セン「花華たちは、帰っただろうか。準備を終えて、帰ったのだろうか」
コック「帰りましたねー。穴は閉じて良いかと。」
セン「そうか。ありがとう。」
穴は閉じられていく
花華(コックさんナイスなのだ。空気を読んで、僕たちが帰ったと言ってくれたよ)
タクト(あのよ花華、どうして)
アレク(何故、俺たちがセンタロウ殿の胃の中に入らなければならないだろうか)
セン「ほう。おやつか?」
コック「そのとうり。これを食べてね。」
セン「有り難く頂くぞ。」
そうして俺たちは国王の口の中へ入る
先ずは俺と花華が入っている部分が切られる
そして俺たちが徐々に国王の口元へ運ばれていく
口元へ
入る
先ずは俺と花華が先だった
咀嚼される
俺たちは何とか噛まれないように避けた
するとそろそろのように飲み込まれる
俺たちは国王様の胃の中へ真っしぐらだ
俺たちは落ちていく
喉の中が観測される
異様な襞の様なものや何かが無数にあって
そこで悍ましさを感じた
そして落ちていく
うーん 真っ暗だ
いや真っ暗じゃない
ここはやばい
俺たちは下に落ち着いた
その時、感じたのは香りだ
言葉にならない程恐ろしげな香り
何だここは
国王様の胃の中、なんだよな
これは人の中という感じではあからさまに無い
花華は楽しんでいる顔をしている
こういう時に
待てよ?
そうということは俺たち
消されるのでは?
周りを見てみる
不気味な音も聞こえる
暗いのだが
僅かな光もあるような感じだ
但し、青暗い
赤暗さもある
ここは本当に人の中なのか?
花華「センタロウさんの中って人の中じゃないみたいだねー」
この子は何を呑気にこのような事を言う
タクト「確かにな。人の中とは思えん。」
花華「まあ、センタロウ様の中だからねー。探検してみようか」
何を呑気な
タクト「いやここはやばいだろ?俺たち溶かされるんだぜ」
花華「あっ。うーん。まあ、そうでもないと思うよ。センタロウ様は私たちの仲間だし。」
タクト「そういう問題か?」
すると後ろから聞き慣れた声がした
アレク「ここは、国王の中なのか?」
アラタ「そうでしょ。どう考えても。」
二人も来たようだ
合流完了だ
アラタ「ここは国王様の胃の中だよ。出なきゃまずいと思う。」
花華「いいえ。そうでもないかもよ。」
アレク「君はそうだろうね。俺たちは出なければならないんだ。ここから。」
花華「探検もありだよー。」
アレク「そうと言うか。なるほど。では、探検をしてみるか?」
タクト「えっ?探検って、ここを?」
アレク「そうだ。俺が力をかけておく。そうすれば溶けない筈だ。」
花華「なるほどー。アレクさんありがとうなり。」
それなら溶けない、か。
ならば俺たちはそうしてみるか?
タクト「おれはそれならいいぜ。国王様の身体の中、人体ではないこの構造の在り方を、医者として見てみたい。」
アラタ「うん。俺も賛成。じゃあ、アレク。お願い。」
アレク「いいだろう。」
アレクは力を俺たちにかける
俺たちは丈夫になった
花華「きゅー!センタロウ様の中初めて入ったなー。」
タクト「俺もだ。楽しみだな。どうなっているのか。構造が。」
アレク「楽しみだよな。では、行くか。」
みんなで行く
ことにした
先ずは前方へ何となく
不気味な音が鳴った
とんでもない音だ
俺たちは怖くなった
何かを壊しているのかこの音
ハンバーグか
暗くてよく見えないが
どうやらそのようだ
ハンバーグが音を立てながら無くなっていく
花華「僕たちのもこうやってなっているんだよー」
呑気に花華は言うが
アレク「そうのようだぞ。勉強になるね。」
俺もその気持ちだ
俺が見る限り
この消化は恐ろしく早い
人外だ
これが国王様の胃の力か?
