『ENDING NOTE』
「さて、何から書こうか。」
「私」は机にお気に入りに「ノート」を広げます。
「ノート」は「病院の帰り道、駅前の本屋で」買ったようです。
何か病が見つかったのでしょうか。
少し気になる導入部です。
「さて、何から書こうか。」
繰り返されるこの言葉が全体にゆったりとしたリズムを作っています。
「ノート」に書くべきことを思いつつ、「私」は過去を振り返り、今を思います。
それはいろいろ波風があったにしても、とてもいい時間を生きてきたのだなと思わせます。
お気に入りの「ガラスぺン」を好きな色の「インク」に浸して「癖の強い」「文字」で書かれるのは、これからの夢と短い「娘への手紙」のようです。
お気に入りの「ノート」にお揃いのマグカップ。
キラキラと光を呼ぶガラスペン。
深い緑色のインク。
庭の様子。
空の色。
ひとり座る机。
描かれる時間はゆったりと流れ、季節の花の香りも漂っていそうです。
「ガラスペン」「緑のインク」から想起される軽やかで輝きのあるイメージが全体に明るさを加えているように思います。
空間が全て愛しい「娘」へと繋がっている感覚。
このような心持ちで「エンディング ノート」に向かうことが出来たら、素敵なことだと思わせてくれます。
**************
一帆様作
『ENDING NOTE』より
ENDING NOTE
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます