326 - 「金色の鷲獅子騎士団2――前哨戦」


 スカイクレイパル山脈から吹き下ろす風が唸りを上げる度に、木造の建物がみしみし、がたがたと悲鳴をあげる。


 鉱業都市ビルに存在する宿の中で、最も高級な宿、と案内されたこの宿には、防音の魔法がかけられていなかった。


 宿の支配人曰く、人の流入が減った今では、必要最低限の魔法師を雇うので精一杯なのだそうだ。


 鉱業都市ビルは、山脈の地下に眠る大量の地下資源で繁栄した都市ではあるが、数年前に鉱山ワームが湧き始めた影響で、地下資源が食い荒らされ、結果、鉱山としての価値が暴落。


 貴重な地下資源を失った都市は、山脈の麓という、交通の便が不便な辺境の地でしかなくなった。


 当然、地下資源で成り立っていた鉱業が傾き、更に人が減るといった悪循環に陥っていた。


 今ではこの都市にある最上級の宿でも、十分なサービスを維持できなくなってしまったと、申し訳なさそうに説明する支配人の背中は、どこか煤けていた。


 だが、そこは腐っても鯛。


 貴族御用達の高級宿屋だ。


 防音の魔法がかけられていない程度のことに不満を言う者は、ララ以外にはいない。


 そのララですら、最初こそ、煩くて眠れる気がしないと不満を口にしていたが、だからと言って自分で防音魔法をかけるようなことはせず、さっさと床についた。


 本来であれば、王家の血筋を引いているキングは気にしても良さそうなものだが、キングは全く気にした様子もなく、酒場で買い付けた酒瓶とつまみを持って、意気揚々と部屋に消えた。


 思い返せば、奴隷に扮して巨大奴隷船オサガメに潜入し、汚い牢屋でも平気で寝られるくらいの変わり者なので、この程度のことなど気にもならないのだろう。


 久し振りにひとり酒でゆっくりできると喜んでいた。


 金にも女にも興味を示さず、安物の酒とつまみ片手に夜酒を楽しめるキングは、良い意味で王族らしくない。


 絶対的な階級意識が思想の根本にある貴族のような、尊大な自尊心をもたないキングだからこそ、王子の肩書きを失ってからも命を賭けて協力してくれる者が多いのだろう。


 宿に泊まったのは、マサト、ヴァート、シャルル、パークス、キング、ララ、それと酒場の一悶着で仲間にした猫人族のチオだ。


 アシダカは、片付ける仕事があると、宿には泊まらなかった。


 この都市にある支部の者たちと連絡を取り合うようだ。


 帝都へと繋がる要所となる各都市には、既に後家蜘蛛ゴケグモの支部があるという話は、黒崖クロガケから聞いていた。


 あくまでも情報を仕入れるためらしく、戦力として動員できるほどの規模はないようだが、それだとしてもフログガーデン大陸よりも数倍の広さをもつワンダーガーデン大陸の各都市に、支部を作るまで勢力を拡大させていたのは恐れ入る。


 黒崖クロガケの統率力の高さ、ひいては後家蜘蛛ゴケグモの組織力の高さには改めて感心させられた。



(召喚した者たちだけでも、ここまで勢力を拡大できるものなのか……)



 そう思考に耽りながら、ふと横を見る。


 隣のベッドでは、ヴァートがすぴすぴと可愛らしい寝息を立てていた。


 白眼ゆえに、人相が悪く見えるヴァートだが、寝顔は年相応であどけなく、寝相も良過ぎるくらいに良い。


 例えるならハムスターが胸のポケットから顔を出しているみたいな、掛け布団の上部を両手で掴みながら直立不動の姿勢で寝ている。


 そんなヴァートの姿に自然と笑みがこぼれてしまう。


 更にその奥のベッドには、シャルルが同じく仰向けの姿勢で寝ている。


 白いシーツの上に広がる艶のある黒髪は、シャルルの美しさを一層引き立てており、その姿は、童話に出てくるお姫様のようだ。


 血は繋がっていないが、ヴァートもシャルルも同じような姿勢で寝ていることに気付き、思わず笑ってしまう。



(こういう感じも、悪くないな……)



 何気ない瞬間が、とても愛おしく感じる。


 その瞬間が、長くは続かないことを知っているから尚更だ。


 だが、ほんのひとときの心の静寂でさえ、マサトには許されなかった。


 召喚モンスターとの繋がりに異常を感じる。



(この感覚は……ヘイヤ・ヘイヤか?)



