第67話 異星で金策

 この星でも金は必要なんだな。


 どこも変わらないなぁ。


 貨幣がある世界はそんなものなのかねぇ。


 そういえば、地球でもお金を稼ぐためにダンジョンに入ったんだよな。


 帰る手段だけでなく、そっちの方もなんとかしないとな。


 ああ、やれやれ、忙しいものだなぁ。


 って、文句を言っても仕方ないことか。


 金策に走るとしよう。


 問題は何をするかだよな。


 うーむ、そうだなぁ。


 とりあえず、冒険者ギルドにでも行ってみようかな?


 他に何も思い付かないし、そうするとしようか。



 冒険者ギルドに着いた。


 白いゴミ箱を大きくしたような建物だ。


 では、入ろうか、お邪魔します。



 中は役所みたいな場所だな。


 受付と待合椅子が置いてある。


 受付ではカミブク族の方が仕事をしている。


 冒険者と思われる方はいないみたいだ。


 今は昼間だから、みんな別の場所で仕事中なのだろうか?


 まあ、混雑していなくて都合が良いけどな。


 では、受付でいろいろと聞いてみようか。


「すみません」


「はい、なんでごわすか?」


 えっ!?


 この星の受付の方の語尾も『ごわす』なのか!?


 なんでルベデダイア王国の受付と同じなんだよっ!?


 何か意味があるのか、通訳魔法!?


「あの、何か用でごわすか?」


「えっ、ああ、すみません、実はここがどのような場所か説明して欲しいのですが、よろしいでしょうか?」


「はい、かしこまりましたでごわす。では、ご説明するでごわす。ここは冒険者ギルドでごわす。バニーモンスターの買い取りをしているでごわす」


 ここもバニーモンスターの買い取りをしているところだったのか。


「それは私が狩って来ても、買い取ってくれるのですか?」


「はい、どなたであろうとも買い取るでごわす」


「倒したバニーモンスターは、そのまま持ち込んでも良いのですか?解体しないと買い取ってもらえないとかありますか?」


「そのままでも買い取るでごわすが、解体したものならその分高く買い取るでごわす」


「登録とか必要ですか?」


「いいえ、不要でごわす」


 ルベデダイア王国の冒険者ギルドと変わらないんだな。


 手続きがなくて、楽ではあるなぁ。


「分かりました。ありがとうございます」


 受付に挨拶をして、ギルドを出た。


 さて、狩りに行くとするか。


 がんばって稼がないとな。



 王都の外に出た。


 目の前には草原が広がっている、その向こうに雑木林がある。


 では、獲物を探すとするか。



 おや?

 あれはクリーナ族とカミブク族の2人組がいるぞ。


 どうやら体高1メートルくらいの大きな茶色いウサギ2匹と対峙しているみたいだな。


 彼らは同業者なのかな?


 あ、そうだ!


 戦い方の参考になるかもしれないから、彼らの戦いを見物してみよう。


 邪魔だと文句を言われないようにコッソリとな。



 おっ、クリーナ族の方が仕掛けたぞ。


 ウサギに素早く接近して、首にホースを巻き付けた!?


 そして、そのまま締め付けて倒したみたいだ。


 これは見事だな!


 なんだか手慣れた感じだな。


 彼らはベテランの冒険者なのかもしれないな。



 さて、もう1匹の方は?


 えっ!?

 すでに倒されているだと!?


 しかも、ウサギの頭がなくなっているぞ!?


 あれはどうやって倒したんだ!?


「カミブク族の方が取り出し口の部分で、切り裂いたというか、食い千切ったというか、とにかくそんな感じで倒していましたよ」


 SIBINがそう教えてくれた。


 ええ……

 ナニソレ怖い……


 そんな恐ろしい攻撃方法があったのか!?


 アビスもそんな攻撃ができるのか!?


 ちょっと聞いてみよう。


「うーん、そうだねぇ。多分、できると思うよ!」


 できるのかよっ!?


 アビスは意外と戦えるのか?


 いざという時は、戦ってもらおうか。



 ん?

 あれはカナアミ族とサイバコ族の2人組だ。


 彼らも2匹のウサギと対峙しているぞ。


 彼らはどんな戦い方をするのだろうか?


 ちょっと見物してみようか。


 おおっ!!

 カナアミ族の方が回転しながら、ウサギの首に体当たりをしたぞ!


 うわっ!?

 ウサギの首を切り落としたぞ!?


 見事な早業だな!!


 カナアミ族はあんな風に戦うのか!


「これは見事じゃのう」


 ラビリンも感心しているようだ。



 サイバコ族の方は体当たりをして、体勢を崩してから、取り出し口からギロチンの刃のような大きな刃物を発射したぞ!?


 それがウサギの首のあたりに突き刺さった!?


 ウサギは動かなくなった、どうやら倒したようだ。


 あれがサイバコ族の戦い方なのか。


 こちらも見事だな!


 あの2人組も手慣れているようだな。


 彼らもベテランの冒険者だったりするのかな?


 そういえば、ラビリンとカオスはあんなことができるのだろうか?


 ちょっと聞いてみよう。


「そうじゃのう、練習すればできるかもしれんな」


「吾輩なら可能だ」


 みんな意外と戦えるようだな。


 さて、そろそろ獲物を探しに行こうか。



 うーむ、獲物が見つからないなぁ……


 同業者と思われる方なら結構いるんだけどな。


 もしかして、近場は飽和状態になっているのか?


 仕方ない、こうなったら、もっと遠くまで行ってみよう。



 雑木林の中にやって来た。


 何かいないかな?


 むっ、いたぞ!


 あれはウサギの耳が付いたデカいトカゲだな。


 全長3メートルくらい、灰色のコモドオオトカゲのような外見だ。


 ウサギの耳は青色で、長さは40センチくらいだ。


 あいつは『バニーオオトカゲ』とでも呼ぼうか。


 こいつはかなりの大物だな。


 もしかしたら、こいつだけで50万たまるかもしれないぞ!


 よし、倒そう!!

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