恐らく、消化酵素が人のものの他にある
音と混じって他にも音が聞こえるのだが
それは話し声のように聞こえる
「今回もよくやったね。」
「あぁ。ご主人様の為だもの。あのセクシーな身体やお顔を維持する為には」
「そのとうり。ご主人様最高にかっこいいのが僕たちの自慢だよね。」
「そうそう。その美し過ぎる容姿を保たなくちゃ。」
話し合いだ。やはり。
タクト「お前達にも聞こえるか?」
俺はこっそりと言った
どうやらみんなも聴こえているようだ
恐らく、あの話し声の主達は
国王様の消化酵素だ
俺たちには無いものだ
そうだ
やばいなここ
こういうものまであるのか
国王様の胃の中
普通の人と違うから興味が惹かれる
いろんなところも見てみたい
ここは胃
アレク「タクト、躍起になっているな」
タクト「あぁ。だってこんなの見たことないからな。」
花華「お医者さんの宿命だよねー」
アラタ「未知なことだからね。あの生物みたいなのは何だろうね」
あの話し声の主のことのようだ
タクト「あれは恐らく国王様の消化酵素だ。俺たちには無いものだ。興味深いぞ。」
アレク「やはりか。あれとは話ができるだろうか?」
タクト「可能かもしれない。行ってみるか。」
花華「いや行かない方がいいと思うよ。」
ここで花華が初めて否定意見を出した
タクト「なぜだ」
花華「あれ消化酵素なら話しかけに行かない方がいいよ。」
アレク「なるほど。溶かされるかもしれないか」
タクト「あーなるほど。それはキツイな。」
アラタ「まあ、僕たちには力がかかっているし。」
花華「ならいいと思うけど」
タクト「俺はそれに賭ける。話しかけてみるわ。」
俺は行く
みんなもついてきてくれた
その酵素に近づく
するとこちらを見た
「君達は何者だ?何故ここに」
やはり、怪しまれた
タクト「俺たちは国王様の仲間だ。誤って食べられてしまった。」
花華「あ、センタロウ様のことだよー」
「誤って食べられ....。お前達、何でそもそも消化されていないんだ?ここに入ったらその瞬時に溶ける筈だ。」
花華「えーっと、ごめんねー」
アラタ「僕たちはあの人の仲間だからだよ」
「そうなのか。それでか。では、ここに居ても何も無いぞ。いつか君達が溶けるだけだ。その死を待っているか?ここに入ったからには出られないからな。」
さり気なくそういうことを言う
タクト「あー。うん。出るかなあー。出られないか。なら、うん。ここにいるかな。元はと言えば、どうにもならなさそうだ。」
花華(出られるよ)
花華が何気なく言ったような気がした
「では、俺たちは仕事だ。さようならだ。」
彼らは仕事に戻って行く
彼らは溶かされないのだろうか
よく見ると胃液に一切触れていない
モノを入れて溶かしているんだ
なるほどな
勉強になるな
彼らでも国王様の胃液には触れられないのか
何となく、言ってみる
タクト「なあ。お前達をその胃液の中に落としてやろうか?」
すると彼らはゾッとしたように顔を青褪めた
そして俺たちに攻撃をする体制を取ってきた
アレク「逆撫でをさせてどうする」
タクト「まあ、ええやん。」
俺たちは踵を返すと彼らは元に戻った
こちらを警戒されながらだが
花華「ふむふむ。彼らでもセンタロウ様の胃液はダメーと。」
アラタ「そういうことだね。何か一つ分かって良かったじゃん。」
花華「うんー。」
花華は何かを考え込む
そして服に付けているバッヂのようなもので誰かと通信を始めた
俺達は今度は別の方向へ行ってみる
すると遠くに山の様なものが見えている
ふと、上を見る
歪な顔をしたこの世に無い生き物の様な顔が幾つもあり
その口から液のようなものが流れ出ていた
何だあれは
私達が知ってもいいのだろうか
あの液は何だろうか
アラタがその液を見て何かを言う
アラタ「これ、液体だけどそうでもない」
その顔は青褪めていた
アラタが顔を青ざめるだなんて
アラタ「アレクの力があって良かった、これ、消化機能付きの液体だけど生物も入っている。」
タクト「生物も?」
アラタ「あぁ。恐ろしい生き物だと思うよ。僕達では考えられないかもしれない。」
それは興味ある
タクト「それってこの世に無い生き物か?」
アラタ「そうに決まっているだろう。国王様の中だけ、だ。」
花華「それもなかなかにきょうみぶかいのうー」
同感だ
興味深い
俺も見てみたい
アラタ「微生物だよ。小さい。虫くらい。」
なるほど
アレク「そういうのが出た時は俺を呼んでくれ。力を更にかけて防御する。」
タクト「おうよ。その生物見てみたいんだが」
アラタ「見えるよ。直ぐそこを進んでいる。」
アラタは指を指す
そこを見ると小さな虫達がわんさか何処かへ向かって進んでいた
スピードは早い
花華「ほうほうー。ムッシーくんちが歩いておるのだ」
タクト「君、虫が苦手じゃなかったか?」
花華「苦手だよ。センタロウ様の中なら何故か平気」
タクト「流石は国王様の嫁だね。」
感心だ
虫達はどこかへ向かっていった
遠くにあるあの山、行ってみるか?
タクト「なあみんな。あの山、行ってみるか?」
花華「あーいいねえ」
アレク「いいだろう。賛成だ。」
この先に何があるのだろう
好奇心が勝る
山があるなんて
それに近づき歩いて行く
何があるだろうか
山が近づいてくる
周りの雰囲気は異様だ
見えるようになってきたが
それだと尚更不気味だ
熱風もあり
音も不気味で
何かありそうな雰囲気だ
今この場で俺たちが溶けていないのはアレクのおかげだ
胃液に浸かった訳では無いが、この場自体が溶けることそのものだったので
この様に有意義に探索できる訳はそもそも無い
アレクへ感謝だ
何故、胃の中に山がある
俺たちは歩を進める
その途中途中で
何かしらの現象や生物達があったが
それら全てが学びのようで面白かった
有意義な時間だ
俺たちは興味が惹かれた
山に着いてきた
よく見るとそれは山では無かった
何かが盛り上がって出来ている何かだった
そこからは色々な生物が行き交っていた
その盛り上がった部分をよく見てみると
それは人のように足と腕と顔を持った何かだった
一層興味が惹かれる
何だあれは
顔はただパーツがあるだけで輪郭自体はなくてただ何かになっていた
腕と足は何本もある
これは異形だ
国王様の中ってどうなっているんだ
花華「きゅうー。あの顔、目も虚だよねー。目玉垂れているし、空洞から蛇みたいなものも出ているよー」
アラタ「そういうこと言うなよ。恐ろしい。」
アラタが怯えている
そこまでもここはそういう場所だ
アレクさんは強張りながら観察をしている
俺は興味が惹かれる
いいところだ
不気味だが
その山へ近づく
タクト「なあ、入るのか?この盛り上がりに」
花華「んー。こうもおかしな生き物がわんさか出てこられるとなあー。」
アレク「何の現象が起こるかも分かったものじゃない。」
アラタ「引き返すなら今のうちだよ。」
タクト「俺は、興味あるから行くぜ。」
花華「ほ?ゆー正気か?」
タクト「あぁ。この見たことのない数々、興味あるんだ。」
みんなは俺に着いてきてくれることになった
アレク「いいか。何かがあったらそれは貴様の責任だ。タクト。」
タクト「任せておけって。」
花華は楽しそうだ
アラタは怯えている
普段は冷静なのに怯えている顔を見るとなかなかに新鮮だ
俺たちは盛り上がりの中に入る
するとその部分が急に硬くなった
何だ?