 ヘイヤ・ヘイヤは、浮島プロトステガを支配していた最上級悪魔ジェネシス・デーモンで、マサトが討伐後に再召喚したモンスターだ。


 港都市コーカスを出る際に、黒崖クロガケへ指揮権を預けていた。


 その、悪食の悪魔ディヴァルリング・デーモンヘイヤ・ヘイヤが交戦状態に入った。


 詳細は分からないが、交戦に入った方角だけは薄っすらと分かった。


 宿の壁越しに、遥か遠方へ意識を向ける。


 もう朝日が昇っても良い時間帯だが、外は相変わらず吹雪いている悪天候で、空を飛んでいる生物はいない。


 マサトの感知が届かない、更に遠方――ハート領と鉱山都市ビルの丁度中間くらい距離に位置する上空では、前哨戦が人知れず始まっていた。




◇◇◇




「ホーネスト、もう少し……もう少しだから……」



 第十五部隊隊長のアネスティー・グラリティが、疲労困憊のホーネストを励ます。


 途中、何度か小休憩を挟んでいるとはいえ、夜通しで2日は飛び続けている。


 空は明るくなり始めていた。


 マサトに召喚されたホーネストは、以前とは違い、飛行能力も体力も格段に上がっていたが、それでも過度なプレッシャーに晒され続けたことで、既に限界を超えた状態にあった。


 その大きな原因は、後方から迫ってきている敵の存在だ。



「スギギギ、もう限界でスか?」


「くッ……!!」



(もう追いつかれた!? 皆は!?)



 アネスティーが後方を確認する。


 追手は、1人。


 タキシードを着た長身の男で、背中からは黒い翼。


 左眼にはモノクル。


 黒いシルクハットを右手で抑えながら、左手に持った黒いステッキをくるくると器用に回している。


 その男が、再びアネスティーへ話しかける。



「ほらほら、また追いついてしまいましたよ? 貴女のお仲間が命を賭けて時間稼ぎしてくれたのに、これでは無駄死にでスギギハハハハッ!!」


「なんてこと……!!」



 アネスティーの顔が悔しさで歪む。


 そのアネスティーを嘲笑った声の主は、帽子屋ハッタ・ハット卿だ。


 帝国の傘下にある商業ギルド全てを統括する帝国商業ギルドの長でありながら、神出鬼没で、実態が掴めない不気味な存在。


 しかしながら、その正体は、人の皮を被った最上級悪魔ジェネシス・デーモンだった。


 アネスティーにとっては、浮島プロトステガを支配していたヘイヤ・ヘイヤに続いて2体目の最上級悪魔ジェネシス・デーモンとなる。



(またしても……悪魔デーモンめ……)



 激しい怒りと悔しさに歯を鳴らすも、その感情がハッタ・ハット卿の求めるものだとすぐに思い出し、必死に感情を落ち着かせる。



(挑発にのるな……冷静になれ……)



 一呼吸置き、再び背後を確認する。


 アネスティーと目が合ったハッタ・ハット卿は、ここぞとばかりに高笑いしながら挑発を続けている。


 敵に疲労の色は見えない。


 むしろまだまだ余裕があるように見えた。


 その状態で、飛行速度はホーネストとほぼ同じ。


 一方で、ホーネストは体力の限界で失速し始めていた。


 距離がじわじわと狭まっていく。



「ほらほらほら! どうしたんでスか? もっと、もっともっともっともっとぉおお! 必死になってくれないとつまらないでスよぉホホホ!!」



 ハッタ・ハット卿が煽った直後、アネスティーの頬とホーネストの翼を、鋭い突きの斬撃が切り裂いた。



「いッ!?」


――クォオオオ!!



 アネスティーとホーネストが同時に悲鳴をあげる。



(不味いッ! ホーネストがッ!)



