Part.Ⅱ ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ディキシーランド -Gone with the Gunpowder-

Epigraph Ⅱ



「恥知らずな人! まるでヤンキーみたい。みんな〈大儀〉のために戦っているのに……」

「〈偉大な封鎖破りグレート・ブロケード〉か。笑わせないでくれ。俺は金儲けのためなら、北軍、南軍、どっちでもいいのさ。うんと金をはずむほうに武器を売るんだからな。それに英国が介入しない限り、この戦争は南部の負けだ」

「へぇ、そうかしら?」

 まったくもって馬鹿な人! ゲティスバーグで南軍が大勝利したことを知らないんだわ。

 南部の〈大儀〉は、これから速やかに遂行されるというのに……。


ケイティ・スカーレット・オハラ著『北風は去りぬ(Gone the North Wind)』




生死問わずデッド・オア・アライブ、懸賞金二〇〇ドル!】

 先の独立戦争・・・・から三十年の長きに渡り、南部諸州を騒がせる忌々しい地下鉄組織アンダーグラウンド・レールロード――〈トム・ソーヤー〉の情報を欲す。『奴隷泥棒トム』の一味を拘束、あるいは仕留めた者には、上記の賞金と必要経費を提供する。

 同組織を秘匿、援助、その他、亜人奴隷の逃亡のほう助をくわだてた者には、法による厳しい制裁あり! 地下鉄道のレールを掘り起こせ!


 ジャクソン・レッド少佐


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