第7話 月に酔う
もう何回目のデートだろう。それでも毎回緊張してしまう。今日は月が綺麗に見えるらしいよと苦しい理由をつけた。君はすぐに返事をくれて、安堵のあまりしゃがみ込む。
自宅の狭いベランダに椅子と台を用意して、ドキドキしながら君を待つ。
やがて君が訪ねて来て、ふたり静かに月を眺めた。
月見酒なら日本酒だろうと安易なセッティング。
目が合ってふわりと笑みが零れたけれど、君はすぐに月へと視線を戻す。僕と同じ色の頬。そっと唇で触れてしまう。
君と僕、ふたりで月に酔ったみたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます