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慌てて庭に出てみるが、ミケの姿は、当然なかった。


ーまさか…


昔、聞いた事がある。


猫は、自分の死期を悟ると、飼い主の元から姿を消し、一人でどこかへ行ってしまうのだと。


それは、猫が、死を認識出来る、唯一の動物だからだと、誰かが言っていた。


「ミケ…」


ミケも、老猫に入る歳だ。


人間で言えば、天寿を全うしていても、おかしくはない。


自分の死期を悟って、出ていってしまったのだろうか。


「ミケ!」


急いで、玄関にある靴を引っかけ、外に出る。


ーお前まで、お前まで喪ったら、私は…。

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