『ENDING NOTE』

 「さて、何から書こうか。」

「私」は机にお気に入りに「ノート」を広げます。

「ノート」は「病院の帰り道、駅前の本屋で」買ったようです。

何か病が見つかったのでしょうか。

少し気になる導入部です。


「さて、何から書こうか。」

繰り返されるこの言葉が全体にゆったりとしたリズムを作っています。 

「ノート」に書くべきことを思いつつ、「私」は過去を振り返り、今を思います。

それはいろいろ波風があったにしても、とてもいい時間を生きてきたのだなと思わせます。


 お気に入りの「ガラスぺン」を好きな色の「インク」に浸して「癖の強い」「文字」で書かれるのは、これからの夢と短い「娘への手紙」のようです。


 お気に入りの「ノート」にお揃いのマグカップ。

キラキラと光を呼ぶガラスペン。

深い緑色のインク。

庭の様子。

空の色。

ひとり座る机。


 描かれる時間はゆったりと流れ、季節の花の香りも漂っていそうです。

「ガラスペン」「緑のインク」から想起される軽やかで輝きのあるイメージが全体に明るさを加えているように思います。

空間が全て愛しい「娘」へと繋がっている感覚。

このような心持ちで「エンディング ノート」に向かうことが出来たら、素敵なことだと思わせてくれます。



**************


一帆様作

『ENDING NOTE』より

ENDING NOTE

https://kakuyomu.jp/works/16817330654608545349

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