するとそこが急に穴が開き
ブシューーーー
超高熱を持った何かの液体が噴き出してきた
俺たちに掛かる
熱すぎる
何百度も持っていそうだ
悲鳴を上げる
すると途端に熱さが無くなった
アレクが何かの力をかけたみたいだった
アレク「おい。ここはまずい。離れるぞ。」
俺たちは流石に賛同をした
盛り上がりを離れる
逃げるように
あぁ、キツかった
そして山を離れて元の入り口の場所に帰る
その間のまた現象や生き物達が恐怖に思った
逃げるように戻った
入り口まで戻ってきて一安心とはいかない
ここはそもそも国王様の胃の中
どこだっていてはいけない所である
なぜ、花華はここに来たいと言ったのだろう
それを花華に聞いても答えは興味本位からだと分かっているので何も聞かなかった
アラタ「この先、何が起こるんだ」
アラタは怯えている
すると前方からあの彼らが来た
歪な姿をした存在
「おい。お前達、何やっているんだよ。そろそろ死ね。ご主人様の胃液の中に入るんだよ。」
俺たちはピンチだ
花華も怯えた顔を流石にしている
彼らは俺たちを引っ張っていく
助けてくれ
誰か
するとその前方に誰かが現れた
光の状態で現れた
それは国王様だった
セン「助けるのが遅くなってしまった。お前達、すまない。花華、無事か。」
花華「センタロウ様!」
花華はダッシュで国王様へ抱きつく
セン「あぁ。良かった。みんな、無事なのだな。」
国王様は花華を撫でながら俺たちを優しく見る
セン「すまないな。花華がこれを仕組んだんだな?」
花華「きゅーーー」
セン「そうか。分かっている。俺の中を探検したいだなんて、無茶苦茶な。私の身体がそもそも人体とは異なるのを話したじゃないか。」
花華「だからこそ興味があったのだ」
セン「なるほど。これで分かっただろう?無茶はするなよ。」
引っ張っていた彼らはポカンとして見ている
「ご主人様、どうしてここへ」
セン「あぁ。この子から連絡があってだな。すまないな。異質なものを。今、外に出させるからね。その働いている姿、かっこいいね。」
国王は彼らを褒めた
そして国王は俺たちを入り口から口の中へと戻させた
地獄が下へ下へと遠のいて行くのが分かる
そして俺たちは喉の中の悍ましさも再び観測して
無事に口の中へ戻ってきた
そして口の中が開く
するとそこには見たことがある風景があった
あの宇宙の会場だ
俺たちは口の中を出る
すると国王様の手のひらに着いた
助かったんだ
ようやくそういう感じがあった
俺たちはホッとする
すると国王様が俺たちを褒める
セン「お前達、よく頑張ったな。アレクの力は素晴らしいね。」
アレクさんの力だと分かっているようだ
アレクはお辞儀をする
セン「だがな、二度とこの様なことはしてはいけないぞ。危ないからな。俺の中となれば尚更だ。」
みんなは反省をする
申し訳なかった
花華はしゅんとしている
が、俺はある意味楽しかった
それは言わないことにした
セン「タクト。何かいい学びになったか?俺の中で。」
不意を突かれた質問だ
答えに戸惑った
タクト「はい。実は。楽しかったです。」
セン「そうか。それは良かったね。俺は実は分かっていたよ。君達が俺の中に入ったというの。」
! !
