『謎解きはスイーツのように』
読後の感想を一言でいえば、「スマート」です。
早朝店に出すケーキを作りつつ、常連の持ち込んだ『相談』事を面倒そうにでもキチンと解決してしまう。
しかも解決に繋がるのヒントは、作っているケーキ。
実に「スマート」。
さてこの店主、「私」の朝は「店の掃除から始ま」ります。
「掃除」の後は「新聞を開き、朝のコーヒー」を楽しみつつ「日替わりで一種類しか出さない」ケーキを何にするのか「考え」るのです。
本日の材料は「知り合いのリンゴ農家」から送られてきた「リンゴ」。
「今日のケーキはタルト・タタンに決定」しました。
この後「タルト・タタン」を作り始めたタイミングで来客があります。
「店の近くに住んでいる女子高生で、何かにつけては週に一度のペースで開店前に乗り込んできては私に『相談』を持ちかけてくる」のだそうです。
お話しはこの後、丁寧な「タルト・タタン」作りと、ザックリとした『相談』が同時進行していくのです。
集中してタイミングを計りつつ進んでいく「タルト・タタン」作り。
話し半分に聞き流しているように見える『相談』事。
この時の調理と「謎解き」のバランスのさじ加減が、絶妙で面白いのです。
やがて「タルト・タタン」は焼き上がり、『相談』事には納得できる説明がなされて「女子高生」は無事に登校。
「私」は「朝から疲れ」たものの「ドアにOPENの札をかけ」たのでした。
さて、どんな『相談』が持ち込まれたのでしょう?
それは、どうぞ本作品をご覧ください。
そして何故そんなことになったのか、一緒に考えてみませんか。
タイトルが「タルト・タ譚」というのも素敵でした。
第2話はどんなタイトルになるのかも楽しみです。
◇ ◇ ◇
印田文明様作
『謎解きはスイーツのように』
第1話 タルト・タ譚
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