第91話 VS7階のボス

 7階のボス部屋の前にやって来た。


 今度こそバニー柄クッキーをぶっ倒してやるぜ!!


 と言いたいところだが、倒し方が分からない現状では難しいと思われる。


 そこで今回は、ヒトクに弱点を調べてもらうことを最優先にしようと思う。


 では、具体的にどのように行動しようか?


 そういえば、秘匿魔法で弱点を見つけ出すのに、どのくらいの時間がかかるのだろうか?


 ちょっと聞いてみよう。


「時間ッスか?相手次第としか言いようがありませんねぇ」


 ヒトクがそう答えた。


 分からないのか。


 なら、長時間かかる可能性を計算に入れて作戦を決めないとな。


 さて、どうするか?


 また戦闘要員を可能な限り召喚して、魔法が成功するまで時間を稼ごうか?


 それくらいしか思い付かないな。


 よし、この案を採用しよう。


 では、誰が戦うか?


 前に戦ったメンバーで良いかな?


 みんなに聞いてみよう。


「我は構わんぞ」


「私も良いですよ」


 みんなから了承を得たぞ。


 では、召喚しよう。


 骸王、ダブルクリーナーヘッド、SIBIN、ヤマさん、ルギデル、ヒトクが出て来た。


 よし、行こうか!


 扉を開けて、中に入った。


 もちろん、扉が勝手に閉まらないようにするため、その辺に落ちていた石で固定した。


 逃げる準備は万全である。



 部屋には、もう見飽きている巨大クッキーが積み重なっている。


 バニー柄クッキーさんはお元気そうで、大変不都合ですね。


 ああ、やれやれだな。


 と文句を言っても仕方ないか。


 作戦を開始しよう。


 では、秘匿魔法を使ってもらおうか。


「ヒトク、頼んだぞ!」


「分かりましたよ」


 ヒトクがそう言った後、黙り込んでしまった。


 これは秘匿魔法を使っているのか?


 秘匿魔法には呪文のようなものはないようだ。


 むっ、バニー柄クッキーが一斉に飛んで来たぞ!?


 秘匿魔法を使っているのがバレようだな。


「では、全員散開して、バニー柄クッキーを近付けないようにするんだ!」


「うむ」


「分かりました」


 みんなが適度に間隔を取って戦い始めた。


 さあ、俺も戦おう!


 俺は飛んで来たバニー柄クッキーを、次々と斬っていった。



 くそっ、何回でも再生しやがる!?


 相変わらず、面倒な敵だな!


 そういえば、こいつを食べたらどうなるのだろうか?


 こいつ、見た目は美味しそうなんだよな。


 食べてみようか?


 いや、そんなことをしたら腹を突き破られて、ひどい目に遭いそうだな。


 うん、やめておこう。


 余計なことはせず、大人しく時間稼ぎに徹しよう。



 長時間戦いっぱなしで、疲れてきたぞ。


 みんなも疲れてきているように見える。


 秘匿魔法は、まだ成功しないのか!?


「トウヤの兄さん、分かりましたぜ!」


「何が分かったんだ!?」


「この部屋には、あのクッキーの他にも敵がいるようッスよ!」


「そいつがボスの弱点なのか!?」


「ええ、おそらくそう思いますよ」


 なるほど、そいつがクッキーを再生させている、バニー柄クッキーの本体のようなものなのだろう。


 状況から考えて、そうとしか思えないよな。


 よし、そいつを倒そう!


「そいつは今どこにいるんだ?」


「部屋の中を動いているようッスね」


 動いているのか!?


 なら、見つけることができるヒトクが倒すのが最善か?


「ヒトク、そいつを倒せそうか?」


「なんとかやってみますぜ」


 なら、本体を倒し行ってもらおう!


「トウヤさん、そろそろ私たちも限界ですよ!今回は退却しましょう!」


 と思ったが、SIBINにそう言われた。


 くっ、限界か。


 仕方ない、今回はここまでにしよう。


「分かった、みんな逃げるぞ!」


 俺たちは速やかに退却した。



 ボス部屋の外に出た。


 みんなも無事脱出できたようだ、良かった。


 では、休憩しながら、作戦会議をしようか。


 まずはヒトクにボスの本体について聞いてみよう。


「ボスの本体についてッスか?そうッスね。ものすごく小さいヤツでしたよ」


「小さいのか?どのくらいの大きさなんだ?」


「正確な大きさは不明ッスね。ただ、狭い岩の隙間に入り込もうとしていましたよ」


 そのくらいの大きさなのか。


 小さ目の虫みたいな感じなのか?


「他に分かったことはないか?」


「後は素早いこと、壁を走ることができること、敵から逃げ回るように移動していることくらいッスね」


 小さくて、素早くて、壁を走れて、逃げ回るのか。


 さらに再生する巨大クッキーを大量に飛ばしてくると。


 厄介なヤツだな!?


 そんなヤツを、どうやって倒そうか?


「吸引魔法なら倒せそう」


 ダブルクリーナーヘッドがそう言った。


「おおっ、倒せそうなのか?」


「ボスを見つければできそう」


 なるほど、ダブルクリーナーヘッドがボスの本体を視認すれば、吸引魔法で吸い込めるということか。


 では、どうやって見つけるかだな。


 クッキーと戦う班と、ボスの本体を探す班に別れて行動するか?


 それが良さそうだな。


 では、誰をどの班にしようか?


 戦う班は先程のメンバーで良さそうだな。


 探す班はダブルクリーナーヘッドとヒトクと……


「拙者も手伝おう」


「おれっちもやるぜ!」


 イネカとツシタが参加を表明した。


 素早いイネカと望遠魔法の使い手のツシタなら、うってつけだな。


 俺はどちらに参加しようか?


 俺も探すのを手伝うか。


 ボスの本体を見てみたいし。


 よし、作戦は決まったな。


 もう少し休憩したら、出撃するとしようか。

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