第12話 山奥の神社にて

長男は同級生の仲間ら7、8人間で深夜の山に入る 



時代はビーバップハイスクール全盛期でラッパズボンやボンタンを履いた中学生らであった 



長男が中学の時の話なのでレイはまだ幼少期の話である 



彼らが山に入る時間は決まって深夜であった 




そんなに高い山ではないが自然公園から中に獣道のような細い道を電灯片手に捜索する 



街灯はまったくなく自然公園は夜は開放してないので山の中に彼ら以外はいない… はずである 




しかし、時よりこの世の者ではないようなどんよりしたというか生気を持たない視線を感じた 




湿った苔や落ち葉の匂いを嗅ぎながら彼らはそんなのお構いなしにクワガタを探す 




時より、見ーっけ!とか、デカッ!とか言いながら各々クワガタ探しに没頭している 




彼らの声に混じってまったく聞いた事ない事やうめき声のような声も聞こえる 



無理もない、ここは「激戦区」だ 


第二次世界大戦中の戦没者が多数山に逃げて、今でもなお戦没者の骨が埋まってると聞く 



ボンタンの彼らは無知というか若さゆえの怖いもの知らずではあった 



しかし、暗黙の了解で決めてる事があった 



それは、何か聞こえても見えてもそこでは絶対言わないという事 



なぜなら誰かがそれを発したらパニックになり、急いで山を降りようとして怪我をしたりパニックになり逃げ遅れ精神状態がおかしくなる者が現れたり 



それが「目に見えない奴ら」の狙いであり心霊スポットなどでパニックになり逃げ帰ってきて逃げ遅れて帰らね人が出てくる原因の一つである 



一見馬鹿な彼らはそれを完全に熟知していた 




仲間は誰一人置いて帰らない!そういう熱いチームワークもこのスポットには向いていた 



問題は神社周辺 



人や神主が毎日出入りしていればそこに神が宿り結界を張るが、其処は手付かずで草木が生い茂り年に数回程度しか人が手を加えなかった 



そういった場所でもかろうじて人が管理していればいいが廃寺などは絶対立ち入らないほうがいい 




其処に仏様の姿はなく、まったく違うものが宿り手招きしているという 




そんな所で手なんか合わせたら憑かれる可能性があるので注意が必要だ 





何はともあれ長男らは朝日が出る頃には無事に各々帰宅してレイはクワガタをたくさんもらって喜んだ。



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オネエオカルト少女レイ 早乙女涼子 @donguri7

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