第71話 後始末と読書

 なんとかバニーダブルマグロに勝てたな。


 みんなお疲れ様。


 では、後始末をしようか。


 そういえば、あの姫様と呼ばれていた方はどうしたのだろうか?


 周辺には誰もいないな。


 おそらく逃げたのだろう。


 無事だと良いけど。


 さて、このバニーダブルマグロはどうしようか?


 売り払うべきか、それとも俺が利用すべきか?


 ちょっと官邸に聞いてみようか。


「総理!このバニーダブルマグロについて教えてください!!」


「えー、魚肉の部分は食用です。栄養豊富でとても美味しいです。生食もできます」


 美味しいのか!


 それは食べてみたいな。


「目玉は煮れば食べられます。内臓も鮮度が良ければ生食できます。どちらも栄養豊富で美味しいですよ」


 目玉まで食べられるのか!?


 今度やってみようかな。


「骨からは非常に美味しい出汁が取れます」


 みそ汁に使うと美味しそうだな。


 時間がかかりそうだけど、やってみようかな?


 あ、ミソがないじゃないか。


 仕方ない、他のスープ料理にするか。


「ヒレの部分は鋭く硬いので加工して使うのも良いかもしれません」


 そいつは危なかったな!?


 戦闘の最中に当たらなくて良かった。


「皮はとても丈夫です。こちらも加工しても良いかもしれません」


 そうなのか。


 今使っているものと、どちらが優れているんだ?


「総理!このバニーダブルマグロとトウヤ氏の装備品の素材は、どちらが優秀ですか!?」


「えー、バニーダブルマグロの方が優秀です」


 さすがはエリート、素材としても優秀なんだな。


 それに不要な部分が全然ないし。


 そういえば、ウサギの耳は何に使えるのだろうか?


「総理!ウサギの耳は何に使えますか!?」


「えー、バニーモンスターに恨みのある人に買い取ってもらえます。破いてストレス解消に使えます。使い道はそのくらいですね」


 耳はそれくらいしかないのかよっ!?


 まあ、まったく使い道がないよりマシか。


 さて、こいつはどうしようか?


 ここは売却せずに、俺が使った方が良いかな?


 うん、そうしよう。


 では、いったんアビスに収納してもらおう。


 加工するのは安全な場所に行ってからにしよう。


 この場所はバニーモンスターの拠点が近くて危険だからな。


 後は、あの姫様が乗っていた馬車みたいな乗り物の残骸だな。


 あれはなんなのだろうか?


 鑑定してもらおう。


「総理!この乗り物はなんですか!?」 


「えー、これは空を飛べないカミブク族が、長距離移動する際に使用する人力車のような乗り物です。主にクリーナ族が、これを持って飛んで移動します」


 なるほど、この星の人力車なのか。


 ところで、これは何で作られているんだ?


 役に立ちそうな素材なのか?


「総理!この人力車は何で作られていますか!?」


「えー、木材です。珍しいものではありません」


 特殊なものではないのか。


 なら、これは放置しておけば良いか。


 勝手に回収して、泥棒扱いされても困るしな。


 よし、これで後始末は終わりだな。


 では、王都の周辺に戻るか。



 王都の近くに戻って来た。


 そろそろ昼飯の時間だな。


 さて、せっかくだし、バニーダブルマグロを食べてみようか。


 人気のない場所で、バニーダブルマグロを解体しよう。


 あんなデカブツを解体していたら、目立つし不審だからな。


 人気のない場所で解体した。


 おっ、こいつは美味しそう赤身だな!


 よし、食べてみるか!


 調味料は塩しかないけどな。


 では、いただきます。


 赤身に塩をかけて食べてみた。


 おおっ!

 濃厚なうま味で美味しいぞ!


 これはご飯が進むぞ!


 今はないけどな!!


 この星に売ってないかな?


 今度探してみようか。


 ふう、食った食った、ごちそうさま。


 食べ切れなかった分は、アビスに収納してもらおう。


 後は皮とヒレを加工してもらおうか。


 新しい刀と服を作ってもらい、着替えた。


 さて、この後どうするかな?


 今日は切り札の身体能力そのまま召喚を使ってしまったから、狩りはやめて図書館で読書の方が良いか。


 また強敵に出くわすとマズいし、そうしよう。



 図書館にやって来た。


 では、本を探すか。


 ええと、必要なのは地図かな?


 古物屋を探す必要があるからな。


 王都内の地図とか、王国内の地図とかないかな?


 あ、世界地図があったぞ。


 見てみるか。


 ほう、この大陸の他にも2つの大陸があるのか。


 北東にあるタボスター大陸と、南東にあるノバタータ大陸か。


 どうやら王国があるようだな。


 そこにもカードが売っているかもしれないな。


 行かなければ。


 他の地図はないかな?


 王国内の地図があったぞ、見てみよう。


 古物屋がありそうな、大きな都市が結構な数あるなぁ。


 これは骨が折れそうだ。


 何か効率の良い探し方はないものか?


 都市を鑑定してもらったら、古物屋の数くらいは分からないかな?


 ちょっとやってもらおうか。


 では、人のいない場所に行こうか。



 人のいない王都の裏道にやって来た。


 では、王都を鑑定してもらおう。


 念のため、声は抑え気味で頼むよ。


「総理、王都に古物屋は何軒ありますか?」


「えー、4軒あります」


 おおっ!!

 分かるのかよっ!!


 さすが官邸、有能だな!!


 その店にカードが売っているかは分かるのか?


「総理、古物屋にカードは売っていますか?」


「えー、それは不明です」


 そこまでは分からないか。


 まあ、仕方ないか。


 後は店に行って探してみよう。


 俺は王都の古物屋を探した。


 すべての店を回ったが、カードは売っていなかった。


 そろそろ日が暮れそうだ。


 今日はここまでにしよう。


 そういえば、無一文だから今日も野宿か。


 ああ、たまにはベッドで寝たいなぁ。

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