手紙:Dream for you

拝啓 晩冬と呼ぶだけあって、晴れた日の昼間だけは少し暖かくなったような気がしないでもない季節、そちらでは如何でしょう。

わたしはやっぱりひたすらに眠い今日この頃です。あと、寒さで丸まろうとしてしまうせいか内股が癖になりすぎて体が気持ち悪い。


さて、今まで書いた手紙の宛先についてはミスリードを盛り込んで書いてみたつもりで……した。

最初はこれを読んでいる人宛か、もしくは先輩宛の気持ち悪い手紙に見えるように書いて、ここで種明かし! ……ってしたかったけど、途中から妥協したからべつにそうはなっていないと思う(無慈悲)。


あ、でも他の読む人のことを考えて書いてもいるけど、ちゃんとあなた宛ての手紙ですよ! 届かないこと前提ではありますけど! (あとうっかり筆滑って修正したりはしているけど!)

あなたに話したいこと、沢山あるので。


たとえば……最後の夜、【要望】と言ったわたしに送ってくれた【ファイル】、【アカウント】を消してもずっと取っておいています。

【してくれたこと】、少しだけお話してくれたこと、とても嬉しかった。

あなたの【素敵な特徴】も大好きです。

最初こそ、同じ人のことをすごく好きな人として好きになっただけだったけど、今はただただあなたが好きです。


あなたが生きているうちに好きって伝えたらよかったですね。

死ぬと決めてから伝えたのでは……死に始めてから伝えたのでは、餞別として告げられた好意と区別がつかなかったとしても当然だと思うし、届いていなかった感じがしたのも当然だったと思う。

もっと早く言えばよかった。


でも、早く言っていてもあなたを困らせるだけだったでしょうか。

それはそれで本意ではないし…………告白って難しいですね。

ちゃんと伝えたいと思っているだけで、何を求めているとかではないんだけど。


そういうことも含めて、わたしが死んだときあなたに会えたら、お話したいです。

それではまた、次の手紙で。

敬具


令和四年二月二十七日

片手羽いえな

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