 翼を負傷したホーネストが飛行体勢を崩す。


 アネスティーは、咄嗟にホーネストの首元に装備してある上級回復薬ハイポーションの蓋を外した。


 鷲獅子グリフォンの首には、鷲獅子騎士グリフォンライダー用の首輪と手綱がつけられているが、首輪の正面部分には、主に魔導具アーティファクトなどの装備品が付けられ、背中部分には、回復薬ポーションなどの液体魔法薬の入った小瓶を逆さに装着できるようになっている。


 乗り手の戦闘スタイルによってカスタマイズされる首輪ではあるが、鷲獅子グリフォンと乗り手の負荷軽減のため、どの首輪にも共通して一定範囲内の風圧を軽減する魔法が付与されているため、例え飛行中だとしても、回復薬ポーションが風圧で飛び散ってしまうことはない。


 上下逆さまに装備された回復薬ポーションの瓶の蓋を外すだけで、中身の液体が鷲獅子グリフォンの身体へと自然と流れていく仕様だ。


 上級回復薬ハイポーションの効果は凄まじく、ハッタ・ハット卿から受けた傷は一瞬で治り、底をついていた体力までも大きく回復させた。


 ホーネストが立て直し始める。



「ホーネスト、お願い! もう少しだけ耐えて!!」


――クォオオオン!!



 元気を取り戻したホーネストがひと鳴きして応じる。


 上級回復薬ハイポーションは、黒崖クロガケから支給されたもので、まだ数本のストックがある。


 だが、回復薬ポーション系は、連続で使用する度に、その効果が半減していくデメリットがあるため、例え効果の高い上級回復薬ハイポーションが残っていたとしても油断はできない。



(もう合流地点には着いたはずなのに……どこ!? クロはどこ!?)



 アネスティーが焦る。


 何かあった時の為と、黒崖クロガケからは合流地点を教えられていたのだが、前方にそれらしい影は見つけられなかった。



「何を企んでいるんでスかぁ? 怪しいでスねぇ? でもそれがまた楽しみなんでススがががハハハ!!」



 視界の端で捉えていたハッタ・ハット卿が、不気味な微笑を浮かべながら、くるくると回していた黒いステッキを握り直し、その先を向けてきた。


 アネスティーは、背後からの斬撃を警戒するも、嫌な予感がして前方へ意識を戻す。


 その予感は当たっていた。



「ホーネスト! 避けてッ!!」



 手綱を左へ強く引っ張り、自身も重心を大きく左へ傾ける。


 それとほぼ同タイミングで、前方で急速に膨れ上がる黒い霧。


 ホーネストも条件反射で指示に従い、急旋回して飛行軌道を変えたが、軌道を変えたその先にも黒い霧が発生。


 完全に避けることができず、翼の一部が触れてしまう。



――クォオオオ!!



 黒い霧に触れた翼の先が泡を立てて溶け始める。



「侵食の呪いッ!? ホーネストごめんッ!!」



 アネスティーは剣を抜き、素早く溶け始めた翼の先を斬り落とし、予備の上級回復薬ハイポーションを開ける。


 斬り落とした翼の先が瞬く間に再生するも、敵の攻撃は続いていた。



「スギギギギ! もっともっともっともっとぉおおおおホホホ!!」



 ホーネストの進路を塞ぐように、触れただけで身体を溶かす凶悪な黒い霧が次々に咲き乱れる。



(だ、駄目、避けきれない!!)



 上下左右と、退路を完全に断たれた形で現れた黒い霧に、アネスティーは被弾を覚悟する。



(お願い! 耐えて!!)



 目前の黒い霧と霧の隙間が急激に狭まっていく。


 被弾箇所を最小限に抑えようと、ホーネストがアネスティーを庇う形で翼を折り畳んで身体を縮こませる。



「スギギギギハハハハッ!!」



 死へと飛び込んで行く獲物を嘲笑う不快な声が空に響く。



(お願い……!!)



 一瞬、視界が真っ暗に染まり、明るくなり、再び暗くなり、を繰り返すこと数回。


 敵の弾幕を抜けたのか、ホーネストが翼を広げ、アネスティーの視界に光が戻る。



「ホーネストッ!?」



 急いでホーネストの状態を確認する。



「え……怪我は……?」


――クオオオオン!!



