第27話 ウニ身中の皮?

 5日間、4階で修行したぞ。


 ヤマさんのステータスはこうなった。


 レベル  …… 食べごろまで、もう少しかな?


 強さ   …… ふん、なかなかやるようだな!!

 頭脳   …… ほう、こやつできるな!

 速さ   …… これはまあまあですねぇ。

 幸運   …… くっ、な、なんだこの威圧感は!?


 特殊   …… 破邪が得意なのです!!

         念話、念聴、念視もできるのです!!


 特記事項 …… 特にありませんでしたーーー!!!


 身長は120センチくらいになった。


 速さも、かなり上がったぞ。


 これなら大型のバニーウニを倒せるかもしれない。


 後は、どうやってヤマさんを、大型のバニーウニに取り付かせるかだな。


 俺がオトリになって引き付けているうちに、こっそりと接近してもらえば良いのかな?


 そういえば、大型のバニーウニは、どうやって敵の存在を感知しているんだ?



 ……あれ!?


 これはマズい!?


 よく分からないぞ!?


 どうやったら、引き付けられるんだ!?


 耳だらけだから、音で判断しているのか!?


 それともウニみたいな外見だから、ウニと同じなのか?


 そもそもウニって、どうやって周囲のものを認識しているんだ?


 ちょっと調べてみるか。



 ……ウニは全身が巨大な目のようなもので、光に反応するらしいぞ。


 全身が目って、これでは隙を突くことができないのでは!?


 これはヤバいぞ!?


 どうしようか?


 ちょっとみんなに相談してみようか。


「バニーウニが壁に激突した際、僅かだが動きが止まった。そこを狙うと良いかもしれんな」


 ラビリンがそう言った。


 なるほど、良い作戦だな。


「うむ、その時を見計らい、吾をヤツの近くに投げ付けるが良い」


 ええっ!?

 投げて良いのか、ヤマさん!?


 まあ、本人が良いと言っているのだから良いか。

 そうさせてもらおう。


 よし、作戦は決まったぞ!


 出発しようか!!



 というわけで、3階のボスの部屋にやって来た。


 ヤマさんを召喚し、ハンマーに持ち替えて準備は万端だ。


 さあ、行こうか!


 俺は扉を開けて、中に入った。


 部屋の中央に大型のバニーウニがいた。


 相変わらずだな。



 では、まずは大型のバニーウニを壁に激突させて、動きを止めよう!


 俺は大型のバニーウニに近付いた。


 おっ、動き出したぞ!


 さあ、こっちに来い!!


 俺は壁際まで移動して、大型のバニーウニが来たところで素早く移動し、壁に激突させた。


 大型のバニーウニの動きが止まった。


 よし、今だ!


「ヤマさん、頼むぞ!」


「うむ、承知した」


 ヤマさんを大型のバニーウニに向かって、全力で投げた。


 よし、完璧なコントロールだな!


 ヤマさんが大型のバニーウニの近くまで飛んで行った。


 そして、耳の隙間に入って行った。


 よしよし、ここまではうまくいったぞ!!


 後は、ヤマさんがうまく倒してくれれば良いのだが……


 世の中は、そんなに甘くはないよな。


 大型のバニーウニが、ヤマさんの存在に気付いたようで、暴れ出したぞ。


 回転しながら空を飛んで、ヤマさんを振り落とそうとしているようだ。


 あいつ飛べるのかよ!?


 そういえば、小型のも飛んでいたな。


 なら、無理もないのか?


 いや、そんなことはどうでもいいか。


 何か俺にできることはないものか?


 ……うーむ、何もなさそうだな!!


 ヤマさんを応援するしかないのか!?


 本当にそれしかなさそうだぞ!?


 なら、応援するか!

 がんばれ、ヤマさん!!



 大型のバニーウニが部屋中を勢いよく飛び回っている。


 まだヤマさんが本体を攻撃しているのだろう。


 大型のバニーウニは、厄介なヤツに寄生されたとでも思っているのだろうか?


 おっ、大型のバニーウニの動きが鈍くなってきたぞ!


 ヤマさんがやってくれたのか!?


 そして、大型のバニーウニは動かなくなった。


 どうやら倒したようだな!


 おおっ!

 ヤマさんが耳の隙間から出て来たぞ!!


 英雄の凱旋だな!

 さっそく出迎えないと!!


「ヤマさん!お疲れ様!無事だったか?」


「うむ、問題ない」


「そうか、良かった。それにしても、見事に撃破できたな!」


「うむ」


 ヤマさんが照れている感じがする。


「そうだ、ヤツの体内から、これを発見したぞ」


 ヤマさんからカードを渡された。


 おおっ!!

 これはうれしいな!!


 さっそく見てみよう。



 名前は『カオス・利サイ狂・アルケー』だそうだ。


 どういうことだよ!?


 確か『カオス』は混沌という意味だったか?


 『利サイ狂』は『リサイクル』のことなのか?


 『アルケー』は万物の始源という意味だったかな?


 混沌、リサイクル、万物の始源……


 やっぱり意味が分からないぞ!?


 これは意味なんてないのかもしれないな!!


 うん、気にしないことにしよう!


 次を見てみようか。



 これはサイの頭と、公園に置いてあるゴミ箱だな。


 そんな絵が描かれているぞ。


 正面上部にゴミの投入口と思われる、丸い穴が2か所空いている。


 その下にゴミの取り出し口が付いている、ゴミ箱だ。


 色は白い。


 そのゴミ箱の上に、サイのマスクが乗っている。


 とてもリアルに作られたマスクだな。

 ハロウィンや仮装パーティーなんかで使えそうだ。


 これは……


 いったいなんなのだろうか?


 訳が分からないなぁ。



 さらにその下の部分には、こう記載されていた。


 レベル  …… しくしく四苦シク49四九……


 強さ   …… キャアアアアアアアアアア!?

 頭脳   …… ピンポーン!!

 速さ   …… 大トロ丼山盛り!

 幸運   …… 基地既知機知機智吉危地貴地窺知


 特殊   …… 特技はリサイクル魔法なのです!!


 特記事項 …… な、な、なんと!特にありませんよ!!


 な、なんだこりゃあ!?


 ステータス表記が狂った!?


 意味が分からんぞ!?


 いや、でも、他のもよく分からないよなぁ。


 あれ?

 なら、これはいつも通りなのか?


 どうなんだ?


 まあ、良いか。


 ところで、リサイクル魔法とはなんなのだろうか?

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