第64話 異星の図書館で読書
図書館の本を調べている。
何か有益な情報の書かれた本はないかな?
えっ!?
栄養学の本!?
この星の生命体の栄養学!?
あの体で栄養!?
何を食べるんだ!?
ちょっと気になってきたぞ!?
読んでみるか。
ダブルクリーナーヘッドのような挿絵が描かれていて、その下に『クリーナ族の栄養について』と書いてあるページだ。
ダブルクリーナーヘッドみたいな方々は『クリーナ族』というのか。
クリーナ族はプラスチックやステンレスを多めに吸い込むと良い、と書いてある。
そういうものなのか?
ダブルクリーナーヘッドにもそうした方が良いのかな?
どうなんだろうか?
ちょっと聞いてみようか。
「よく分からない」
ダブルクリーナーヘッドにそう言われた。
やはりカードになっているから、食べる必要はないのかな?
今までも食事をしたことがないし。
うーん、どうなんだろうか?
後で官邸に聞いた方が良いのかもしれないな。
では、次のページを読むか。
アビスのような挿絵が描かれていて、その下に『カミブク族の栄養について』と書いてあるページだな。
ほう、そんな名前の種族なのか。
カミブク族は野菜を多めに食べましょう、炭水化物と肉類も、バランスよく食べましょう、と書いてあるぞ。
なんだか人間みたいだな。
というか、どうやって食べるんだ?
この本には書かれていないな。
まあ、この星の方々にとっては常識だから、いちいち書かなかったのだろう。
ラビリンのような挿絵が描かれていて、その下に『カナアミ族の栄養について』と書いてあるページだ。
ステンレスが良いらしいぞ。
ステンレスをどうするんだろう?
どうやって体に取り込むのだろうか?
謎だ。
カオスのような挿絵が描かれていて、その下に『サイバコ族の栄養について』と書いてあるページだ。
ステンレスと炭水化物と肉類と野菜を、バランスよく食べましょう、と書いてあるぞ。
サイの部分で炭水化物、肉類、野菜を食べて、ゴミ箱にステンレスを入れるのか?
どうなんだろうなぁ?
この本は以上だな。
疑問が解けたような、増えたような感じだな。
まあ、良いか、次の本を探そう。
ん?
これは『ダンジョンとは何だったのか』という本があるぞ。
この星にもダンジョンがあるのか!?
気になるな。
ちょっと読んでみようか。
ゼヴィート歴887年、この星に多数の黒い円が発生した。
中はダンジョンが広がっていて、バニーモンスターがいた。
俺が持っているようなカードも発見されているようだな。
新たな資源が発見できるかもしれないから、多数の方がダンジョンに入ったのか。
その持ち帰った資源を買い取るために国が冒険者ギルドを作ったと。
ほう、なるほど。
だが、ダンジョンは約5か月ほどで、すべて消えてしまったのか。
その原因は不明と。
ダンジョンに入っていた方々は、未だに行方不明って!?
これはまさに俺の身に起こっていることじゃないか!?
ダンジョンは消えるものなのか!?
それに、この行方不明の方々って、まさかダブルクリーナーヘッドたちだったりするのか!?
ちょっと聞いてみようか。
「よく分からない」
「僕もよく分からないよ」
「ワシも覚えがないのう」
「吾輩もだ」
みんな覚えがないのか。
どういうことなんだろうな?
あのダンジョンで死んだら、記憶が消えてカードになるとか?
あり得そうだな。
なんだか怖くなってきたぞ……
俺もカードになってしまうのか!?
まあ、今、それを考えても仕方ないか。
とりあえず、続きを読もう。
その約30年後、各地でバニーモンスターが確認される。
バニーモンスターに襲われる被害が多発する。
そして、バニーモンスターを調査した結果、この星に拠点を作っていることが判明し、駆除しようとしたが失敗して、現状のような戦争状態になっているというわけなのか。
そうだったのか。
あれ?
これはもしかして、地球も襲われているのか!?
どうなんだろうか!?
帰ったら地球がバニーモンスターに占拠されてましたなんて、勘弁して欲しいぞ!?
まあ、今はそんな心配をしても仕方ないけどな。
そういえば、このゼヴィート歴というのが、よく分からないな。
周囲には誰もいないし、監視カメラのようなものもないな。
よし、ちょっと官邸に聞いてみよう。
声は抑え気味で頼むよ。
「総理、今はゼヴィート歴何年なのですか?」
「えー、ゼヴィート歴938年です」
約50年前にダンジョンが出て、こうなったと。
地球に帰ったらバニーモンスターを探した方が良いのかもしれないな。
あ、ついでにダブルクリーナーヘッドたちに食事が必要なのか聞いてみよう。
「総理、ダブルクリーナーヘッド氏に食事は必要ですか?」
「えー、不要ですが、食べて体に取り込むこともできます。珍しいものを与えてみるのも良いかもしれません」
ええっ!?
そんなことができたのか!?
レベルアップ以外の強化法だったりするのか!?
今度やってみよう!
では、次の本を読むか。
『世界の珍しい植物図鑑』という本があるぞ。
ちょっと見てみるか。
もしかしたら、ア・マクナリソウの仲間が載っているかもしれないしな。
こ、これは!?
茶色のア・マクナリソウ!?
白色のア・マクナリソウまで載ってるだと!?
本当に存在したのかよっ!?
茶色のは『ウゴカ・ナサソウ』で、白色は『カンソ・ウシソウ』という名前だそうだ。
2つともゼヴィート大陸の南部の森に生えているそうだ。
これはまさか修行なのか!?
この星も3つの修行があるのか!?
ちょっと官邸に聞いてみよう。
「総理、この2つの花はトウヤ氏を強化してくれますか?」
「えー、強化してくれます」
くっ、やはり修行なのか。
仕方ない、後で探しに行くか。
他に面白い植物はないかな?
変な形の植物はあるけど、役に立ちそうなものは特にないな。
では、他の本を探そうか。
「そろそろ閉館時間になるダスよ。お引き取りくださいダス」
司書と思われるカミブク族の方にそう言われた。
まだいろいろと調べたかったが仕方ない。
出るとするか。
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