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「ミケ様は、生前、桜庭ご夫妻に大層な寵愛を受けていました。

そしてこの度、桜庭薫様から、ミケ様をご招待する様、仰せつかったのです」


「え…?」


ー今、何と言った…?


「聞き間違いでなければ、今、桜庭薫と、言いましたか…?」


「ええ。言いましたが。それが何か?」


彼女が、キョトンとした顔で、首を傾げる。


「桜庭薫は、亡くなった、私の妻です…」


私の言葉を聞いた彼女の目が、大きく開く。


「まさか、桜庭秀次様でいらっしゃいますか?」


「ええ…。私は、桜庭秀次ですが…」


私の名前まで知っているのか。


益々、今いる場所とこの状況について、意味が分からなくなる。

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