第7話転校生から見た保健室警察

「新しくクラスの仲間になりました源一葉みなもとかずはさんです」

担任がそう紹介すると

「源一葉です!よろしくお願いします!」

一葉はそう言ってお辞儀をした。


クラス全員は一葉を見ると


「美人」


「可愛い」


「芸能人みたい」


と口々に言った。


一葉は私を見つけると走ってきて

「同じクラスだね!」

「うん!」

と私は嬉しく言った。

私は柚を一葉に紹介し、すぐ仲良くなった。


その日の午後、池田さんと前田君が中学1年生の腕を無理矢理引っ張り歩いていた。

中学1年生は泣き叫んでいたが、周りにいた生徒は保健室警察が怖く誰も助けられなかった。

ドン引きしている一葉に私と柚は保健室警察の事を説明した。

「保健室警察…ナンセンスだ」

一葉は呟いた。


帰り道、一葉はずっと保健室警察の悪口を言っていた。

私と柚が宥めたが、一葉はまだ保健室警察に対して怒っていた。

「校長先生や教育委員会は何やってんの?あんな化け物を野放しにして!」

一葉はぷりぷり怒って言った。

「校長先生や教育委員会は、保健室は怪我したり体調不良になった人が行く所だから相談しに行く所じゃないって注意できる人が必要だって言うからいつまで経っても廃止されないの」

私はそう言うと一葉は何か閃いた様で

「じゃあ、証拠集めして潰そう!保健室警察を」

とニヤニヤしながら言った。

「それ簡単そうで難しいよ」

柚は弱音を吐くように言った。

「柚、そうしないと廃止されないよ。その集めた証拠を校長先生と教育委員会に提出するの!」

一葉はオーバーな動きをしながら言った。

「それは、明日土曜日だから明日話そう!」

一葉のその一言を聞いて私は確信した。


一葉には何か考えがある。


そう私は思い、

「わかった!じっくり話そう!」

「了解!詳しくは今日中にLINEするね」

一葉は笑顔で言った。

そうして人は別れた。


言ってはなんだが、当時の私は一葉の提案にワクワクしていた。

この頼れる一葉と後に退治したのは、桃太郎の鬼でも水戸黄門の悪代官ではなく、学校中の敵・保健室警察だった。

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