『薔薇の栞』
この物語は二組の仲のいい友人たちを中心にして進んでいきます。
まず主な登場人物は、主人公の「市ノ瀬美晴」。
「美晴」の同級生である「高山健吾」。
「美晴」が気になっている異性の「泉君」。
「美晴」の祖母も重要な登場人物です。
もう一組は。
友達同士の「昴」と「直樹」そして「玲奈」。
そしてもう一人、「玲奈」にぶつかられて「ノート」を落としてしまう「菜月」。
こちらの登場人物は何故か名字が示されません。
そしてそのことは二組の人物たちの関係を考えるうえで、とても重要なヒントなのです。
二組の関係性が語られないまま、入れ替わり現れるエピソードに戸惑いますが、「栞」を仲立ちに少しずつヒントになる事柄が示されます。
「昴」は「菜月」が落とした「ノート」から零れ落ちたらしい「破片」を「拾い」「本に挟」みます。
この「昴」が「本に挟」んだ一片の「栞」が縦糸となり時空を超えて一つの物語へと紡いでいくのです。
一方「直樹」が懸命に作ろうとしている「最高の一言」を記した「栞」はなかなか及第点がもらえませんが、この山のようなたくさんの失敗作も物語りの終盤に重要なものとして登場します。
「赤い」「栞」が結ぶ今と昔の恋の物語りです。
今を生きる若者のそれぞれの手にある「栞」はどんな経緯でその手に届いたのでしょう。
主人公以外の登場する人物にも皆それぞれの物語を持っているように感じます。
今回語られなかったその人達のお話しをまた読ませてもらいたいなと思いました。
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文示様作
『薔薇の栞』より
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