第24話 壁に激突
ガゾウカ・コウシテソウを探しつつ、バニーヤマイモに警戒しながら先に進んでいる。
こいつは神経を使うなぁ。
かなり大変だ。
だが、バニーヤマイモは見逃して、後ろから襲われたなんて事態になったら、ひどい目に遭うだろうからな。
油断するわけにはいかないな。
気を付けて進もう。
おっ、あそこにバニーヤマイモがいるぞ。
先に発見できて良かった、さっさと倒してしまおう。
バニーヤマイモが地面から飛び出て来たところを、シャベルでぶん殴って真ん中から折ってやったぞ。
よし、大勝利だな!!
こいつは夕飯のおかずにしよう。
さあ、行こうか。
ええ……
またこの手のモンスターなのか……
鍋の具材を背中に乗せた、大きなニワトリを発見してしまった。
長ネギ、エノキダケ、豆腐、シメジ、白菜、しらたきが乗っている。
色は白い、身長は2メートルほどだ。
赤い大きなトサカがあるから雄なのかな?
トサカの後ろあたりに、ウサギの耳のカチューシャが付けている。
ピンク色で長さは40センチくらいだ。
なんなんだ?
ここの鳥たちは?
鍋の具材を背負って、決死の覚悟をするのが流行っているのか?
訳が分からないな。
とりあえず、こいつは『バニーニワトリ鍋セット』と呼ぶか。
あ、バニーニワトリ鍋セットに見つかってしまったぞ。
おや?
俺に向かって、鳴き出したぞ。
何かを伝えようとしているのか?
「あやつは『おい、そこの肉がマズそうな間抜け面!!貴様はこの私を狩りに来たのか!?』と言っておるのう」
おい、こら、誰が間抜け面だ!?
それに肉がマズそうってなんだよ!?
まあ、そこはどうでもいいか。
食われたくはないしな。
だが、間抜け面と言われたのは腹立たしいぞ!!
こいつは鍋にするしかないな!!
ぶっ倒してやるぜ!!
バニーニワトリ鍋セットに、その通りだ、と伝えなければ!!
ん?
バニーニワトリ鍋セットの発言は、ラビリンのおかげで理解できたけど、俺の言葉を伝える時はどうするんだ?
ちょっとラビリンに聞いてみよう。
「その場合は、ワシを召喚する必要がある。召喚してもらえば通訳魔法をかけて、相手にも言葉が伝わるようにしてやれるぞ」
なるほど、そういうものなのか。
なら、今回は伝えなくて良いか。
カードを外したら戦力が落ちるしな。
では、戦おうか。
俺はシャベルを構えた。
すると、またバニーニワトリ鍋セットが鳴き出した。
今度は何を言っているんだ?
「ふむ『私を鍋にしようとたくらむ者か!おのれ、許さんぞ!!ぶちのめしてやる!!』と言っておるぞ」
狂暴なヤツだなぁ。
まあ、ぶちのめすのは、こっちだけどな!
鍋の具材にしてやるぜ!!
バニーニワトリ鍋セットが向かって来た。
結構俊敏だ。
これは油断できないぞ。
そして、バニーニワトリ鍋セットが跳び上がり、蹴りを繰り出してきた。
うわっ、足に鋭い爪が生えているぞ!?
こんなのをくらったら、大ケガすることになるぞ!?
俺は跳び蹴りを、なんとか回避した。
お?
またバニーニワトリ鍋セットが何かを言っているぞ?
「あやつは『この私の蹴りをかわすとは!マズそうなくせに生意気だ!!』と言っておる」
どういうことだよ!?
鳥の世界は肉がうまい方が偉いのか!?
ん?
まだ何か言っているなぁ。
今度はなんなんだ?
「うむ、これは『マズそうな肉は滅べ!!』と言っておるぞ」
やっぱり、うまい肉が評価される世界なのか!?
バニーニワトリ鍋セットが前傾姿勢で突っ込んで来た。
体当たりをする気か?
俺はそれを横に跳んで回避した。
バニーニワトリ鍋セットは、勢いあまって壁に激突した。
どうやら脳震盪を起こしたようだ。
小刻みに震えている。
ここの連中は、後先考えず突っ込んで来過ぎじゃないのか?
まあ、良いか。
とどめを刺そう。
俺はバニーニワトリ鍋セットにとどめを刺した。
さて、解体するか。
こいつも背中の鍋の具材が皮膚にくっ付いている。
変な生き物だよな。
こんなのがいるなんて、さすがはダンジョン。
不思議な場所だなぁ。
解体して、アビスに収納してもらった。
よし、先に進むか。
足と首の長い鳥を発見したぞ。
体は黒い毛に覆われている、他は白い。
頭には長さ50センチくらいの、ピンク色のウサギの耳のカチューシャを付けている。
身長は3メートルくらいだ。
背中には水菜、長ネギ、豆腐、昆布のようなものが乗っている。
今度はダチョウなのか?
あいつは『バニーダチョウ鍋セット』とでも呼ぼうか。
あ、バニーダチョウ鍋セットが、俺の方を見ている。
見つかってしまったようだ。
ん?
俺に向かって、鳴き出したぞ。
何を言っているんだろうか?
「ふむ、あやつは『私を食べたそうな顔で見ないで!!この変態!!』と言っておるぞ」
ええっ!?
変態呼ばわりされていたのかよ!?
別に食べたそうに見てた覚えはないぞ!!
それに、そんなに食われたくないなら、その背中のものをどうにかしろっての!!
お?
まだ何か言っているぞ。
「今度は『肉がマズそうな変態は排除してやる!!』と言っておるぞ」
ひどい言われようだな!?
排除されるのは、お前の方だ!
ぶっ倒してやる!!
かかって来い!!
バニーダチョウ鍋セット、突進して来る。
俺、回避する。
バニーダチョウ鍋セット、壁に激突して、脳震盪を起こす。
という流れだったぞ。
ここの連中は自滅しかしないのかよ!?
まあ、良いか。
ケガをせずにモンスターに勝てたわけだしな。
さあ、解体してしまおう。
解体して、アビスに収納してもらった。
さて、そろそろ家に帰るか。
変な鳥に会ったせいで、精神的に疲れたしな。
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