第3話   近況報告 受賞の連絡が来るまで1 

ウクライナ情勢も気になる昨今ですが、とりあえず2度目の改稿を終えて担当編集さんに提出したので少しだけ時間が空いたので、これまでの経緯を簡単に語らせてもらえばと思っています



子供のころにいくつかの夢はあったものの、高校を卒業しようというころにはいつしかつまらない大人になり始め、現実的に食べていける仕事を選ぼうだなんて考え始めていたのはつい昨日のことのように覚えています。

そしてそのまま器用な大人になり、それなりに一つだか二つだかの峠を越えて、きっとこんな風に人生を終えていくのだろうなと考える歳になり、それでもどこか満たされないと感じながら過ごしていた日々。久しぶりに実家に帰ってたまたま見つけた中学時代の卒業文集。そこには将来の夢は『貧しくてもいいから小説家になりたい』と書いてありました。


その時はそんなことを考えていた時もあったなで終わったのですが、そのころに出会ったのが前にも触れた『涼宮ハルヒの憂鬱』でした。

そのころにはもう、件の作品の知名度は抜群で、アニメ放送も終わってしばらくたっていたのですが、当時アニメやライトノベルに疎かった自分はそこに触れずに生きてきたのです。

(と、言うか仕事が忙しすぎてそんな余裕なんて全くなかった)

これが読んでみると無茶苦茶面白い! なんで今まで読んでいなかったのかを思いっきり後悔しました。そして、少し前に手に取った中学の卒業文集が頭をよぎったのです。


『貧しくてもいいから小説家になりたい』


そしてそれからしばらくライトノベルやアニメを読み漁り、たどり着いた答えが


『ラノベ作家に 俺はなる!』だったのです。




が、そんなことはわかってはいたのですがそんなに甘い世界でもない。苦節6年ほど書き続けても新人賞の受賞はならず、世間はコロナで大混乱。半ばうつな状態も続き、最近ではあまり小説を書かなくなってきた頃でした。


それまで毎年4月の電撃大賞に応募していたのですが、締め切りに間に合わせることができず、書き終わったのはもう、4月の末のことでした。

せっかくなので今からどこか応募できるところはないかと思っていたところ、目に留まったのは本棚にあるスニーカーマガジンの30周年記念号でした。しばらく筆の止まっていたハルヒの新作が描かれたその雑誌の表紙のハルヒがこっちを向いて笑っていたのです(アクア様もね)


見ればまだ応募締め切りには時間がある。取り急ぎフォーマットを合わせようと試みたのですが、スニーカー大賞は電撃大賞より1ページ当たりの文字数が少なくそのまま応募することはできなかったのです。

そこで、登場人物の一人とそれにまつわるエピソードをまるまる削り取ってみましたが、それでもまだ範囲内に収めきれず、あきらめかけたときにふと思いついたのはカクヨムからの応募です。

カクヨムからだと単純な文字数換算になるので十分な余裕があるので応募が可能でした。



そしてそれは順調に選考を通過していき、最終選考に残ったことが決まったころ、病に伏していた母が亡くなりました。

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