 元気に嘶くホーネスト。


 頭部、翼、尻尾、見える限りでは負傷した箇所は見られない。


 いつもの鳥の子色とりのこいろの綺麗な羽根だ。


 少しだけ違うところがあるとすれば、ホーネスト含めて自分自身も淡く輝いていた。



(どういうこと……? 防御系の魔導具アーティファクトはもう全て使い切ってしまったはず……)



 不思議に感じながらも、考えている余裕はない。


 急いで後方の敵を確認する。


 すると、先程まで狂気を振り撒いていたハッタ・ハット卿だったが、突然攻撃の手を止め、感心した様子で話し始めた。



「おやおや、これが狙いだったんでスねぇ?」



(狙い……?)



 ハッタ・ハット卿の言葉にアネスティーが一瞬訝しむも、もしやと思い、前方に意識を向ける。



(あれは――味方!?)



 アネスティーの瞳に活力が戻り、召喚モンスター同士の繋がりがあるホーネストが元気に嘶く。


 前方の上空、比較的近い距離に、灰色の翼竜が、まるで蜃気楼のように薄っすらと姿を現し始めているところだった。



(灰色の翼竜、それにあれは――)



 翼竜のすぐ後方に、上半身の筋肉が異常に発達した悪魔デーモンが、大きな翼を広げて追従してきてた。



(くっ、ヘイヤ・ヘイヤ……間違いない! クロが寄越した増援だ!!)



 アネスティーの判断通り、それは後家蜘蛛ゴケグモ黒崖クロガケが手配した軍隊だった。


 最上級悪魔ジェネシス・デーモンの姿になったヘイヤ・ヘイヤを見て嫌な記憶が蘇ったアネスティーだったが、そのヘイヤ・ヘイヤが憎きハッタ・ハットと戦う光景を想像したことで、笑みへと変わる。



(これならハッタ・ハットにも勝てる……!!)



 灰色の翼竜――灰色の翼竜レネが完全に姿を現し、その灰色の翼竜レネに乗った少年が声高に叫んだ。



「いぃぃいいやっふぅううう! ひっさし振りの大物狩りだーーー!!」



(子供……? もしやあれが、ゴブリンの王?)



 子供のような見た目だと事前に聞いていたアネスティーが、あの話は本当だったのかと少し驚きつつも、ホーネストを旋回させ、灰色の翼竜レネと並んだ。



「私はアネスティー・グラリティ! 貴殿がクロ……黒崖クロガケの言っていたオラクル殿か!?」



 アネスティーに話しかけられた少年のような見た目の男――オラクルが、白い歯が見える満面の笑みで答える。



「そうそう! そうだよおねえさん! ぼくがゴブリンの革命王こと、オラクルだよ! ぼくが来たからにはもう大丈夫! あ、それとさっきおねえさんを助けたのもぼくね! お代はあとで請求するからお礼はいらないよ!!」


