第11話 人形の恋
古い日本家屋の奥座敷。どこかひんやりとした空気が流れるそこに飾られた人形たちが、さわさわと
その時微かに足音が聞こえ、囁き声は一瞬で消え去った。静寂の中にぱたぱたと軽い足音だけが響く。
「おかあさん、早く早く!」
「走っちゃだめよ。また怪我をしたら、お姫様が可哀想でしょう?」
小さな女の子の手の中には、恋焦がれた女雛の姿があって。男雛の瞳が輝いた。潤んだ瞳と視線が絡まりあう。三人官女の安堵の溜息は、母娘の耳に届くことはなかった。
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