第12話 VS1階のボス
次の日。
大型のバニーサンドゴーレムのいる部屋の扉の前に来た。
では、準備をしよう。
俺はSIBINを召喚した。
腰に貼ってあると、魔法が使えないからだ。
カード1枚分、身体能力の強化がされなくなるけど、仕方ないか。
そして、SIBINが俺の頭の上に乗った。
一緒にいる方が盾で守りやすいからな。
見た目がヤバいとか、気にしている場合ではないぞ!!
さて、これで準備完了だな。
よし、行こうか!!
扉を開けて、中に入った。
そこにはこれまでと同じように、大型のバニーサンドゴーレムがいた。
さあ、今度こそ倒してやるからな!!
行くぞ、大型のバニーサンドゴーレム!!
俺はシャベルを握りしめて突撃した。
後ろの方で、何かがぶつかったような音がする。
どうやら茶色い水の盾で、砂を防いでいるようだ。
よし、これで大型のバニーサンドゴーレムとの戦闘に専念できるぞ。
さっさとぶっ倒してやるぜ!!
後、なるべく茶色い水を俺の方に飛ばさないようにな!
頼んだよ!!!
俺はシャベルで、大型のバニーサンドゴーレムの肩のあたりを、ぶん殴った。
おおっ、やったぞ、深々と傷を付けたぞ!!
だが、その傷の部分に砂が集まって来て、すぐさま傷が塞がった。
な、なんだと!?
こいつには再生能力があるのか!?
大型のバニーサンドゴーレムが殴りかかってきた。
こいつの動きはそんなに速くないから、簡単にかわせた。
今度は殴りかかってきた腕をぶん殴った。
今回も傷ができたが、すぐさま砂で塞がった。
くっ、こいつはどうやって倒せば良いんだ!?
小型と同じように、頭を潰せば良いのか?
やってみるしかないな。
俺は大型のバニーサンドゴーレムの攻撃を回避しつつ、隙を見てシャベルを横に振るって頭をぶん殴った。
大型のバニーサンドゴーレムの頭が吹っ飛んだ!!
やったか!?
……な、なんだと!?
すぐさま頭に砂が集まり再生した。
これでも倒せないのか!?
ならば、心臓のあるあたりとかなのか!?
俺は胸のあたりをシャベルで突いた。
またか!?
また、すぐさま砂が集まって再生されたぞ!?
くそっ、どうすれば良いんだ!?
後、他に急所っぽい場所は……
はっ!?
そういえば、あそこがあったな!
こうなったら、容赦なく攻撃してやるぜ!!
俺は下半身の男の急所をシャベルでぶん殴った!!
その直後、大型のバニーサンドゴーレムは小刻みに震え出し、体が崩れ始めた。
ええっ!?
まさか本当にそこが弱点だったのか!?
自分でやっておきながら驚いてしまったぞ!?
大型のバニーサンドゴーレムが、完全に崩れて砂の山になった。
これで勝ったんだよな?
念のためシャベルで砂を突いてみた。
何も起こらない。
ということは、俺たちは勝ったのか!!
よっしゃあああーー!!!
やったぞ!!
大勝利だ!!!
苦労した分、喜びもひとしおだな!
「うむ、実にめでたい」
「トウヤさん、やりましたね!!」
骸王たちも喜んでいるようだ。
そういえば、戦利品はないのかな?
ちょっと探してみるか。
この部屋の出入り口は1か所だけのようだな。
周囲には何も落ちていないぞ。
後は、あの砂の山を調べるだけだな。
ちょっと骨が折れそうだけど、やってみるか。
ん?
砂の山の中に何かあるぞ?
おおっ、これはカードだぞ!!
これはうれしいな!
これでまた戦力がアップするぞ!!
では、カードを見てみよう。
ええと、名前は『アビス・紙袋・
……どういうことだよ!?
アビスって、確か深いふちとか、奥深く、底知れないとか、そんな感じの意味だよなぁ?
ものすごくデカい紙袋ってことなのか?
まあ、召喚してみれば分かることか。
その下には、茶色の紙袋に、人間の手足が生えた化け物の絵が描かれていた。
人間の手足の部分は、黄色人種っぽい肌の色で、筋肉はあまり付いていない、無駄毛は生えていない。
こいつがアビス・紙袋・黒羽なのか。
黒い羽はないな。
まあ、どうでもいいけど。
さらにその下の部分には、こう記載されていた。
レベル …… 悲しさで涙があふれ出る。
強さ …… こ、これは!?まさに紙!?
頭脳 …… なかなかやるな、認めてやるぜ!
速さ …… こ、これはとても遅いですねぇ。
幸運 …… 結構良いんじゃねぇの?
特殊 …… 特技は収納なのです!!
特記事項 …… おおっと、特にありませんよ!!!
収納が得意なのか?
どういうことなんだ?
片付けるのがうまいのか?
よく分からないなぁ。
よし、召喚してみようか。
では、アビス・紙袋・黒羽を召喚だ!!
アビス・紙袋・黒羽が出て来た。
身長は10センチくらいだ。
「初めまして、俺は角野当也だ。トウヤと呼んでくれ。よろしくな!!」
フレンドリーな感じで話しかけてみたぞ。
「初めまして、僕はアビス・紙袋・黒羽。アビスって呼んでね。よろしく~」
なんか幼い感じだな。
「ああ、分かった。では、アビス、収納が得意ってどういうことだ?」
「こういうことだよ」
アビスの最上部にある、紙袋の取り出し口が大きく開いた。
直径1メートルくらいあるぞ!?
すご過ぎないか!?
「ここに荷物を入れることができるよ」
「そ、そうなのか。それは助かるよ」
「ああ、それから取り出し口は、もっと大きくなるよ」
ええっ!?
もっと大きくなるのか!?
直径が2メートルくらいになった。
こ、こいつは有能だな!!
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