第103話 仏童丸1
「ぬしらは何者じゃ?」
後ろからかあった声に三人は飛び上がった。振り返ると、後ろに小男が立っていた。
貧相な顔をした痩せた男だった。枯野色の
「・・・」
蒼汰たちはとっさに返事ができなかった。黙って男を見つめた。明日香が蒼汰を守るように、そっと蒼汰の前に出た。
「ぬしらは何者じゃ?」
男がもう一度聞いた。しわがれた声だ。すると琴音が一歩前に出て男と向き合った。男がギョロリとした眼で琴音を一瞥する。琴音がそれに臆することなく答えた。
「我らは旅の者ぞ」
それを聞いた男が首をかしげた。
「旅の者じゃと? おなご六人で旅とな? はて、ぬしら、ここで何をしておる?」
琴音が答える。
「
「わしか? わしは
「放免?」
琴音の顔がくもった。
蒼汰は呆然と二人のやりとりを聞いていた。
ホウメン?・・・ホウメンとは何だろう?
琴音は少し考えていたが、意を決したように
「
「なんと。異なことを聞くものよ。ぬしら、年も知らぬか。いまは
琴音が驚いた顔をした。
「はて、
「
「なんと菅丞相とな! して、ここはいずこじゃ」
「見てのとおりよ。
「んっ、ぬしら、ここがいったいどこか知らずして旅をしていると申すか? あやしきやつらめ」
とっさに明日香が叫んだ。
「ネグリジェ蒼汰、ワンピ水着蒼汰、パンスト蒼汰。琴音ちゃんを守りなさい」
ネグリジェ蒼汰、ワンピ水着蒼汰、パンスト蒼汰が
「やや、ぬしら、あやかしの一味か!」
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