第79話 スタートに戻る
寝転がりながら、周囲を見回す。
今はダンジョン1階のスタート地点にいるようだ。
官邸の言った通りの能力のようだな。
ふう、それにしても、疲れたな。
うぐっ、気を抜いたら、左肩が痛くなってきたぞ。
そういえば、殴られたんだったな。
骨が折れているわけではないようだが、放っておくわけにもいかないみたいだな。
仕方ない、気は進まないけど、アレで治療してもらおうか。
おっと、その前に紙袋を脱ぐか。
治療の邪魔だしな。
あ、紙袋がボロボロになっているぞ。
バニードラゴンマスクの攻撃が、何度もかすってしまったからな。
まあ、今は着る必要がないから、問題はないけどな。
こいつはまた使うかもしれないから、後でカオスに直してもらうとしよう。
では、治療してもらおうか。
SIBINを召喚し、黄色い癒しの水をかけてもらった。
相変わらず、生ぬるいし、ビジュアルがアレだから、気分はあまりよろしくないな。
しばらくすると、痛みが取れた。
効き目はすごいよな。
見た目はアレだけど。
SIBINに礼を言って、カードに戻した。
さて、今後のことを考えようか。
それにしても、日本はひどい有様だった。
確認できなかったが、他の国もあんな感じなのかな?
どうなんだろうか?
もしそうだとすると、もう地球には住めないのではないか?
他の星に移住することを考えるべきなのか?
だが、行くことができる星にも、バニーモンスターがいるからなぁ。
どこも、そんなに変わらないのかもしれないな。
はぁ、これからどうしようか?
ちょっとみんなにも意見を聞いてみようか。
「決まっているだろう、超社長を倒しに行くのだ!」
骸王が断言した。
言うと思ったよ。
「今すぐにではなかろうが、いずれは戦うことになると思うぞ。逃げ場がなさそうじゃからな」
ラビリンがそう言った。
「俺もそう思うぜ!」
「そうですね。私もそう思います」
ラビリンの意見に、みんなが賛同した。
ええー、そうなるのか?
って、現状ではそうなるよな。
連中は星を征服するのが、目的みたいだしな。
「というわけで、修行した方が良いと思いますよ。まずはダンジョンの攻略を再開しましょう」
SIBINが提案してきた。
他のみんなも賛成のようだ。
こうなったら仕方ないか、ダンジョン攻略を再開しよう。
明日から。
今日は疲れたからな。
というわけで、寝るか、おやすみなさい。
おはようございます。
1日経過したから、切り札が使えるようになったぞ。
では、改めてダンジョン攻略を再開しよう。
ええと、どこまで攻略してたっけ?
マップを見てみよう。
ああ、思い出した、確か6階の探索中だったな。
よし、出発しようか。
6階に着いた。
相変わらずの竹林だな。
あ、そうだ、ここでは盾を上に構えておく必要があったな。
アビスに盾を出してもらった。
では、探索開始だ。
出て来たバニーモンスターたちを倒しながら、先に進んで行く。
おっ、上りの階段を発見したぞ。
マップに記載しよう。
ここには7階もあるということか。
6階を探索し終えたら、行ってみよう。
では、先に進もう。
あっ、やはりこの階にもあるのか。
ボス部屋の扉を発見したぞ。
デザインは他の階と同じだ。
では、いつも通り少しだけ扉を開けて、中を覗いてみよう。
今回はどんなヤツがいるのかな?
な、なんだあれは!?
太過ぎるだろ!?
部屋の中央に、金色の太い竹が生えていた。
長さは20メートル以上ありそうだな。
太さは1メートルくらいだ。
ウサギの耳が付いているのだろうか?
天辺がよく見えないから分からないな。
まあ、おそらくいつも通り付いているのだろう。
多分。
あれは『バニー竹ゴールド』とでも呼ぼうか。
他には何かないかな?
部屋の中には、バニー竹ゴールドがいるだけだな。
後は普通の洞窟の大部屋だ、竹も草は生えていない。
さて、どうするか?
試しに手合わせしてみようかな。
今は切り札が使えるし、もしかしたら、あっさりと勝ててしまうかもしれないしな。
よし、行こうか!
扉を開けて、勝手に閉まらないよう落ちていた石で扉を固定した。
これで閉じ込められる心配はないはずだ。
勇気ある撤退の準備は万全だな。
では、中に入ろう。
バニー竹ゴールドの前で、刀を抜き、構えた。
さて、こいつはどんな攻撃をしてくるのだろうか?
ん?
なんだ?
こいつ、だんだんと膨らんでいるぞ!?
えっ!?
これはヤバくないか!?
まさか破裂するのか!?
とりあえず、退避だ!!
俺は部屋の外に飛び出した。
その直後、部屋の中から大きな破裂音が聞こえてきた。
な、なんなんだ、あいつは!?
初手から自爆しやがったのか!?
なんてヤツだ!?
とんでもないな!?
ところで、これってボスを倒したということになるのか?
どうなんだろうか?
部屋に戻って、確認してみよう。
俺は再度部屋に入った。
部屋には、バニー竹ゴールドの破片が大量に落ちていた。
間違いなくバニー竹ゴールドが破裂したようだ。
あ、危なかったな。
破裂に巻き込まれていたら、破片が突き刺さりまくって、死んでいただろう。
さっさと逃げて良かった。
そういえば、この勝負は俺の勝ちで良いのかな?
いまいち釈然としないけど、まあ、良いか。
では、カードを探そう。
ボスを倒したんだし、どこかにあるだろう。
……おかしいな。
カードがないぞ。
どういうことだ?
自爆されるとカードを落とさないのか?
それとも、元々持っていないのか?
何が原因なんだろうな?
「むっ、トウヤ、すぐに部屋を出ろ!」
骸王が突然叫んだ。
俺はすぐに部屋の外に出た。
その直後、また部屋の中から大きな破裂音が聞こえてきた。
今のはなんだ!?
いったいどういうことなんだ!?
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