『つややかに光る』

 「私の到着により、美鞍山は春を迎えました。」

お話しは「春の精」の語りで進みます。

キャッチコピーにもありますが、これは「春の精と桜守の」美しく切ない恋の「お話です」。


 「前任者の冬の精の不手際で開花が遅れていた」桜を気にしていた「春の精」は、この時「山の桜守」から声をかけられます。

本来なら見えないはずの「私」が「見えている」ことに驚く「春の精」。

咄嗟に「山奉行」の娘のふりをするのです。


「桜茶」のため「桜の花」を「木から木へと巡って」摘む途中「桜守」が一度落ちかけたのを見た「私は」、「一人にしておいてはいけないという」気持ちから彼の後をついて回ります。


 その後「春の精」は「桜守」のところに通い「桜茶、桜の花の塩漬け」や「桜のしずく飴を作」る作業を眺め、手伝います。

「桜の塩漬け」「飴」の作り方も物語りのなかで丁寧に描写されています。

これほど手間のかかるものなのかと驚くほどです。

そしてこの「桜のしずく飴」がとてもとても大切なアイテムなのです。


 「透明な飴の中で」「まるで生き」ているように「花開」く「一輪の桜」。


 「春の精」が「桜のしずく飴」を「口に含」んだとき広がったものは「とろりとした甘さ」だけではありませんでした。

「飴」の中に閉じ込められていたものは?

ぜひご自分で確認してみてください。



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oxygendes様作

『つややかに光る』

https://kakuyomu.jp/works/16817139557379338467



『つぼみほころぶ』

(こちらは「つややかに光る」のB面のようなお話しです)

https://kakuyomu.jp/works/16816927862035566521

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