第69話 襲われている美女(異星基準)に出くわすというテンプレ
おはようございます。
さて、今日も狩りをしようかな。
お金がなければ、カードを買えないからな。
準備ができ次第、出発しよう。
獲物を求めて、王都の周辺をさまよっている。
うーむ、今日もなかなか獲物が見つからないな。
もっとバニーモンスターの拠点の近くに行けば、獲物がいるかもしれないな。
危険だろうけど、お金のためだ。
行ってみよう。
獲物を探しながら、草原を歩いている。
バニーモンスターはいないかな?
いなくて良い時はいるのに、いて欲しい時はいないんだよな。
「きゃあああああああっ!!」
えっ!?
上の方から悲鳴が聞こえたぞ!?
それも女性のような甲高い声の!?
何かあったのか!?
うおっ!?
俺の近くに何かが落ちて来たぞ!?
なんだあれは!?
落ちた衝撃で半壊して分かりづらいけど、高級な感じの白い馬車みたいな乗り物に見えるぞ。
おっ、中から誰か出て来たぞ。
カミブク族の方だな。
体は白い紙袋で、手足には光沢のある高級そうな生地で作られた、白い服を身に着けている。
良いところのお嬢様なのかな?
「姫様、早く逃げるでヤンスよ!」
カナアミ族の方も出て来たぞ。
こっちは普通の銀色の金網だな。
大きさは直径40センチくらいだ。
ん?
今、姫様って言わなかったか?
なんか厄介事の臭いがするなぁ。
俺も逃げた方が良いのだろうか?
そういえば、なぜあの2人は落ちて来たのだろうか?
その原因くらいは調べた方が良さそうだな。
上に何かいるのか?
俺は空を見上げた。
上空でクリーナ族と大きな何かが戦っているようだ。
空を飛んでいたらバニーモンスターに遭遇したのか?
あっ、クリーナ族の方が体当たりをくらった!?
落下して来るぞ!?
クリーナ族の方は、そのまま地面に叩き付けられた。
そこに大きな魚のようなものが、頭から突っ込んで来た。
そして、地面に激突し、土煙を上げた。
あの魚みたいなヤツはとどめを刺すために、わざわざ頭から地面に突っ込んだのか!?
狂暴なヤツだな。
さて、どうなったのだろうか?
あの魚は脳震盪を起こして倒れているのかな?
おっ、土煙が晴れてきたぞ。
えっ!?
な、なんだと!?
大きな魚のようなヤツが、ゆっくりと俺の方に向かって来た。
なんだあいつは!?
頭が2つ横に並んでいる大きなクロマグロのような魚だ。
全長は4メートルくらい、体高1メートルくらい。
どちらの頭にも、長さ40センチくらいの緑色のウサギの耳の上に、同じくらいの長さのピンク色のウサギの耳が付いている。
なんだあれは?
なんで耳が重なっているんだ?
バニーウニみたいに耳がたくさんあるのもいたが、あんなのヤツは初めて見たな。
訳の分からんバニーモンスターだ。
他のヤツらとは、何かが違うのだろうか?
とりあえず、あいつは『バニーダブルマグロ』と呼ぶことにしよう。
「クククッ、まだ原住生命体がいるですの」
「マズそうなヤツですが、腹の足しにはなりそうですわ」
バニーダブルマグロの2つの頭が別々にしゃべった。
こいつは個別に人格を持っているのか?
脳みそが2つあるのかな?
というか、またマズそうと言われてしまったぞ。
まあ、美味しそうと言われても困るから、どうでもいいけどな。
あ、そうだ、良いことを思い付いたぞ。
こいつは言葉を理解しているようだし、対話をしてみよう。
うまくいけばバニーモンスターのことが分かるかもしれないしな。
よし、やってみよう。
「そこの魚さん、あんたは何者なんだ?」
「むっ、原住生命体ごときに話しかけられているですの」
「生意気ですわ」
他種族を見下しているのか?
なんかプライドが高そうな感じがするから、適当におだててみようか。
「耳が重なっていて、他のとは違うすごみがあると思ったから質問してみたのだが、迷惑だったか?」
「ほう、そこに目を付けるとは原住生命体ごときにしては、なかなかやるようですの。良いですの、冥途の土産に答えてやるですの」
「俺様たちは、名誉あるダブルバニーランクのバニーモンスターですわ!」
なんだそりゃぁ!?
バニーモンスターにランクなんてあったのか!?
ちょっとそこのところを聞いてみるか。
「そのダブルバニーランクというのはなんなんだ?」
「耳が2つ重なっているバニーモンスターのことですの」
「エリートの証ですわ」
エリートねぇ。
他のよりも強いのか?
ん?
エリートだと何か良いことあるのか?
バニーモンスターの世界にも出世競争があるのか?
適当におだてて、聞いてみるか。
「それはすごい!出世頭なんだな!将来は何になるんだ?」
「まあ、俺様たちでしたら、末は大統領になるに決まっているですの」
「決定事項ですわ」
大統領!?
バニーモンスターにそんな役職があるのか!?
「大統領って、最も偉いのか?」
「それは間違いですの」
「最も偉いのは超社長、大統領は2番目ですわ」
超社長!?
なんだその聞いたことのない役職は!?
ただの社長とは違うのか!?
そいつがバニーモンスターのボスなのか!?
なんとか聞き出さないと!
「エリートなら、超社長にもなれるのでは?」
「それは畏れ多いですの」
「超社長はバニーモンスターの生みの親ですから、それはあり得ないですわ」
やはりそいつがボスなのか。
もうちょっと情報を引き出せないかな?
その超社長を褒めてみようか。
「そうなのか。超社長ってすごいんだな。普段はどこで何をしているんだろう?」
「その通りですの。超社長はすごいんですの」
「今はどこかの星を征服しに行っているそうですわ」
どこか!?
ま、まさか!?
「それって地球という星なのか?」
「地球ですの?」
「よく覚えていないですけど、そんな名前だったような気もするようなしないような感じですわ」
な、なんだって!?
いったいどっちなんだよぉっ!?
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