第2話

私は子供を3人産んでいる。

その時、微弱陣痛なので全員陣痛促進剤を使っている。

錠剤を1時間おきに6粒、続けて点滴を3時間。

それを3日間3人全員だった。

子供達は、1番目と2番目の子は、小学校高学年になると2人ともアレルギー紫斑病になった。

3番目の子供も少し遅れたが中学校2年のちょうど野外活動の時、アレルギー紫斑病になった。

当時、アレルギー紫斑病は国の指定難病になっていて、特定疾患医療を受けられたので病院の入院費や治療費は無料だった。

それは助かったのだが、やっぱり子供なので毎日私が通って、そのガソリン代、お昼や夜ご飯代はかかってくる。

同じ時期に少し入院が重なった時は良かったが、1人だけ入院して、もう1人は小学校行って、習い事や学校の役員もやってたから、ほとんど寝る暇もなかった。

旦那が気が利いて手伝ってくれれば良いが、そうではなかったから。

一人でてんてこまいだった。

長く入院していたので、長男と長女は学校も病院の学校に転校して、病院で学んでいた。

アレルギー紫斑病の症状は、それぞれ少しずつ違って、息子の場合は最初に足が痛くなって、だんだん歩くことも出来なくなってきた。

息子は足が早くて、活発だったから、それで足が痛くなったのかと最初は原因が分からなかった。

だんだん、足首に赤い紫斑が出来て、靴下を履くと締め付けられて、もっと紫斑が増えた。

紫斑はだんだん、上に上がってきて、お腹周りにまで赤い小さい粒々が出来た。

紫斑は、とても疲れた時や、よく動いた時は、沢山出て、出た部分は痛くなる。

息子は1番酷かった。

多分、男の子だから活発というのもあったんだと思うが、夜に足が痛くなって紫斑が沢山出すぎて重なって輪のようになる。

そして、ゆっくりしてたり、寝たりすると次の日は消えて無くなったり、薄くなるので、あれ、何でもないかなと思ってしばらく湿布を貼ったりしていたが、足首の次はお腹が痛くなったのだ。

それは、食事を摂った後に泣くくらい痛くなるのだ。

後で分かったが、アレルギー紫斑病は血液の病気で外に紫斑が出てきた時には、身体の中にはもっと出ているそうなのだ。

身体の中から、紫斑が出来るのだから外に出てくる時には、身体の中は酷い事になっているのだろう。

その日は、お腹の痛みが治らず旦那の意見は聞かずに、夜間の緊急外来に電話を入れ、出産した日赤病院へ、車で急いだ。

家からは1時間弱かかるので、遠かったが血液検査も直ぐ結果が出るしと思い、願う気持ちで向かった。

息子はその時、足が痛くて足首に力が入らないと言って支えて緊急外来まで行った。

小児科の先生ではなく、外科の先生だったが、若い先生で触ったり診たりしたが、もちろん原因はわからなかった。

血液検査は平日午前中の小児科に来てくださいと言われ、そのまま家に帰った。

次の日、下の長女と次女を小学校と幼稚園に送って、そのまま病院に向かった。

頑張って歩いて息子は小児科まで行った。

直ぐ呼ばれて、症状を言ったら直ぐ血液検査をして2時間後位に結果が出た。

先生は女先生だったが、少し慌てていて、今まで歩いていたのに、急に車椅子に乗ってくださいと、車椅子を用意された。

息子はそれに乗って、私と先生からの話を聞いた。

アレルギー紫斑病という病気で、直ぐ入院してくださいとの事で、原因は不明で、今の所治療方もないという事を聞かされた。

病院で出来る事は、完全ペット上安静にして、おしっこを毎日、釜に溜めて、虫歯の治療と、乳歯を全部抜いてその中の悪い菌をとる事、扁桃腺を取る事、耳鼻科系の菌を綺麗に治すことしか、治療という治療は、それだけと言われた。それが終わると完治とも言われた。その時は、あまり考えず、大変な病院になってしまったと思った。

息子の場合は、殆ど乳歯は2本しかなかったので、それを抜いて。副鼻腔炎の薬を飲んで、毎日点滴をして、それが、落ち着いたら扁桃腺を取る手術をする事になった。

扁桃腺を取る手術は全身麻酔になるので、息子は小さい頃から病院が嫌いで、大泣きしていたが、この頃はもう5年生だったから、大声では、恥ずかしかったのだと思うが、やっぱり手術というのは、1人で戦わなくてはならないので、不安で泣いていた時もあった。

手術当日は、チョコレートの匂いの麻酔を吸って後は起きたら終わっていると、息子なりに納得して、手術に向かった。

扁桃腺の手術なんてと、お思いだろうが自分が手術の経験もなかったので、とても心配で私の方がずっと出てくるまで泣いていたのを覚えている。

手術中は、オペ室の待合室でずっと待っていなければならないのだ。

他の手術のご家族も何組か待っているが、意外と無口だし、その間にも救急の手術や、救急車で運ばれてくる人が、何人かいた。

病院の先生達は、オペ室の入り口を足で蹴って開けるようになっている。

手にばい菌がなるべくつかないように、そこからもう、手術は始まっているのだろう。

先生は毎日ほど手術をしているのだから、平気なんだろうが。やっぱり、メスを入れる時は毎回、自分との闘いはあるだろうと思う。

続く

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