何だろうか
あまりにも当然な事を言われたので
急に眠気が襲ってきた
センタロウ様は言葉を続ける
セン「アレクの力で消化をされなかったと思っているだろう?」
セン「残念だがな、俺様の胃の中は全てを溶かす。溶けないというのはあり得ない。」
セン「溶けなかった理由は俺が君達を溶かさない様に彼らに命じておいたからだ。」
セン「俺の中の組織を見せてみたかったんだ。花華が帰ると思っていたがそうだと勘づいた時は驚いたが」
セン「そうだ。お遊戯だったんだ。これは。」
国王様は笑顔だ
美しい顔なのでその破壊力は計り知れない
国王様のこの世界での異様な身体の大きさ
それはああいうものがいるからなのだろうか
そうかもしれない
俺たちは国王のことを見ている
スタイルもいいので
そうなのかもしれない
国王は笑顔だ
アレクは力を使い果たしたので横になっていた
国王はアレクをベッドを用意して寝かせる
俺たちのベッドが用意された
セン「お前達は寝ておくといい。疲れただろう。ゆっくりお休み。」
俺たちは疲れていた
国王の美しさで癒されるところもあるが
疲れていた
セン「お疲れ様。ゆっくりお休み。」
国王は俺たちを寝かせた
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ーー
目が覚める
花華は先に起きていた
そして国王と遊んでいる
言葉遊びの様だ
花華を片手に乗せて喋っている
しりとり遊びの様だ
花華「あっ!タクトち起きたよー」
セン「おや。おはよう。よく眠れたか?」
タクト「ええ。まあ。未だにトラウマは残っていますが」
セン「なるほど。トラウマは無くなっていくよ。乗り越えるといいさ。それは君のための学びだ。軽く思っていた方がいい。」
タクト「ええ。そうですね。軽くなければ。」
するとアレクやアラタも起きてきたようだ
セン「おはよう。よく眠れたか?」
アレク「あぁ。よく眠れました。」
アラタ「うーん。よく眠っていたなあ。デカい虫に身体を突かれる夢を見たなあ。」
セン「それはすまないね。トラウマにさせてしまったね。徐々に無くなっていくはずだ。」
アラタ「はい。」
セン「では、お前達はいつ帰る。今度こそ、真っ直ぐに帰るんだぞ。」
タクト「今から俺は帰ります。」
アレクやアラタもそうだった
花華はもう少しここに残るそうだ
セン「そうか。では、気を付けて帰るのだぞ。」
会場の中央にゲートが開いた
俺たちはそこへ渡され
中へ入る
そして進む
進んでいく
中は一本道だ
進んでいく
進んでいく
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すると花華の部屋の中に帰ってきた
季節は秋でよい気候だ
そして俺達は再びぐったりとした
あー助かった
アレクは仕事で再び母国へ戻っていった
アラタは花華の部屋の中でまた機械を触っている
俺は再び病院へ戻った
そういえば今は何時だ?何日だ
確認してみる
あの手術の時から3日経っていたことが分かった
メッセージを見ると通知があった
「タクトさん!非番の日は終わりましたよ。まだ帰って来ないのですか?」
「タクトさん!早く戻ってきて下さい。ーーさんが、元気になられていますよ。」
「タクトさん、どうされたのですか?」
「タクトさんーーーーーー」
などなどだ
参ったもんだ
早くいかなければ
俺は病院へ急いで戻る
すると手術メンバー達がこちらに来た
「タクトさん。待っていましたよ。今までどうされていたのですか?」
「心配をしていましたよ。」
「早くーーさんに会ってあげて下さい。」
俺は急かされる様に行く
ーーさんの病室だ
するとーーさんは元気そうにしていた
良かった
俺の手術は成功したようだ
すると何故だろう
まだ患者を診れる気がした
手術も行ける気がした
あそこまで奇怪なところを観察したのだから
そうだろうね
俺はやる気に満ちた
ーーさんは4日後に退院だ
俺は事情をメンバーに話したが
信じてくれていたのかは分からない
中には分かってくれた様な人もいた
俺はそれで良かった
これからまた仕事に戻る
この腕は上がったに違いがない
訓練をした訳でもないがそういう自信があった
END
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