第196話 過ちを清算する時がきた?
「トウヤ、合流しよう。バニーモンスターのいない場所に行ってくれ」
イネカから念話がきた。
では、裏路地にでも入ろうか。
裏路地にやって来た。
そして、イネカと合流した。
「お疲れさん、イネカ。どうだった?」
「女性型のバニーモンスターたちが愚痴を言っていたぞ」
イネカも俺と同様の話を聞いたそうだ。
「城には行ってみたか?」
「内部に潜入してはいない。手前までは行ったがな」
「警備の状況はどうだった?」
「驚くほど隙だらけだったぞ。見張りもいなかったしな。変装していれば問題なく入れそうだった」
「そうなのか。油断しているのかな?」
「そうかもしれないし、ワナかもしれない。拙者たちは油断しないようにしよう」
「そうだな」
さて、超社長を倒すための作戦を練ろうか。
まずは状況を整理しよう。
超社長は城にいる。
城に見張りはいない。
毎日女性型バニーモンスター複数体が、城に招待されている。
女性型バニーモンスターたちは、浮気性の超社長に不満がある。
そして、俺たちは『怒浮気力コントロール装置』という、とんでもない発明品を所持している!!!!!
というわけだな。
これは怒浮気力コントロール装置を使うしかない状況なのではないだろうか?
いや、そう判断するのは早計だな。
そもそもこの装置を使ったら、どんなことが起こるんだ?
うまいこと女性型バニーモンスターたちが、超社長を攻撃してくれるのか?
うーむ、よく分からんなぁ。
そういえば、怒浮気力コントロール装置をよく調べてはいなかったな。
使う機会があるとは思わなかったからなぁ。
よし、せっかくだし調べてみるか!
アビスを召喚し、怒浮気力コントロール装置を取り出してもらった。
では、この装置を使用したら何が起こるのか、官邸に聞いてみよう。
「総理!ここで怒浮気力コントロール装置を使用した場合、何が起こりますか!?」
「えー、怒浮気力を増幅させた場合は不明です。減衰させた場合は不満が消えて、平和になりそうですね」
「不明なのか?」
「怒浮気力をどれだけ増幅させようと、どのような行動を取るかは、その個体の思想や性格で決まるため不明とさせていただきます」
そうなのか。
結局使ってみなければ、何が起こるか分からないわけか。
さて、どうしよう?
物は試しということで、使ってみようか?
ちょっとみんなと相談してみよう。
「使ってみれば良いのではないか?」
ラビリンがそう言った。
「なぜそう思うんだ?」
「怒浮気力を増幅させて、ワシらに不都合なことがあるのか?特にないはずじゃ」
「確かに何も思い付かないな」
女性型バニーモンスターが暴れ出したら好都合だし、何も起きなくても問題ではないよな。
「なら、使ってみようか。反対意見のある者はいるか?」
誰もいないようだ。
では、使用してみようか。
浮気者の超社長め、こいつでひどい目に遭いやがれ!!
では、起動せよ、怒浮気力コントロール装置!!
と言いたいところだったが、使い方が分からなかった。
官邸に聞いてみよう。
「総理!怒浮気力コントロール装置の使い方を教えてください!」
「えー、ステッキの上部にボタンがあります」
ボタン?
おっ、確かにハートのすぐ下に、黒、緑、白の3色のボタンがあるぞ。
「黒いボタンを押すと、怒浮気力が増幅します。緑のボタンは装置の停止ボタンです。白のボタンは怒浮気力を減衰させます」
そうなのか。
では、黒いボタンを押そう!!
ポチッとな!!
おっ、怒浮気力コントロール装置のハートの部分が黒くなってきたぞ。
これで増幅されるのか。
さて、何が起こるのだろうな?
そういえば、この装置の効果が及ぶ範囲はどのくらいなんだ?
「総理!怒浮気力コントロール装置の効果範囲を教えてください!」
「えー、装置を中心に半径10キロ圏内です」
そうなのか。
結構範囲が広いんだな。
おや?
なんだか表通りの方が騒がしくなってきたぞ。
装置の効果が出たのか?
ちょっと行ってみよう。
「あああああああっ!!浮気が憎いですのコラァ!!!」
「浮気者は最低だオラァ!!ぶっ殺してやるぜオラァ!!」
「ああ、わたくしの超社長ゴラァ…… あなたを殺してわたくしのものにしますわゴラァ……」
表通りで女性型バニーモンスターたちが叫んでいた。
おおっ!!
これは効果が出ているようだな!!
「うああああああああああっ!!もう我慢ならねぇオイコラァ!!城に乗り込むぜオイコラァ!!」
「浮気殺す、浮気殺す、浮気殺す、浮気殺す、浮気殺す、浮気者は殺してやるアァコラァ!!!」
「うふふふふふふふふふっ!!あなたが悪いのですよ、超社長テメェコラァ!私の心を弄ぶからですよテメェコラァ!!」
女性型バニーモンスターたちが叫びながら、続々と城の方へ走って行くぞ。
これはチャンスだな!
俺たちも城へ行こう!
「浮気に死を、浮気に死を、浮気に死を、浮気者に死の罰をオイオラァ!!!!」
「ワタシ以外の女を見るから浮気に走るのよ、超社長アァオラァ!!今他の女を見れないようにしてあげるわアァオラァ!!」
「ああ、超社長、私と一緒に死にましょうテメェオラァ!!あははははははははははははははっ!!」
どんどん女性型バニーモンスターたちが増えていくぞ!?
効き目すご過ぎないか!?
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