12 安達としまむらの続きは読まない

 偶然にも喪に服すように立ち止まっていたことは、わたしに強欲をもたらした。二年半は、短くはなかった。


 わたしはあの物語には、あの子と一緒に死んでほしくなってしまった。

 棺に入れて燃やしてしまいたかった、と。

 だからせめて続きを読めたはずのわたしだけでも、『安達としまむら』の続きはもう読まない。

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