コロナに負けん 4

なるほどなあ。大きな形になったコロナウイルスなあ。あれってそもそも厳しい病らしいから考えただけでも怖いわ。


コロナ自体がそもそもやばいし。


そうしている時に


アルト達は訓練をしていた


アルトくんは腕立てを中心に筋トレをしている。ザンちゃんは考え事をしている。タクトくんは本を読んでいる。

国王様は何かをしている。覗いてみると、何か液体の様なものを混ぜ合わせている様だ。


おいおい。訓練しているのはアルトくんだけじゃあないかあ。国王様は何か考えがあるんだろうけど。


あきれかなって思った。


しかしみんなはそれで真剣であるのである。みんながどうしたらいいのかを考えているのだ。アルトももちろん筋トレをしながら。


ザン「あのさあ。デカコロナって呼ぶけど、コロナってそもそも90℃の熱を加えれば少なくとも死ぬのでは」


国王「そのとうりだ。しかしだな、これから戦うコロナはデカくなっていてほぼ形成の仕方がウイルス状態ではない。ほぼ「生き物」だ。」


アルト「い、生き物」


国王「そうだ。命を持っている。しかもそいつがいる限りは、コロナが終息をすることは無いとも考えられる。」


ザン「親玉ですもんなあ。」


国王「そういうことだ。」


あぁ、こりゃあ明け暮れるしかないかなあ。


国王「ただし、デカコロナを倒したらそうではなくなる。」


花華「そうとなれば早く倒しに行きましょうよ。」


国王「あぁ。もう1日したら行くか。花華も、魔法のペンを持ったか?」


花華「あぁ。この、魔法陣が描けるペンですね。持ってるぞ。これでワイも倒しますデカコロナ」


国王「頼もしいね。」


わあっ!国王様の笑み、やばいくらい破壊力が強いなあ。へへ。やばー。元気。


そうしてみんなは今日は明日に備えて寝た。


ーーーーーーーーーーーー


今日、倒しに行くんだ。デカコロナ。


みんなも準備ができている。


元気は、みんないっぱいだ。


ようし。行くぞ、みんな。


みんなは外へ出た


タクト「ええと」


アルト「ねえセンタロウ。デカコロナってどこにいるのー?」


国王「そうか。教えていなかったな。少し遠い。ワープで行くぞ。」


はーい!ワープだよなあやっぱ。バスとかそういう公共機関は使わないんだよなあ。

ぼくの頭の中で起こっていることだからなあって言えばそれまでだけどさ。


今、国王様から優しく深い意味がある笑みをされたけど、まあいいかあ


みんなはワープをした。


これなら外へ出る必要は無かったのでは


それを国王様に言ったら「そもそも外へ出るものだからそうしておいた方が気分が上がっていいんだぞ。」と教えられた。


ワープをしたところは、え、なにこれ


異空間なのではここ


真っ暗だ。何も見えない。


アルト「センタロウ、ここどこ」


国王「ここはデカコロナがいる世界だ。現実と虚世界の狭間だ。」


ザン「そうなんすね。何か、何も見えないなあ。」


国王「段々目が慣れてくるはずだ。そしたら風花が見える様になるが、ここは前の時代に倒壊したどこかの街だ。日本では無いから風景の違いに気を付けろ。」


段々目が慣れてくると


そこは、街並みが倒壊したような感じの風景だったが、何かおかしい。明かりが全くなくて、暗い。


アルト「全く見えないほど、街も暗かったんだね。」


ザン「そういうことだね。」


国王「この世界は誰もいないよ。そして前の時代だから、時間軸がぶれ無い様に気を付けている。」


花華「時間が前の時代だって言っておったのう。そうなところにコロナがくるんや。」


国王「そうだよ。感染拡大が前時代にも広がったんだ。」


花華「ほえーーー。」


タクト「花華。お前、大丈夫か」


花華「え?」


国王「フフッ。冗談だよ。21世紀前半に流行っているウイルスがこちらの時代にも来るわけ無いじゃないか。」


花華「あーー騙された。何でこんな時に冗談なんか言うんかなあ。」


国王「何となく、だね。どういうふうに考えるかを見てみたかったんだ。」


花華「うん。あのさ、デカコロナどこ?」


国王「直ぐ後ろだよ。」


みんなはその瞬間にゾッとして背後を振り返った


そこには4m以上はありそうな緑色の巨大ウイルスがいた


悲鳴を上げた


でたっ!!デカコロナだ!!


国王様以外のみんなは驚いて尻餅をついた


国王「だから冗談を言って心を和ませたかったんだ。」


国王様なんか余裕?!


タクト「これは、デカイ!そして、はっ」


タクトくん何笑ってるの?


