第42話
薪作りは順調に進み、予定通り二ヶ月間の作業を終えて騎士団と木こり達はマチカネ村を離れた。ゴーティからの騎士団見習いの打診を断った後も作業終了まで薪作りの手伝いを行った。
これと言って特に問題はなかったけど騎士団からよく声を掛けられる様になり特にアドルとは仲良くなりよく話すようになった。
挙げ句の果てにはアドルから恋愛相談されるまでになったけど、10才に何相談してんだよ!と思った。どうやらアドルは天然らしい。
色々あったけど騎士団や木こり達のマチカネ村訪問は僕にとってかなり貴重な経験になった。お肉も一杯手に入ったからね。
お肉といえば村を離れる際に木こりのおっちゃんが魔物の解体に使ってたナイフをくれた。使い込まれていてボロボロになっていたけど研げばなんとか使えそうだ。
これで自分でも魔物の肉を調達できるぞ!出来れば父ちゃんと母ちゃんにも食べて欲しいから僕が魔物と戦っている事をカミングアウトしなきゃなんだけどタイミングが難しいんだよね。危ないから止めろって言われる可能性は十分にあるから魔物と戦うのが難しくなりそうだ。
騎士団の副団長ゴーティからは薪作りが終わるまでの間は特に何か話をする事はなかったんだけど村を離れる当日にゴーティから声を掛けられた。
「これを君に渡しておくよ」
差し出されたのは封書だった。
「それは私からの騎士見習いの推薦状だ。もし君が心変わりして騎士を目指したいと思ったら、それを持ってマーウェル伯爵領の領都まで尋ねて来なさい。歓迎するよ」
そう言い残してマチカネ村を去っていった。まぁ、使う事は無いとは思うけど貴族様から頂いたものだから、なんだか処分しづらい。取り敢えず納屋の隅っこに置いた僕専用木箱に入れといた。
騎士団や木こり達が村を去り、またいつもの生活に戻った。午前中は農業の手伝い、午後からは湖付近で魔物と戦闘。それに加えて戦闘の訓練も行っている。
騎士アドルの戦い方を思い出しながら間合いの取り方や体捌きなどを自己流で訓練した。数ヶ月が経ち11才になった。日々魔物と戦い経験値を得ているけど中々レベルが上がらなくなってきた。
name:ネール
age:11
job:農民 (29/100)
lv:35
exp:560/187000
skill:投石lv.3 棒術lv.3
HP 67/67
MP 0/0
STR:53
VIT:45
INT:17
RES:17
AGI:34
DEX:36
全然ステータスが上がらないけどホーンセーブルやフォレストウルフは危なげなく倒せるようになった。
騎士の戦い方を見学出来たのも役に立ってる気がする。自己流ではあるけどアドルの動きをイメージしながら訓練、そして実践を繰り返していると、なんとなくアドルの動きに近づいて来ている気がする。
そうなると次はもっと経験値を稼げる、もう一段階上の強さの魔物と戦うべきなのかもしれない。
ビビってるだけじゃ先に進めない!という訳で現在の森の浅い場所からもう一歩踏み込んで森の少し奥に進む事に決めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます