ヘルツォーク ⑷
バレンティン・マドラソと別れ、湖で水をくむ三人......。
そこには先ほどのヘルツォークの狂暴な姿は無く、単に湖から飛び出しているトゲ植物のようになっている。
皆が保水パックに水を汲み、帰路に就く。
アンリが二人の顔を見まわす。
「これだけ水があれば、数日分はあるから大丈夫だね。色々あったけど......早く帰ってお母さんを安心させてあげないと」
そうだな、などとみんなで話しながら歩いていると、ビーオンは完治した自分の肩口をまじまじと眺めた。
「なんだか俺の腕......一回り大きくなったような気がする」
言われてアレスがビーオンの体を眺めて答える。
「身長も高くなってると思うよ、たぶん......」
アンリも加わる。
「私もそう思う。メドベッドの副作用だね。あの怪物に力で負けていなかったし」
「確かに言われてみると......そうかぁ俺、強いかなぁ......」
ビーオンは調子に乗ってきた時こそ一番強いのだ。つまり今が一番強い。
笑い合いながら皆の足はコミュニティを目指して、軽快に駆けていた。
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