「あ、そ、そうか。だとしても感謝する。助かった」



 アネスティーがお礼を述べると、オラクルは冗談だよと笑ってみせた。



「おしゃべりは後にして、目の前のおじさんを先に片付けちゃおう!!」



 オラクルの言葉に、ハッタ・ハット卿が大声で笑う。



「スススギギギハハハッ! 良いですねぇ良いですねぇ! 楽しくなってきましたよぉお!?」



 ハッタ・ハット卿が片手をあげると、その後方の上空に、円形の黒い空間が複数出現した。



「私も期待にお応えして、連れて来た部下をお披露目しまスよぉおホホホ!!」



 黒い空間から、中級悪魔ミドル・デーモンが次々に顔を出す。


 アネスティーが驚きに言葉を失う。



「そんな……」



 再び劣勢に立たされたと思ったのだ。


 さすがに中級悪魔ミドル・デーモンの軍団が相手だと、3人では分が悪いと。


 顔を青くしたアネスティーを見たオラクルが、追い打ちをかけるように弱気な言葉を口にする。



「うわー! そんなー! もう駄目だーー!!」


「ま、まだ諦めるには……」



 アネスティーが不安になる気持ちに鞭を打ち、オラクルを奮い立たせようと視線を向ける。


 だが、オラクルは弱気な発言とは真逆に、心底楽しそうに笑っていた。



「あははは! 冗談冗談! おねえさん嘘だよ嘘。揶揄ってごめんね! この悪魔デーモンのおじさんたちは、ぼくたちに任せてくれれば大丈夫だよー!!」


「し、しかしあの数の悪魔デーモンをどうすれば……」



 アネスティーが他に援軍はないのかと周囲を見渡すも、特に気配は感じられなかった。


 急に弱気になったアネスティーの反応が面白かったのか、オラクルが笑いながら話す。



「あはは! だから大丈夫だって〜! おねえさんも心配性だな〜。ほら、見てよ。これがぼくが連れてきた軍隊だよ? これ見たら安心できる?」



 オラクルの言葉の直後、オラクルの後方の上空に、次々と小型の飛空艇スカイシップらしき物体が姿を現し始めた。


 空に浮かぶ楕円形の袋には、プロペラが複数付いており、その袋の下には小型の船が吊り下げられている。


 船には筋骨隆々の逞しいゴブリンが複数乗っており、全員が武器を片手に雄叫びをあげていた。



(ゴブリン……あれがゴブリンだというのか……?)



 帝国ですら未知の技術である空飛ぶ船に乗った、屈強そうなゴブリンたち。


 それは、アネスティーが知るゴブリンの常識から逸脱した光景だった。



(あれを低ランク冒険者向けの弱小種族だと甘く見れば、都市ですら簡単に滅ぶぞ……)



 これが敵となった場合のことを考えたアネスティーが、生唾を飲み込む。


 だが、ハッタ・ハット卿は腹を抱えて笑っていた。



「スギギギギハハハハ! ゴブリンが空に浮かんで何ができるんでスかねぇ? 面白い冗談でスススギギギハハハ!!」



 オラクルが大笑いしているハッタ・ハット卿へと向き直り、挑発で返す。



「はは〜ん? 数でゴブリンに勝てなかったからって顔真っ赤にしちゃったの〜? みっともないな〜」



 ハッタ・ハット卿は、笑みをそのままに、オラクルを睨みつける。



「スギギギギ。これは少々躾が必要のようでスねぇ」


「おじさんは歯磨きが必要かもね。お口が臭すぎてこっちまで臭ってくるよ~。おえぇー」


「ススギギギギ」



 壮絶な睨み合いを始めた両者から放たれた殺気の濃さに、アネスティーが息を呑む。


 口火を切ったのはオラクルだ。



「おじさんと見つめ合う趣味はないんだごめんよ〜! さっ、ゴブリンだって、使い方次第で上位種を狩れるってことを証明しちゃいますか〜〜〜!」



 そして、全軍に号令をかけた。



「おにいさまの増援が来る前にさっさと片付けちゃいまっしょぉおおお! 全隊ッ! 一斉射撃ぃいいいいい!!」


「なっ!?」



 アネスティーが驚きに目を剥く。


 その瞳には、赤く輝いたゴブリンたちが、空飛ぶ船から次々に飛び出し、物凄い加速力で中級悪魔ミドル・デーモンの群れへと突っ込んで行く光景が映っていた。




――――

▼おまけ


【R】 オラクルの飛空気球部隊バルーンブリゲード、2/3、(赤)(3)、「モンスター ― ゴブリン」、[飛行] [搭乗ゴブリン生贄時:ゴブリンの誘導弾ゴブリンミサイル] [搭乗ゴブリン上限:8]

「あれは駄目だッ! 逃げろッ! ゴブリンがブッ飛んでくるぞッ!!!!――ゴブリン狩りの冒険者ハンス」


【R】 ゴブリンの誘導弾ゴブリンミサイル、(赤)(1)、「ソーサリー」、[ゴブリン生贄時:追尾型火魔法攻撃Lv5] [生贄制限1]

「くそッ! あれは奴らが考えたイカれた作戦の中で最もタチが悪い! どうやったらゴブリンであんな火力が出せるんだッ!?――ゴブリン狩りの冒険者ハンス」

※近況ノートに挿絵あり


【R】 大気の精霊の悪戯スピリティッド・アウェイ、(青)(3)、「ソーサリー」、[一時全体不可視化Lv3]

「目に見えないだけじゃない。臭いも、音も、気配すら感じなくなる。でも、精霊に悪気はないんだ。だけど、ふと、精霊に好かれたのが、もしも赤児だったら?と、考えてしまう時があるよ――精霊士テラテラ」




★ 挿絵カード(WEB版オリジナル)、pixivにて公開中 ★

https://www.pixiv.net/users/89005595/artworks


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