『教室のエトランゼ』
主人公の「片桐歳三」は「幼い頃は」「可愛がられ」ていたのですが「いつしか教室の隅っこに目立たない様に身を縮こませているよう」な中学生になってしまいました。
そんな「片桐歳三」こと「僕」は明日に卒業式を控えています。
「高校生になったら、僕は変わるんだ」そう思いつつ。
どうやらそんな「僕」の日課は「図書館」通いです。
「昼休みや放課後、部活もせずに、僕はずっと図書室へ通って」いるのです。
その理由は、「そこでよく見かける女生徒に恋をしていたから」なのです。
「僕」は最後の日に図書館で彼女の落とし物「生徒手帳」を拾います。
「手帳」を何とか「彼女」にかえそうとするのですが、「身を縮こませ」るように学生生活を送っている「僕」のは、なかなかハードルが高いのです。
違うクラスの「彼女」に声をかける「勇気」の出ないまま、そして「手帳」を「僕のモノにしたいという」わずかな望みもあって、持ち帰ってしまいまうのです。
翌日は「卒業式」。
最後の日に、それでも「手帳」を返しに行った「僕」。
「手帳」を返したことで、「僕」は辛い思いをすることになってしましす。
もし、この時「彼女」と二人だけなら違った結末になっていたかもしれません。
しかし、子どもというモノは群れになると残酷なものです。
その結果、「僕」のほのかな恋心は「憎らしいという想いの方が勝っ」てしまうのでした。
卒業式の後三々五々集まって談笑する「友達の輪」を尻目に校門に進む「僕」。
「僕」の心に生まれた何かが「次第に渦を巻き、どす黒く、僕の全身を覆った」時、その思いに応えるように吹いた「春一番」。
その時「僕」が見てしまったものは?
『教室のエトランゼ』というタイトルから、誰が「エトランゼ(異邦人)」なのだろうと疑問をまず持ちました。
読んでわかりました。
「エトランゼ」は主人公の「僕」だったのです。
「僕」の高校生活が明るく楽しく、心に軋みのない生活になることを祈ります。
(きっと続編があるはず!と思いつつ)
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風鈴様作
『教室のエトランゼ』より
春一番
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