195 - 「大型モンスターのカード化」


「今回はデッキ解放なしか……」



<ステータス>

 紋章Lv46→50

 ライフ 4/50

 攻撃力 99

 防御力 7

 マナ : (虹×3)(赤×2625)(緑×1251)(青×10245)(黒×506)(白×94)

 加護:マナ喰らいの紋章「心臓」の加護

     炎の翼ウィングス・オブ・フレイム

     火の加護

     火吹きの焼印

 装備:心繋きずなの宝剣 +99/+0

     火走りの靴

     火投げの手袋

 補正:自身の初期ライフ2倍

    +2/+2の修整

    召喚マナ限界突破14→15

    火魔法攻撃Lv2

    飛行

    毒耐性Lv5

    疫病耐性Lv5

 称号:次元を渡り歩く者ディメンションズ・ウォーカー



 大量のマナは回収できたが、紋章レベルがカンストしてしまった。


 限界突破させるには2万マナ必要になるらしい。


 残り4500マナ程度で2万マナに達するが、マナがない状態だと何も召喚できなくなるので、暫くはこのままになる。


 今回のレベルアップでは、デッキ解放がなかった代わりに、次元を渡り歩く者ディメンションズ・ウォーカーなる称号を手に入れることができた。


 と言っても、どんな能力かは分かっていない。


 名前からして次元を行き来できるようになったとかだろうか。


 そもそもどうすれば次元を行き来できるのか知らないので、確かめようがないのだが……



(あー…… 頭がくらくらすると思ったら、ライフ残り4だったのか…… どうりで鼻血も出る訳だ)



 闇の衣ダークローブなら、マナの過剰行使によって発生するダメージを無効化できるんじゃないかと思ってたのだが、実際はそれを超えるダメージを受けていたらしい。


 全てのマナを回収し終わった後でも、赤マナが戦う前の半分程になってるし、思いの外危ない橋を渡っていたのかと認識を改める。


 ライフ上限も50まで上がったので、余程のことがなければ死ぬ事はないと思ってしまう――という危機感の欠如が、今後の課題になるかもしれない。


 他には、召喚マナ限界が15に上がった。


 そもそも召喚コスト15を超えるカードを持っていないので、今は不要の産物だ。



「ん?」



 ふと、ローズヘイムの方角から交戦の気配を感じ、振り向く。


 すると、すかさずシュビラから念話が届いた。



『旦那さま、シルヴァーの残党がこちらに流れてきたようだの』


(シルヴァーがっ!? すぐ行く!!)


『そこまで数はいないから大丈夫だの。フラーネカルと蒼鱗のワーム、後は肉裂きファージが迎撃しとるからの。心配不要じゃと伝えようと念話を送ったのだ』


(そか…… 分かった。ありがとう)



 こちらの包囲網から抜け出したシルヴァーの残党がいるとは思わなかった。



(他にもシルヴァーの残党がいると厄介だな…… あいつらを完全に掌握するには――)



 モンスター討伐リストを開き、その中から目的の名前を探す。



(あった)



『シルヴァーの女王』



 すぐさまシルヴァーの女王をカード化する。



[UR] シルヴァーの女王 12/12 (虹×12) 

 [召喚時:シルヴァーの女王の分体4/4召喚4]

 [(1):銀色のシルヴァー1/1召喚2]

 [(4):シルヴァーの女王の分体4/4召喚1]

 [能力奪取:シルヴァー]

 [再生Lv6]



(虹×12…… 虹マナ足りないじゃんか……)



 神の激怒ラース・オブ・ゴッドを使う為に、保有している虹マナと白マナを全消費してしまったのが仇となった。



(それにこのシルヴァー召喚能力…… 凶悪な訳だよ……)



 何百年と周囲のマナを食らって召喚し続けた結果が、あのシルヴァーの大群だったのだろう。


 そして、大量のシルヴァーを討伐したのに、カードドロップが何故ないのか疑問に思っていたのだが、その理由も分かった。


 全てはシルヴァーの女王が生み出したモンスターだったせいだ。


 MEでは、能力で生み出されたモンスターを討伐してもカードがドロップされることはない。


 更には、それが無色マナでの召喚であれば、討伐時に得られるマナもない。


 討伐メリットがないのだ。



(討伐損かよ…… そんでもって、女王にシルヴァーを支配する能力はないのか。支配はできないけど、他のシルヴァーから能力を奪える能力はあると)



 ゴブリンの革命王オラクルのように、全てのゴブリンを強制的に支配下へ加えることができる [カリスマ] 能力はないが、敵味方関係なく能力を奪える [能力奪取] がある。


 この能力があれば、野良シルヴァーを泳がせて進化させた後に、シルヴァーの女王で能力を奪うことができる。


 これなら、今すぐにシルヴァーの女王を召喚出来なくても問題なさそうだ。



(シルヴァーの残党は、シュビラとドラゴン達に任せるとして、後は……)



 リヴァイアサンのカード化だ。


 さっそく討伐リストからリヴァイアサンを探す。



(おし、ちゃんと討伐してある)



 迷わずカード化。

 


[UR] 海神リヴァイアサン 30/30 (青×15) 

 [魔法無敵]



(30/30!? 魔法無敵!?)



 島並みに巨大なモンスターだと思ってはいたが、まさか30/30サイズもあるとは思わなかった。


 それだけならただの大型モンスターで済んだのだが、このモンスターを強者に引き上げている能力があった。


 あるのとないのでは全く価値が変わってくる能力―― [魔法無敵] 。


 [魔法無敵] がある為、このモンスターは魔法で殺す事ができないのだ。


 つまり、火の玉ファイヤーボールで討伐などはなからできなかったことになる。



(あ、危ね…… 選択肢間違えてたら、今頃ローズヘイムは海の中だった……)



 そう考え、少しヒヤリとする。


 海神リヴァイアサンは召喚コスト15なので、紋章レベルが50となってようやく召喚できるクラスのモンスターというのも納得できる。


 再び津波が発生したら被害が増えるだけなので、今は召喚しないが。



(よし、収穫はあったし、無事に全て片付いた。後は避難してる人達に一言声かけてローズヘイム帰ろう)



 俺は鼻血を拭いつつ、こちらに視線を向けて待機している人達に向けて飛び立った。


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