第201話 愛と憎しみは表裏一体

 よっしゃぁ、勝ったぜ!!

 祝杯を挙げよう!!!


 と思っていたのだが、残念ながら、世の中はそんなに甘くはなかった。


「お前たちが、お前たちが、超社長を殺したんだなオイオラァ!!!」

「よくも、よくも、よくもワタシの超社長をアァオラァ!!」

「あははははははははっ!!超社長、あなたのかたきを討って、私もそちらに向かいましょうテメェオラァ!!」


 女性型バニーモンスターたちが、俺たちの方を向いてそう叫んだ。


 えーと、まあ、確かにその通りだよなぁ。


 うん、俺たちは超社長の仇になるよな。


「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!ぶっ殺してやるぜオイゴラァ!!」

「さあ、死にましょうアァゴラァ!超社長にあの世でお詫びしましょうアァゴラァ!!」

「ああ、超社長、あいつらをあなたの元に送りますわテメェゴラァ!存分に恨みを晴らしてくださいねテメェゴラァ!!」


 女性型バニーモンスターたちの大群が、いっせいに襲いかかってきた!?


 ぎゃあああああああああああああっ!?


 数が多過ぎるって!?


 とりあえず、退こう!!


 ヘリコプターフライ以外をカードに戻して、空を飛んで逃げた。



「待ちやがれオンドリャァ!!」

「さっさと殺させろオラオラァ!!」

「いつまでも逃げてんじゃねぇぞオルアァ!!我々と戦えオルアァ!!」


 うぎゃああああああああああああっ!!


 女性型バニーモンスターたちの大群が、どこまでも追って来るぞ!?


 恐ろし過ぎる光景だ!?


 恋愛関係のトラブルはヤバ過ぎる!!


 どうしよう!?


「トウヤ、我を召喚しろ!バニーモンスターごとき、我が奥義で吹き飛ばしてくれるわ!!」


「トウヤ、俺も手伝うぜ!あんな狂ってる連中、燃やしてやるぜ!!」


「分かった、頼むぞ!!」


 骸王とヘーマンを召喚した。


「受けよ、奥義、武神剣刀槍斧矢苦無爆弾!!」


「こいつもくらいやがれぇぇぇ!!」


 剣、刀、槍、斧、矢、苦無型の爆弾と炎が、女性型バニーモンスターたちの大群に向かって行った。


 そして、あたりに爆音が鳴り響いた。


 やったか!?


「この程度で倒せると思わないでくださいコラァ!!!」

「あたしの恨みが、この程度の攻撃に負けるわけないでしょオラァ!!」

「わたくしはまだ死んでませんわゴラァ!!」


 な、なんだと!?


 1体も倒せていないだと!?


 こいつら強過ぎだろ!?


「ならば、今一度受けよ、奥義、武神剣刀槍斧爆弾、武神矢苦無爆弾、武神剣刀槍斧矢苦無爆弾!!」


「俺の炎もくらいやがれぇぇぇ!!」


 大量の爆弾と炎が、女性型バニーモンスターたちの大群に襲いかかって行った。


 だが、女性型バニーモンスターたちを倒すことはできなかった。


 なんであれで1体も倒せないんだよっ!?


 どういう体をしているんだ!?


 いったいどうすれば良いんだよっ!?



「だったら、俺様の魔法もくらわせてやるぜ!」


「トウヤの兄さん、あっしの魔法もくらわせてやりましょう!」


 ヘリコプターフライとヒトクがそう言った。


「ああ、分かった!頼んだぞ!!」


 ヒトクを召喚した。


「ひこう魔法2連発をくらえ!!」


 ヘリコプターフライが罷工飛行魔法、非行飛行魔法を使用したようだ。


「カイ・ザンデッチアゲネ・ツゾウワイ・キョクギソウ!!」


 ヒトクも奥義を使用したようだ。


「うおおおおおっ!ぶっ殺してやるオイコラァ!!」

「超社長の仇ぃぃアァコラァ!!!」

「うふふふふふふふふふっ!!殺してあげますわぁぁテメェコラァ!!」


 だが、何も起きなかった。


「効かねぇみたいだな!やるじゃねぇか!うひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」


 ヘリコプターフライがいつものテンションで笑っている。


 笑っている場合じゃないっての!


「あいつらヤバ過ぎッスね……」


 ヒトクは意気消沈してしまった。


 しょげてる場合じゃないって!?


 ああ、もう、どうすれば良いんだよ!?



「トウヤ、怒浮気力コントロール装置が作動したままなのではないか?」


 カオスに指摘された。


 あっ、そういえば、そうだった!


 忘れていたぞ!?


 なんということだ!?


 さっさと停止させよう!


 いや、この場合は怒浮気力を減衰させた方が良いか。


 俺は怒浮気力コントロール装置の白のボタンを押した。


 怒浮気力コントロール装置のハートが白くなっていった。


 これであいつらの怒りが収まってくれるのかな?


「殺す、殺す、殺すオイオラァ!!!!」

「ぶっ殺すから、さっさと止まりなさいアァオラァ!!」

「追いかけっこ楽しいですねテメェオラァ!捕まえたら、ぶっ殺して差し上げましょうテメェオラァ!!あははははははははっ!!!」


 全然ダメでしたぁぁぁ!!!


 あれは、もう怒浮気力ではないのかもしれないな!



 あっ、そうだ!!

 こうなったら、ダンジョンに逃げ込もう!


 そして、ほとぼりが冷めるまで、ダンジョンにこもっていよう!!


 骸王、ヘーマン、ヒトクをカードに戻した。


 そして、星間転移おろし金を使用し、黒い円を出現させ、中に入った。



 ダンジョンの1階にやって来た。


 よし、後は黒い円を閉じてと。


 ふう、これでやっとひと息つけるな。


「トウヤさん、ここの5階に黒い円がありますよ。そこから入ってくるかもしれませんよ」


 SIBINに指摘された。


 ああっ、そういえば、そうだった!!


 急いで閉めないと!!


 俺はヘリコプターフライをカードに戻し、ダンジョンの5階まで全速力で走った。



 よし、着いた!


 まだ女性型バニーモンスターたちは入ってきていないようだ。


 俺はヒトクを召喚し、黒い円を閉じてもらった。


 こ、これで、ひと安心なのかな?


 もう大丈夫だよな?


 そうであってくれよ!!

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