第5話 新しい味方と敵

 ダンジョンを発見した日から、1か月が経過した。


 俺は真面目に、筋トレとジョギングを続けている。


 最近、周囲の人たちから痩せたと言われるようになった。


 効果が出ているようで、ちょっとうれしい。


 さて、今日は仕事が休みなので、ダンジョンに行こうか。


 最近、体力が付いてきたみたいで、疲れにくくなってきたから、今回は少し遠出してみるかな。


 準備は完了しているし、出発しよう!!



 ええっ!?

 あ、あれは!?


 なんと通路の端に、カードが1枚落ちていたぞ!?


 こんなこともあるんだな。

 これからは注意して進まないと。


 それでは、さっそくカードを見てみようか!



 ええと、名前は『ヘーマン』だそうだ。


 桃のような果物に、人間の手足が生えている。


 桃は全体的に黄色で、所々にピンク色の部分がある。

 黄桃のようだ。


 人間の手足は、全身が日焼けした黒っぽい感じの肌色をしている。

 なぜか、ちょっとテカっているぞ。


 無駄毛は生えていない。


 そんな姿が描かれている。


 な、なんだこの化け物は!?

 桃人間なのか!?


 訳が分からないヤツだな。


 まあ、良いか。



 後はステータスだな。

 このように記載されていた。


 レベル  …… 悲しみで涙がぽろぽろ。


 強さ   …… こ、これはひどい……

 頭脳   …… まあ、普通じゃないのかい?

 速さ   …… いやあ、実に残念な感じですねぇ!!

 幸運   …… まあまあだね。褒めてあげるよ。


 特殊   …… 特技はガス魔法なのです!!


 特記事項 …… なんと!書くことがありませんよ!!!


 ガス魔法!?


 な、なんだそれは!?


 こいつの形と名前からは、アレが想像できるのだが!?


 まさか当たっているのか!?


 ちょっと召喚して聞いてみようか。


 ヘーマンが現れた。

 身長は10センチほどだ。


「俺を呼んだのは、あんたか?」


「あ、ああ、そうだ。俺は角野当也だ。よろしく」


「ヘーマンだ。よろしくな!さあ、俺たちの出会いを祝して、派手なのを1発かましてやるぜ!!」


「えっ!?」


 ヘーマンの桃の割れ目の部分から、ブバッという音が聞こえた。


 臭いはしなかった。


 俺はヘーマンをカードに戻して、腰に貼り付けた。


 さあ、先に進むか。



 な、なんだあれは!?


 ピンク色のウサギのマスクをかぶって、黒いバニーガールの衣装を身に着けた、人間の全身骨格が歩いているぞ!?


 身長は1メートルくらいだ。


 長さ90センチくらいの、バールのようなものを持っている。


 あれは敵か!?

 ウサギのように襲ってくるのか!?


 それとも変態なのか!?


 いったい、なんなのだろうか!?


 とりあえず、バニーガール姿のスケルトンだから『バニースケルトン』とでも呼ぼうか。



 あっ、見つかってしまったようだ。


 バニースケルトンがバールのようなものを振り上げて、向かって来たぞ!?


 絵面がひどいな!!


 まあ、とりあえず、これであいつは敵であることが確定したわけだな。


 倒してしまおう。


 俺はシャベルを構えた。



 ん?

 このバニースケルトンは、あまり動きは速くないぞ。


 武器の振り方も、大振りで雑だし。


 もしかして、こいつはあまり強くないのか?


 俺は隙を見て、バニースケルトンの頭部をシャベルでぶん殴った。


 バニースケルトンは吹っ飛ばされて、壁に激突した。


 そして、崩れて粉状になった。



 ……どうやら勝ったようだな。


 今回は楽勝だったな。 


 さて、バニースケルトンのちょっと調べてみるか。


 骨も服も、みんな粉になっているぞ。


 こういう風になる敵もいるのか?


 さすがは未知の場所、よく分からない現象が起こるなぁ。


 まあ、分からないものを、いつまでも気にしても仕方ないか。


 こいつは、こういうものということにしておこう。


 おや?

 バールのようなものは、そのまま残っているぞ。


 なんでこれだけ?


 考えても分からないし、どうでもいいか。


 こいつは戦利品としてもらっておこう。


 よし、先に進もう。



 な、なんだあれは!?


 また変な生物に見える何かを発見してしまったぞ!?


 ピンク色のウサギ耳のカチューシャを付けている、うす暗い緑色の豚だ!?


 体高150センチくらい、当然だが四足歩行だ。


 なんでウサギ耳のカチューシャを付けているのだろうか!?


 趣味なのか!?


 それともここにいる敵は、必ずウサギじゃなければならないのか!?


 訳が分からないぞ!!


 とりあえず、あいつは『ウサギ耳の豚』と呼ぼうか。



 あっ、ウサギ耳の豚と、目が合ってしまったぞ。


 突進して来たか、仕方ない戦おう。


 俺はシャベルを構えた。


 突進の速度はウサギより速いな。


 だが、回避できないというほどではない。


 俺は横に跳んで回避した。


 そして、ウサギ耳の豚の頭部にシャベルを振り下ろす!


 当たったが倒せない。

 意外と硬いな。


 またウサギ耳の豚が突進して来た。


 再びタイミング合わせて回避し、頭部を攻撃した。


 まだ倒せない。



 また懲りずに突進して来やがった!?


 こいつの攻撃方法は突進しかないのか!?


 さすがは元イノシシだな。

 猪突猛進というだけのことはある。


 その後も避けて叩くを繰り返して、なんとか倒した。


 変な格好のヤツだけど、耐久力はすごかったな。


 さて、この豚はどうしようか?


 豚だし、肉を食べることができるのかもしれないな。

 解体して持って帰ろうか。


 解体して、肉を保存したぞ。


 今日はこのくらいにして帰ろうか。



 家に着いた。


 ちょっと豚肉の熟成について調べようか。


 豚肉の熟成には3日から5日かかるらしい。


 それまで食べるのはお預けだな。


 では、冷蔵庫に入れておこう。

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