第8話保健室警察退治①
昔話や伝説などでよく人を襲う鬼を見事に倒したヒーローの話がある。
今から私達3人は鬼退治に近い事をしようとしていた。
私、柚、一葉の3人は、一葉の家の近くのカフェで保健室警察廃止の計画を考えていた。
出かける前に私は付箋紙とノート、筆記用具と一緒に持って行った。
「では、保健室警察廃止に向けて何かありますか?」
一葉は、私と柚に問いかけた。
「署名なんかどう?」
私は手をあげ言った。
「署名か〜!採用!」
一葉はノートに書きながら言った。
「署名以外だったらポスターとか学校の前で呼びかけるのは?」
柚は少し控えめに言った。
「柚、そういえば、部活の後輩で生徒会に所属している子いたよね?」
私は柚に尋ねた。
「うん。いるよ。副会長で」
柚は言った。
「その副会長さんの後輩、いつ会える?というか明後日学校だから会えるか」
一葉は飲んでいたほうじ茶ラテに付いてるストローをいじりながら言った。
「そうだね。というか今LINEしてみたら?」
私がそう言うと柚は急いで鞄からスマホを出し、後輩に連絡した。
それから5分後、後輩から廃止活動をしてもいいと連絡が来た。早速私達は、カフェを出て近くのドンキホーテで襷とメガホン、鉢巻を買った。
それからそれぞれ家に帰り私は署名の紙を書いてコピーし、一葉は廃止の演説内容をメモにまとめ、柚はポスターを描いて明後日の廃止活動の準備をした。
そして、月曜日になった。
生徒会長の福岡信人君と柚の部活の後輩で副会長の百鬼笛星君にお礼を言った。
「先輩方頑張ってください!」
と福岡君は言った。
「愛宕先輩、必ず保健室警察を廃止に追い込んでください!」
と百鬼君は言った。
生徒会長と副会長に見送られ、私達は廃止活動を始めた。
私と一葉がメガホン越しに廃止を呼びかけ、柚は
「ご署名お願いします!」
と言いながら、バインダーに挟まれた署名のプリントを目立つ様に持っていた。
最初は不審に思っていた生徒や教師も3日後には署名に協力してくれた。
中には、
「頑張ってください!」
「応援してます!」
「1日も早く廃止にしましょう!」
という励ましの声があった。
そんな順調にやっていた廃止活動だが、ある日保健室警察にその事が見つかってしまったのだ…。
私達にとっては地獄だった。
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