第89話 エビもいる

 ヒトクにバニー柄クッキーのことを話し、意見を求めた。


「そうッスねぇ。あっしの魔法ならどうにかできるかもしれませんよ」


 おおっ、やれそうなのか!


 よし、7階に行ってみよう!


 ヒトクをカードに戻して、腰に貼った。



 だが、その前に後始末をしないとな。


 バニー竹ゴールドを解体して、金を入手しなければ!!


 カオスを召喚して、リサイクル魔法で金を集めてもらおう。


 あ、そういえば、根にも金は含まれているのかな?


 可能性はありそうだ。


 ロケットフライに根を掘り出してもらおう。


「かしこまりました」


 ロケットフライが地面を掘り出した。


 さて、俺は倒れているバニー竹ゴールドを解体して、カオスに渡そう。



「任務完了しました」


 ロケットフライがバニー竹ゴールドの根を掘り起こした。


 おおっ、これはデカいな!?


 ジャガイモみたいな外見の根だ。


 竹なのに芋ができるのか?


 まあ、地球の竹とは明らかに違うものだし、できたとしても不思議ではないか。


 根の直径は5メートルくらいだな。


 ロケットフライが開けたと思われる、直径1メートルくらいの大きな穴がある。


 そして、その球根から太さ1メートルくらいの長い根が多数伸びている。


 あそこから竹が生えていたのだろう。



 では、根を切ってみよう。


 中もジャガイモのような見た目だが、所々金色に光っている。


 やはりここにも金が含まれているようだ。


 掘り出したのは正解だったな!


 よし、これもリサイクルしてもらおう。


 根を切り分けて、カオスに渡した。



「うおおおおおおおおっ、ふんっ!!うむ、完成したぞ」


 カオスから金塊を受け取った。


 ついでに竹の塊も受け取った。


 おおっ、金だよ、金!!


 結構重たいぞ!!


 こんな塊、初めて見たな!!


 縦55センチくらい、横50センチくらい、高さ20センチくらいだな。


 これはどのくらいの重さがあるのだろうか!?


 ちょっと官邸に聞いてみよう。


「総理!この金塊はどのくらいの重さですか!?」


「えー、10キログラムです」


 10キロもあるのかよっ!?


 いくらぐらいで売れるのだろうか!?


 楽しみだな!


 まあ、地球が無事ならの話だがな。


 地球の人たちが、バニーモンスターを速やかに排除できますように!


 と祈っておこうか。


 効果はなさそうだけど。


 さて、これで後始末は終わったな。


 少し休憩したら、7階に行こう。



 7階のボス部屋の前にやって来た。


 では、ヒトクを召喚して、行ってみようか!


 扉を開けて、中に入った。


 当然、扉は開けっぱなしにしてある。


 逃げる準備は完璧だ。



 はい、退却!


 残念ながら、退却しました。


 ヒトクが隠されているものを見つけ出す前に、大量のクッキーが飛んで来て、逃げざるを得なくなったのだ。


「トウヤの兄さん、これはレベルを上げた方が良いッスよ」


「えっ?上げるとどうなるんだ?」


「秘匿魔法の精度や範囲が上がると思うッスよ。多分ッスけど」


「そうなのか。なら、レベル上げをしようか」


 というわけで、またレベル上げをするために8階へ向かった。



 8階にやって来た。


 では、探索を続けながら、レベル上げだな。



 この部屋の中には、何かいないかな?


 何もいないな。


 敷物の下もチェックしないとな。


 むっ、またカードがあったぞ。


 今度のカードは黒と薄い茶色の縞模様だ。


 初めて見る配色のカードだ。


 あれはなんなのだろうか?


 ワナか?

 それとも何か有益なカードなのか?


 調べてみるか。


 とりあえず、刀で突いてみよう。


 突いたら、いつも通り光り出した。


 そして、バニーちょんまげ西洋甲冑が出現した。


 またこいつが出るワナだったのか。


 おや?

 持っているものが違うぞ。


 こいつは大きなエビの尻尾のようなものを2本持っている。


 長さ1メートルくらい、色はカードと同じ縞模様だ。


 エビの尻尾の二刀流か、いまいちカッコ良くないな。


 ところで、持っているものが違うということは、こいつは違う個体なのか?


 それとも武器が違うだけなのか?


 後で鑑定してもらおうか。


 今は戦闘に集中しよう。



 バニーちょんまげ西洋甲冑が仕掛けて来た。


 速さは今までのと変わらないな。


 攻撃パターンも同じような感じだ。


 持っているものが違うだけで、バニーちょんまげ西洋甲冑であることに変わりはないようだ。


 さっさと倒してしまおう。


 バニーちょんまげ西洋甲冑を斬って倒した。


 ロケットフライとヒトクのカードの分だけ、パワーアップしているから、もうこいつには楽に勝てるぞ。



 では、鑑定してもらおう。


「総理!このバニーモンスターと、カニのハサミを持ったバニーちょんまげ西洋甲冑の違いを教えてください!」


「えー、持っているものと、味と食感が違います。カニのハサミを持ったものとよく似ていますが、別種のバニーモンスターです」


 別種だったのか。


 しかも、味も食感も違うのか。


 せっかくだし、食べてみようか。


 甲冑をむいた。


 すると、薄いピンク色の身が出てきた。


 見た目は甘エビの刺身のようだな。


 では、食べてみよう、いただきます。


 おっ、うまい!


 甘エビみたいな味と食感がする。


 甘くてプリプリしていて、とても美味しいな。


 そういえば、こいつのちょんまげもエイエンノ・ジュウナ・ナサイトイッテソウなのか?


「総理!このカツラはなんですか!?」


「えー、エイエンノ・ジュウナ・ナサイトイッテソウです」


 これもなのか。


 なら、食べておこう。


 ここはカニ味なんだな。


 カニとエビを食べることができて、ちょっと得した気分だな。


 ふう、食った食った。


 ごちそうさま。


 少し食休みをしたら、出発しようか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る