第4話 倉庫


「ん?錆びてるのか?」


鍵を回し、開くはずのドアが力を込めてもなかなか開かない。

今度は思いっきり力を込める。


カラーン、、、。


ドアが開くと同時に、金属音が響いた。


「なんだ、、、これ?」


庭は半分は土だが、半分はコンクリートになっている。

雑草対策で、倉庫の下はコンクリートにしたと聞いたことがある。

コンクリートには錆びた釘が転がっていた。

これが金属音の正体だったようだ。

親父は倉庫に釘を打ち付けていた。


「だから、開かなかったのか、、、。」


釘を拾い、改めて倉庫の中身を確認する。

灯油用のポリタンク、盆栽の道具、脚立、壊れたテレビなど様々だった。

倉庫の棚の上を確認した時、黒い袋が目に入った。

中身を見るために外に出す。


黒い袋はビニール袋で、市の指定ゴミ袋くらいの大きさだった。

重い物が入ってるいるかも、、、と覚悟したが、軽かった。


「うわ、、、。」


袋の中のカビ臭さに、顔をしかめる。

酷い匂いだ。


中身は畳まれたブルーシートだった。

花見や、ピクニックで使うような物で、畳まれた厚さを見ると、大人数で座れるくらい大きかった。


「ん?うわああ!!!!!??」


僕は声を上げ、袋ごと地面に投げ捨てた。

袋がドサっと落ちる。

先程まで軽いと思っていた袋が、急に重たく感じた。


畳まれたブルーシートの折り目に入っていたのは、包丁だった。

刃全体が錆で茶色くなっている。


「なにやってんだよ、、、父さん、、、。」


錆びた包丁、カビたブルーシート、倉庫内の不要な物を処分しようとしていたのだろう。

捨て方の違う物は同じ袋に入れないでほしい。

認知症が始まってから処分しようとしたのか?


とりあえず袋を倉庫にそのまま戻した。

同じ処分方法の物と一緒に処分することにしたのだ。


最後の最後に最悪なサプライズをプレゼントされ、疲れが増した気がした。









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