タクト「新しい病原菌の研究ができそうだなと思ってな!」


流石お医者さん。目の付け所がちがうというか。


タクト「俺はこいつを持ち帰りたい」


国王「それはダメだ。そいつは既にウイルスじゃないんだ。生物だよ。研究しても何も意味がないから倒して消すぞ。」


タクト「その、生物学も良さそうです。」


国王「いいや。こいつは生物である割には害でしかない。倒すぞ。」


タクト「そんな、は、はい。」


みんなは攻撃を開始した


アルトは剣を振り、ザンも細長い剣を振る、タクトは短剣と共に液体も振り撒き、国王は拳で、私は魔法のペンで丸を書き、髑髏のマークを描いた。


コロナは訳の分からない聞いたことのない唸り声を上げた


その中に少しだけ人の言葉を話していた様に聞こえた


「アッ ソレ サガシテインノ」


みたいな。


みんなは戦うとデカコロナはやられてやはり消えた。


さすが彼らだ。いくらデカコロナウイルスといえど、彼ら魔法使い達には手も足も出なかったのだ。


アルト「これで一件落着、だね。」


ザン「気持ち悪かったよなあの風貌、まじでウイルスが巨大化だったじゃん。あれを料理にしようかと今朝考えていたけどやっぱいらんわなあれは。」


花華「ええっ?ゆーはそんなことを考えていたの?今朝、何か考えてるなーって思ってたらそんなことを。」


ザン「いいじゃーん。美味そうかなって思っただけだし。」


タクトは項垂れている


国王はタクトへ近寄り、優しい声をかけた


それが何を言っているのかは私には聞こえなかったが、保持者である私的の予想では多分「実は、君の望む様にしておいたんだ。戦いの時にデカコロナの生物心臓を取っておいたぞ。これをコピーすれば君は研究できる。」みたいなことを言ったんだとおもう。うん。間違いない。


すると二人は話し終えたみたいだ。


タクトくんの表情は明るい希望に満ちていた


ほうほう。


そして国王様が今度は私の耳に囁いた。


「よく分かったね。流石俺の嫁さんだ。」


と。


そしてイケボなんでかおがボッとなった。かっこいい。そして、甘かった。


そして、みんなはまた国王様のワープで帰ってきた。


そしてみんなは安心を取り戻した。これでコロナが無くならないなんてことはないんだ。


そうだ。ひとつきになることがある。


国王「なんだ?花華。」


花華「うん。あのさ、どうしてデカコロナがいるのがあの世界だったの?前時代だなんて。しかも、虚世界なんでしょ」


国王「あぁ。ウイルスというのはそもそも生物ではない、単なる個体なんだ。」


花華「うん。」


国王「それが命を持ったということは、世界線軸も超えるんだ。本来ならあり得ないことだからな。ただの形成個体が命を持つだなんて。そうということはそれなりのことがあるんだ。」


花華「なるほど。」


タクト「どうして命を持ってしまったのでしょう。」


国王「それはね、世の中には未知なことが様々あるからだよ。例えば、私の体内だってそうだろう?私の心臓も単なる形成された個体ではなく、命を持って生きているし、人の言葉を話す。しかも三つはあるんだ。私の胃液もそうだよ。ありとあらゆるものを溶かすし、生きている。」


ザン「え、えぇ。そうすね。」


花華「正直国王様はそうなのを思い出すと本当に同じ人かって疑うけどね。」


国王「そういう事だよ。世の中には様々な怪奇的なことに満ち溢れているものなんだ。」


タクト「ええと、国王様の体内が怖いという事なんですけどね」


花華「なにかいったかい?タクトち。」


タクト「何でもない。てか、分かるだろ。」


花華「うむ。分かる。しかし言わんといてね。」


タクト「黙るわ。」


国王「うん。怪奇的だよね。もしかしたら、あのデカコロナは宇宙人か何者かによって化け物になったのかもしれないしね。その辺は理論では分かることは出来ないものなんだ。」


国王様は分かりやすく言ったんだ。本当は理論でも国王様なら言えるんだろうけどあえてそれをそう言ったんだ。それは国王様の心配りだね。


国王「そうだなあ。みんな、お疲れ様。今日は私が料理をしよう。美味しいカレーを食べようね。」


みんなは喜んだ。


花華「ユー達はコロナにかからんけど、ワイは危険に晒されてはいるんや。感染対策はきっちりしておかなな。あのさ、あのさ、人混みの多いところはやっぱ避けたほうがいいよね?」


国王「............そうだね。そうした方がいいよ。しかし忘れないでほしいのは、君には俺たちがついているからね。いつでも。」


花華「はーい!あ、そうだ。何であの風景だったの?街が倒れてて。」


国王「それはね、生きる様になったデカコロナが自分の思念で作った、前の時代に破壊された場所を形成していたんだ。その方が環境的にも生きやすかったのだろうね。破壊された街は菌が生きやすい環境があるからね。」


って言うけど、ちょっと考えるかなあ。そうなんかなあ。まあいいか。


その時、国王様に少し企んだ笑みが落ちた、様な気がした。気のせいかもしれないけどね。僕の視覚化がまだそこまで完全でないのかも、多分。


みんなは既に料理を待ち望んでいるので、僕たちはカレーを作りに行くことにした。


国王「あぁ。花華、私が君に憑依をして作るよ。君はまっててね。」


花華「はーい」


これで事件は解決。今夜のカレーを食べて明日につながるぞい。


END

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